ゴールドラッシュが歩んだ盛衰-森林の中に現れる廃墟たち-
【BGM】 Ryuichi Sakamoto Acceptance (1993)
雪深く積もる北海道の「森林地帯」。鬱そうとした「自然」に覆われ「人の気配」は全く感じられません。しかし、道路沿いに点在する「廃墟」はここに「人の生活」があったことを伝えています。ここは「金鉱山」で栄えた町「鴻之舞」(こうのまい)。かつては「東洋一」と言われるほど「金の採掘」で賑わい「最盛期」の昭和20年代は「1万3000人」が暮らしていました。
頭上を横切るのは住民へ「生活物資」を運んでいた「線路跡」。この「鉄橋」が見えたらそこは「鴻之舞」の「入り口」。

森林の中に突如現れる「鉱山住宅」。「住む人」を失い「自然と一体化」しようとしている。
「コンクリートの住宅」を飲み込む勢いで「生い茂る木々」。

「冬枯れの木々」を背景に「物悲しさ」が募る。

今も残る「表札」そして「電力メーター」。表札の「文字」はかすれて消えかかっていた。

カバーが破損して「吹きさらし」になったメーター。

抜け落ちた「屋根」。「広がる空」がただ虚しい。

金山の経営権を得た「住友」のマークが残る蔵。ここは住友の「企業城下町」だった。

重くのし掛かる雪に耐えながら「町の盛衰」を伝えるコンクリートたち。

「ガソリンスタンド」であったことが建物の外観からわかる。

傾きかけた「レンガの煙突」。かろうじて「その形」を留めている。

積雪に負けずに何度も冬を乗り越えた「木造住宅」。

玄関先の「新聞受け」。遠い過去の「生活の臭い」がする。

一時は「31学級」もあった「鴻之舞小学校」。「1,500人以上」もの児童が通った校舎も、今では「柱」と「壁」だけになってしまった。

「住友」の支援を受けて形成された「一大鉱山街」。「病院」も「耐火壁」だけを残して自然に還ろうとしている。

高台に立つ巨大な「変電所」。「アーチ型」の窓や入り口。「洋風の造り」が自然の中で「異質な存在感」を放っていた。

「ひび割れた」外壁は閉山後、置き去りにされた「嘆き」のようだ。

既に「壁」は崩れ落ち、「内と外の境界線」も失われつつあった。

誰もいない山中で僕を包む「白い雪景色」そして「白い壁」。怖いほどの「静寂」。

当時、ここで暮らしていた人たちも「同じように」この窓から「空を見上げた」はず。でも「窓」から見える景色は「昔と同じ」なのか?

そびえ立つ「精錬所」の煙突。鴻之舞で生まれ育った人からは「望郷の大煙突」として親しまれている。「故郷を偲ぶ」大切な「ランドマーク」。

「昭和48年」住友金属は「資源枯渇」・「金銀価格の低迷」を理由に鴻之舞金山の閉山を決定。「56年間」続いた栄光に「ピリオド」を打ちました。閉山と同時に「全ての住民」は去り、町は瞬く間に「廃墟の町」と化してしまいました。閉山から40年、今も「コンクリートの人工物」が自然界に残され「ゴールドラッシュの盛衰」を静かに伝えています。