2009Jリーグ 第18節


柏レイソル 0 - 2 ガンバ大阪


(得点)レアンドロ 2



今日はテレビ観戦。渋谷からダッシュで帰宅中、近くのグランドでサッカーをしている子供たちの付き添いのお母さんたちが、みんなケータイを空に向けてる。


これです。




愛娘とサッカー<ガンバ大阪>と建築と音楽と・・・

東のかかったでっかい虹。



おー、なんか吉兆かな。

虹の彼方に、勝利はあるか!?



まずは、スタメン。

見て、ずるっといったサポの方も多いのでは・・・。なんか全然新鮮味が無い・・・。


      レアンドロ

ルーカス  二川  佐々木

     明神  橋本

下平  山口  中澤  安田

       藤ヶ谷 


ルーカスのところに宇佐美、橋本のところに倉田か武井、CBのどちらかのところに高木、最低これぐらいあるかと思いましたが、なーんも変わっとらんやないかい!

西野監督の「詫びメール」はいったい何やったん?




試合展開。

開始早々はいつものパターンで、ガンバが押し込み、レイソルがカウンター。

北嶋のカウンターからの素晴らしいボレーシュートがクロスバーをたたく!これが決まってたら、いつものパターンだったでしょう。しかし今日はついてる!やはりあの虹は吉兆だったか・・・。


でもよく見ていくと、いつものパターンとちょっと違う。

遠藤がいない。ボールが落ち着かない。ボール奪取後の預け先がない。スピードにメリハリが無い。前へ前へ行こうといすぎてパスの出しどころがない。

いいじゃないですか!この「前へ」という勢いは連敗中のガンバにありませんでした。相手の陣形が整うまでご親切にパスを回して、速攻できるところをあえて遅攻でいく。もちろんガンバのカウンタにも遠藤のパスが絶対に必要でしたが、遅攻となると遠藤がいないとできまへん。

それにけっこう球際が激しかった。これもここ数試合のガンバにはなかったこと。下平の小外掛けには拍手を送りました。(トーゼン、イエローカード)


レイソルも危機感満載で激しく来る。

次第に中盤のつぶしあいの様相を呈してくる。これまでの、ガンバがパスワークでポゼッション、相手はリトリートしてカウンターという、はっきりと2極化した絵がピッチに描かれず、双方きれいな崩し、展開には程遠い。

北嶋のクロスバーをたたくシュート以外、見せ場の無かった前半が終わる。



後半、ルーカスの頑張りが一際目を引きました。シンプルにパスをさばき、プレスをかけ、勝利への意欲を見せてくれました。チーム全体が攻守の切り替えをすばやく行って、プレスをかけ、ボールを奪ったらあまり手数をかけずにゴールに向かう。今はそれが一番いい。


そして待望の先制点。

橋本が鋭い出足でインターセプト。レアンドロにわたって一気にゴールへドリブル。GKかわしたところで引っ掛けられて(?)PK。川崎戦の遠藤の失敗を思い出してしまうが、レアンドロが思い切りよく決めて1-0。

前線からのプレスが奏功したゴールでした。

2点目も安田が右から手数をかけずにクロス。連敗中のガンバなら、サイドで何度もパス交換して、その間にゴール前は相手DFがしっかり待ち構えることができるというパターン。今日は相手の陣形が整わない間に素早くクロス。相手DFに当たって少しコースが変わったという幸運はあったかもしれないが、手数をかけなかったから相手DFは戻りながらの対応になり、ばんどとレアンドロを完全に捕まえていない。だからそれほど大きくないレアンドロが、でかい古賀の裏でヘディングシュートができた。もちろん逆サイドに落とす技術は二重丸!ちょっと、UEFA チャンピオンズリーグ決勝のメッシのヘディングシュートを彷彿とさせたぞ。


交代で入ったのがばんどと山崎というところが、なーんも変わっとらんやないかい!と突っ込みを入れたくなるところですが、守備が安定していたのであまりいじりたくないというのはわかる気がします。宇佐美は出してほしかったけどね。いつもの西野監督だったら、3点目を奪うためのメッセージを託した交代のはずだが、今日は走れる山崎で前線からの守備重視のようでしたね。まあ現実路線ですな。




かくしてガンバの魔法は自らの手でいったん解けた。

遠藤、二川、橋本、明神の名手が集まる中盤でおきる魔法。それは2005年から続いたJリーグの財産、名物でもあっただろう。しかし連敗と遠藤の出場停止でその魔法は効果を失った。

原点回帰。プリミティブなスタイル。そう、単純にボールを奪い、ゴールを狙う。スタイルの迷宮に迷い込んだら、一度そこから出てしまうのが一番いい。

魔法を使う力が無くなったわけではない。魔法使い候補もあらわれている。また「ガンバの魔法」が勝利とセットで見られる日もきっと来るだろう。




藤ヶ谷 : 6.0 (打たれたシュートも少なく危なげ無し。)

下平  : 6.0 (激しい守備を見せた。やるじゃん。)

山口  : 6.0 (北嶋に手を焼いたが全体として無難。)

中澤  : 6.5 (古巣には絶対に負けたくない気合を見せた。)

安田  : 6.0 (珍しくチョンボは無かったね。アシストはいいけど、おちゃらけたブログは何とかしなさい。)

明神  : 6.5 (連敗中もこの人だけは常にハイレベルのプレー。)

橋本  : 6.5 (パスミスあるも、PKにつながるインターセプトはお見事でした。)

二川  : 5.5 (相手の激しい寄せに手を焼く。)

佐々木: 5.5 (効果的なクロス出せず。膝は大丈夫?)

ルーカス:7.0 (シンプルにパスをさばき、守備もサボらず、前線でその技術を駆使してボールをキープ。

          本来はいわゆる「クラッキ」だが、魔法は封印。勝利のみを目指した。素晴らしい!)

レアンドロ : 7.5 (数少ないチャンスで2得点。これぞエースストライカー!)


ばんど : 5.5 (シュート打てず。レイソル戦はいい印象がありますが・・・)

山崎  : - (短いよね。)


西野監督 : 5.5 (変えるといって、実際には遠藤がいないという事実だけ。正念場は続く。)


ネルシーニョ親子 : 60代と30代ぐらい???(親子でレイソル入りとのこと。

               オシム親子のパターンで代表監督狙いか?!

               そういえば前に噂はありましたね。しかし息子はずいぶん老けてない?)








ドロシーは、虹の彼方にある「エメラルドの都」に住んでいる大魔法使いオズに願い事を叶えてもらうために会いに行く。ガンバは自らの「魔法」のしがらみをすてて勝利をつかみ、虹の彼方にある真の「ガンバスタイル」に向かってゼロからスタートした。

昨シーズン、リーグ優勝したのはアントラーズだったけど、2008シーズンは「ガンバのシーズン」だったと思う。ACL~CWC~天皇杯にいたる過程はそれほど素晴らしかった。リーグ優勝はできなくても、素晴らしいシーズンと言えるものだった。

今シーズン、優勝は、日本代表のW杯ベスト4よりも非現実的だろう。それどころか、J2降格の可能性のほうが現実的である。

リーグの残り16試合で、ガンバが何を見せてくれるのか。虹の彼方へ向かっていく意欲を見せてくれるのか。

しっかり見守っていきたい。