"世界遺産登録をめぐって、いま話題の富士山と富士五湖。日本を代表する観光地であり、周辺のすべてのスポットが人気観光地といっていいでしょう。ですから「穴場」と呼ぶのはちょっと気が引けるような気もしますが、案外知られていないところだと思うので、あえて「穴場スポット」とさせてもらいます。
それは西湖の近くにある「野鳥の森公園」。バードウォッチング好きな人には「いまさら」なのでしょうが、ネームバリューはあまり高くないようです。富士五湖ファンで、こどものころからかなりの回数旅行した私も、5年ほど前に友人から教えられて、はじめて知りました。
園の入り口のところに「樹海ギャラリー」というロッジがあり、脇に広々した芝生公園。そしてその2つを囲むように「自然の森」が広がっています。
ここの自然は、ほんとうの自然です。おかしな言い方のようですが、森の散策路を歩いて奥のほうまで行くと、少し不安になるような風景に出会います。「ここはもしや、樹海?」。樹海の迷路に入り込んでしまったような自然すぎる景色なんですよ。
それもそのはず、ここの森から有名な「青木ヶ原樹海」はそのまま通じているんです。めったに出会えない森の風景。それがまずこの公園ならではの魅力でしょう。
けれど、ここのナンバーワンの楽しみは、実は森ではありません。樹海ギャラリーの裏手のエリアで、野鳥たちに直接エサやりが体験できるのです。これが楽しい! 
ギャラリーで売っているヒマワリの種がエサ。それを手のひらに載せて、少し前方へ差し出すようにすると、小鳥たちが飛んできて手のひらに乗ります。そしてタネをくわえて飛び去ります。
私にとっては人生初の「野鳥の餌づけ」でしたが、特に野鳥好きではない私も、小鳥たちのかわいさに一度でとりこになってしまいました。ちなみに、ヤマガラ、キビタキ、アカゲラ、シジュウガラなど60種類もの野鳥がいるそうです。
ギャラリーの2階から双眼鏡で野鳥の観察もできますし、カレーなどの軽食をとれるレストランもあります。ここのコーヒーが、私は好きです。
カップルで、ファミリーで、グループで、ぜひぜひ。
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