凶悪化する特殊詐欺等の対策について
令和6年第4回日野市議会定例会の一般質問の内容です。凶悪化する特殊詐欺等の対策について⚫︎馬場けんじ 犯罪実行者などをSNSなどで通じて募る闇バイトによる強盗や特殊詐欺などの事件が首都圏を中心に相次ぎ、市民の皆様の防犯意識がより高まっています。各地域で発生した犯罪発生情報などが配信されるメールけいしちょうでは、日野市内でのアポ電入電中などの情報も日々配信されている状況でございます。 そうしたことを踏まえ、凶悪化する特殊詐欺などの対策について取り上げていきたいと思います。 それでは、まず1点目として、特殊詐欺等に対する市民の皆様からの問合せ状況や被害状況について、まずお伺いしたいと思います。●総務部参事(北島英明君) 特殊詐欺についてでございます。初めに、特殊詐欺等に対する問合せ状況についてでございます。日野市における特殊詐欺等に対する市民からの問合せ件数につきましては、ここ数年は平均して1日に1件程度でございましたが、令和5年1月に狛江市において発生した高齢女性に対する強盗殺人事件が報道されて以降、問合せの件数は増加傾向となっております。 また、本年8月以降、首都圏において強盗殺人事件や強盗傷害事件が頻発し、本年9月30日には近隣の国分寺市においても強盗傷害事件が発生したことで、凶悪化した強盗事件を市民が身近に感じるようになり、現在では1日に四、五件程度、窓口や電話によるお問合せを受けている状況となっております。 問合せの内容としましては、市内における特殊詐欺の発生状況や傾向、また、リフォームや機器の点検等を装った不審な業者からの電話や突然の訪問についてなどが大変多く寄せられております。 また最近では、これらに加え凶悪化する強盗事件等への被害防止対策や防犯対策用品の購入に対する補助金要望の問合せなども増えている傾向にございます。 続きまして、特殊詐欺の被害状況についてでございます。全国における特殊詐欺の発生状況としましては、警察庁の発表によりますと、令和4年から令和6年にかけて認知件数、被害金額ともに増加傾向にございます。 都道府県別で見ますと令和5年の被害件数は東京都が2,920件と最も多く、国内全体の15.3%を占めております。 警視庁の発表によりますと、都内における特殊詐欺の発生状況としましては、令和4年から令和5年にかけて認知件数が減少する一方で、被害金額は増加している状況にございます。 令和6年につきましては、10月末時点での認知件数が2,704件、被害金額が約96億円と昨年の同時期と比較して認知件数、被害金額ともに増加傾向にあり、さらには首都圏において闇バイトによる強盗傷害事件等が頻発する傾向にあることからも、特殊詐欺等の事件がこれまでより一層凶悪化している状況にあるものと認識しております。 また、日野警察署からの情報によりますと、市内における特殊詐欺の発生状況としましては、令和4年から令和5年にかけて認知件数、被害金額ともに減少傾向にございましたが、令和6年は11月22日時点で被害件数が66件、被害金額が1億1,255万円と既に昨年の数値を大幅に上回っている状況にございます。 傾向としましては、オレオレ詐欺や還付金詐欺が昨年に引き続き高い割合で発生しておりますが、特に架空料金請求詐欺被害の割合が昨年より高くなってきております。また、1件の被害も高額化しており、これは、近年、手口が巧妙化している影響であるものと考えられております。 以上でございます。⚫︎馬場けんじ ありがとうございました。 今1日に四、五件程度、問合せを受けていらっしゃるということで、凶悪化した強盗事件などを市民の皆様が身近に感じ始めているということが分かりました。 次に2点目として、防犯対策について伺います。 特殊詐欺撃退用の機器である自動通話録音機の貸出し状況、また、併せて防犯カメラの設置状況についてお伺いしたいと思います。●総務部参事(北島英明君) 自動通話録音機の貸出し状況並びに防犯カメラの設置状況についてでございます。 初めに、自動通話録音機の貸出し状況についてでございます。市では特殊詐欺や悪質商法等の不法行為を未然に防止するため、市内のおおむね65歳以上の高齢者のみが居住する世帯や自動通話録音機の設置が必要と判断された方を対象に、平成22年度から無償で自動通話録音機を貸与する事業を実施しております。 当該事業における事業開始から令和6年10月末までの貸出し実績としましては、合計4,287台を購入し、そのうち3,857台を貸与しているところでございます。 統計情報によりますと、市内の高齢者世帯は令和2年時点で1万9,331世帯となっておりますので、全高齢者世帯の約19%に貸与している状況となっております。 直近の傾向としましては、令和6年度は当初1日に約1件程度のペースで貸与申請を受けておりましたが、9月30日に発生した国分寺市での強盗傷害事件の報道をきっかけに、10月に入ってから貸与の申請ペースが約3倍に増えている状況にございます。 また、申請者につきましても、子どもや親族の勧めを受けて申請に来られる方や、親族等による代理申請が約3分の1を占めております。申請の理由としましては、近時の強盗事件の連続発生等の報道を受けて、事件の凶悪化を身近に感じたことで申請に至ったとの声が多く聞かれるようになってきております。 続きまして、防犯カメラの設置状況についてでございます。市では平成27年度から街頭防犯カメラ設置事業を開始し、令和2年度までの間に市内、各駅周辺、通学路、公園に合計125台の防犯カメラを設置しております。 また、自治会等による街頭防犯カメラの設置に対しましては、令和元年度から東京都の地域における見守り活動支援事業を活用し、補助事業を実施しております。補助による設置費用の負担割合につきましては、補助対象経費のうち東京都が12分の7、市が3分の1、残りの12分の1を自治会が負担することになっており、補助の上限額は防犯カメラ1台当たり60万円となっております。 事業開始から令和6年度までの間に、市内の14自治会が本事業を活用し、合計55台の街頭防犯カメラが地域に設置されております。