RUDE

ルード

という言葉、たまに聞くと思う。

簡単にいえば、「不良」のこと。

厳密に言うと、レゲエとかスカの、ジャマイカンミュージック関連用語。

英国では、移民がカリビアン系で、ジャマイカンミュージックが、60年代からモッズに人気があったことで、

70年代に2トーンスカのムーブメントが興った時に、ルードボーイという言葉が使われた。

ちなみに、メキシコのプロレス、ルチャ リブレでも、善玉レスラーは「リンピオ」、悪役レスラーは、「ルード」と分類される。


さて、現在、「RUDE」という言葉や感覚は、そういった限定された世界の言葉では無く、
もう少し広い解釈に。

不良と言っても、ただ素行が悪いだけではルードボーイとは言えない。

服装、身なりには気を使い、クラシックなアイテムをチョイスし、ダンディズムを感じる、「伊達」な雰囲気が無ければならない。

出来れば、スカやレゲエはじめ、カリプソやクンビアなどのジャマイカンルーツミュージック、

リズム&ブルース、ジャズやブルースなどのブラックミュージック、

ブーガルーやサルサなどのラテンダンスミュージックなどを愛好すれば完璧!

遊ぶ洒落たチンピラですね。




個人的な「ルードボーイ」遭遇体験は、

80年代後半の、スカのリバイバルブームの頃。

モッズが好きだった事はここに散々書いてきたけど、

音楽カルチャー知識の横幅が広がるにつれ、

お店に立つ上での装いも、新たな切り口を探していた時、

東京に出た、旧知のバンドマンの後輩がお店に現れた。

どうやら東京下北沢で、何かの洗礼を受けたらしい。

それまでは汚いブラックジーンズと汚い革のジャケットばかり着ていた彼のコーディネートは、

ベージュかオフホワイトのスィングトップの中にハワイアンシャツの襟を出して着ていて、

頭は坊主、そこへツバの広めなハット、

中太の、たしか茶色いスラックスに黒いドクターマーチンのブーツというコーディネート。

そして、サスペンダーを、肩から外して腰に垂らしていた。(こういうことは何十年経っても覚えている。)

今まで、田舎町では、入ってくる情報の少なさから、縦割りなカテゴリーでロックファッションを見てしまうので、

(例えばパンク、ロカビリー、モッズ、ロッカーズの、それぞれの典型的なコーディネート)

どれにも属さないけどカッコいい、古臭い不良っぽいコーディネートは新鮮だった。

今じゃ当たり前?のスタイルも、昔の田舎町では衝撃的。

恐らく、ローカルより一歩早い東京でのスカの流行から得た装いだろう。

お店自体が、多ジャンル傾向だったし、モッズの戒律的なルールにちょっと疲れていたこともあって、

「これだ!ルードボーイだ!」と思った。

当時、スカでよく知られていたのは、79〜80年頃、パンクとの融合で新たな音楽として有名だった、2トーンスカの、スペシャルズとマッドネスだった。

しかし、当時の流行は、そのルーツである、60年代のスカ。いわゆるオーセンティックスカ。

ジャマイカのダンスミュージックね。

そして、ギャズメイオール率いる、トロージャンズが、2トーンとは違う、オーセンティックなスカをベースに、アイリッシュやトラッドジャズをミックスした、新しい「ネオスカ」を引っ張っていた。



クラブシーンはスカが大人気。(よくやっていたパーティーに対する問い合わせで、「今度のパーティーではスカはかかりますか?」という電話問い合わせがあったほど)

さあ、俺もルードボーイになろう!

スカで踊るぞ!

ハットのツバはやや広く、スラックスはやや太く、着こなしもモッズよりラフに、

アイテムも、ボタンダウンシャツに加えて、オープンカラーのシャツなども取り入れた。

確固たるイメージはあれど、明確なルールはない、

「ルードな雰囲気」が出れば良い、という自由さも気に入った。

着こなしは以前より「ラフ」になった。

同じフレッドペリーのポロシャツを着るにしても、モッズとルードボーイでは雰囲気が違うのだ。


聴く音楽も、ロックより、前出の古き良きダンスミュージックに傾倒して行った…。





とまあ、個人史はこのくらいで。

解釈がより自由に広がった今、

僕がルードボーイを気取るに当たって参考にしたキーパーソンを紹介。

ここでは、服装に重点を置き、スカやレゲエのジャマイカンミュージックはちょっとだけ横に置いておく。

まずは、ジム ジャームッシュ監督の映画、ストレンジャー ザン パラダイスのジョンルーリー。

映画のカット。


ミュージシャンでもあり、いつもルードボーイ然とした装い。

お次は、
フランスの無頼野郎、ジャンポールベルモンド

「勝手にしやがれ」で有名。




ミュージシャンサイドからは、

トムウェイツ


酔いどれ詩人。


汚い顔がめちゃくちゃカッコいい。

前出の2トーンスカ代表、スペシャルズは、モッズに近くて取り入れやすかった。

そして、これぞホンモノ?
オーセンティックスカの、スカタライツのトロンボーン奏者、ドンドラモンドのこのジャケットのイメージ。

パンク代表は何と言ってもクラッシュのジョーストラマー。

テッズ〜ロカビリー、そして戦闘服的なイメージ強いが、ある時期はめちゃくちゃルードボーイ。



異論あるかもしれないけど、あげたらキリが無い…。


どうでしょう?この人達の、伊達なダンディズムをたたえた不良な佇まい。

ルードな感覚が好きなら、



この辺の「雰囲気」を意識して着てみると、RUDEが見えてくるハズだ。


例えば、ハワイアンシャツを、

リゾート意識で着るか?

RUDE意識できるか?

どちらも正解だけど、カッコ良さの種類が違ってくる。

元々エリートの証であったボタンダウンシャツや、スポーツウェアのポロシャツ然り…。

雑誌で「RUDE」ってのもあるし、

いろいろな映画や音楽を見聞きして、自分なりの「RUDE感覚」を磨いてみては?



ただ…………….、

今は不良っぽい感覚って、流行んないのかねぇ〜🤔