令和7年度につきましては、さらに3自治会が本事業の申請を予定しており、合計で新たに10台の街頭防犯カメラの設置が計画されております。 防犯カメラは特に公共の場所に設置する場合、設置場所や撮影範囲、方向によっては市民などのプライバシーを侵害するおそれがあるため、設置には最大限の注意が必要であり、これは日野市防犯カメラの設置及び運用に関する条例にも基本原則として定められております。 一方で、設置による犯罪の抑止効果は大きな期待が持て、また近時では防犯カメラによる映像が犯人検挙に直結することも多いことから、市といたしましては、将来にわたり安全で安心な地域環境を維持していくためにも、今後さらなる設置促進を図っていく必要があるものと考えております。 以上でございます。⚫︎馬場けんじ ありがとうございました。 自動通話録音機については、10月に入ってから貸与の申請のペースが約3倍に増えている状況ということで、ここでも、より市民の皆様の防犯意識が高まっているということがよく分かりました。 また、防犯カメラについては、ぜひさらなる設置促進を図っていただく取組をお願いしたいと思います。 次に、最後の質問になります。 1問目の答弁の中で、凶悪化する強盗事件等への被害防止対策や防犯対策用品の購入に対する補助金の要望に関する問合せも増えている状況ということでありました。 そこで最後に3点目として、防犯対策物品購入補助の状況について伺います。●総務部参事(北島英明君) 防犯対策物品の購入補助についてでございます。現在、市では、市民の方が防犯対策物品を購入する際に、補助金による支援事業は実施しておらず、東京都につきましても現在まで実施はされてはおりません。 近隣市では、八王子市と狛江市において、令和5年度から国の地方創生臨時交付金を活用し、防犯カメラやカメラ付インターホンなど防犯対策物品の設置、取付に対する費用の補助事業を実施しており、そのことにつきましては市でも確認はしているところでございます。 一方で国の動きといたしましては、令和6年11月22日付の閣議決定において、国民の安心安全と持続的な成長に向けた総合経済政策が定められ、その中において防犯対策の強化の一環として、防犯カメラの設置など地域防犯力の強化への支援や防犯性能の高い建物部品の設置といった防犯対策強化の取組への支援が示されたところでございます。 今後、国から防犯対策物品購入に対する支援等が具体的に示されることが予想されるため、その場合は市としてもこれらを積極的に活用し、市民の防犯対策物品購入に対する補助事業の実施を検討するなど、市民生活のさらなる安全安心の向上に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。⚫︎馬場けんじ ありがとうございました。 八王子、狛江市の補助事業について紹介がありましたが、今後、三鷹市でも各家庭や店舗などに防犯対策費用の一部助成をするようであります。今後、国からの支援等が示された場合などは、ぜひ市としても積極的に活用していただきたいということを要望いたします。 また、青色回転灯が設置されている庁用車両がありますが、この車両も防犯対策としてさらに有効的に活用いただければと思います。市民の皆様の命を守る今後の防犯対策に、より一層力を入れていただくことを強く求めておきたいと思います。 最後に、市長より御所見をいただければと思います。●市長(大坪冬彦君) 馬場賢司議員より、凶悪化する特殊詐欺等の対策についてということで御質問いただきました。 最初に答弁させていただいた特殊詐欺の状況でございますが、かなり深刻な状況になっているということであります。最近のいわゆる闇バイトを使ったトクリュウ型犯罪、匿名、流動型犯罪ですかね、あれが出てきた背景は特殊詐欺に対してはかなり注意をしているので、なかなか犯人もうまくいかないので、ああいう闇バイトを使った形になってきたという理解もあったんですが、逆にそれがありつつ同時に日野市内においては、被害金額も増えているということでありますから、必ずしもそうではなくて両方がという話になっていて、近年私もいろいろなところで挨拶する場合に、刑法犯認知件数は減少傾向にあるという挨拶を何年か前していたんですが、そうではなくなってきているなということで、事態は深刻だなと思っております。 その場合の日野市の対策としては、先ほど答弁させていただきました街頭防犯カメラの設置の推進、それから青色防犯パトロール車による注意喚起、そして広報等による啓発、あとは防災安全課の職員が防災講話ということで各自治会等に出かけているということをやってきましたが、それだけでいいのかなという状況も今、起こりつつあるということであります。 かなり深刻な状況になってきていて、自治体として何ができるかと考えた場合に、なかなか歯ぎしりするちょっと悔しさがあるといいますか、なかなか防止するための有効な手だてがない。当然メインは警察でありますから警察とも連携しながらということ。あとはやはり、地域のコミュニティーの活性化によって、そういう犯罪を監視できるような地域社会をつくるということだろうというふうには思っております。 その上で、防犯対策としてグッズの購入の購入支援策が示された場合にはということで議員から指摘いただきました。今の石破政権は防災庁をと言っております。そして、今回の深刻な闇バイトを含めた犯罪についても一定の取組強化をということを打ち出しておりますので、その場合にそういう形で、例えば、議員がおっしゃいましたような防犯グッズ等の購入の補助という形が出れば、当然市としてもそれについては取り組んでいかなければならないと思っております。 それだけで十分とは言えませんが、できることは全てやっていくということで、この深刻な状況について何とか対応していかなきゃならないというふうに思っております。 いずれにしろ、恐らく今の闇バイトを含む凶悪犯罪、そして特殊詐欺については今後、増加する傾向がこれからも強まっていくと思いますので、それに対しては自治体としてできる限りの対応を、全力を挙げて行っていきたいと思っております。 以上です。