夕の空 (朱音の空想想像小説) -195ページ目

『王の血脈』 第5章 7

レイネードは、例の山荘を時折、密談の席に利用している。

そこは完璧な、密室の空間だ。
空気の出入り云々ではなく、周囲を≪闇狩人≫が護っている。侍女も執事もいない。

それこそが大切だった。

第三者を一人も介してはならない。
山荘には、通常、≪闇狩人≫の中から一人、常駐している人物がいる。

「おう、久しぶりじゃないか、ディー」

レイネードとキルシェ、ディーが山荘に到着した時、真っ先に出迎えたのが、山荘の管理人だった。
彼も≪闇狩人≫の一人で最年長の男だ。


「やっと来たかぁ」

山荘の中から、仲間の一人が顔を出す。

「お前らも早く手伝えよ。おやっさん、相変わらず人使い荒いんでやんの」

ディーは片手をあげてソレに答える。

「キルシェはレイネードに張り付いてろな」
ポンとキルシェの背中を押すと、キルシェは空色の瞳に少し不服げな光彩を宿した。

「外の仕事なんて、薪割りとか草刈りとか水汲みとかトラップの仕込みとかそんなんばっかだぞ」
レイネードが密談を行うのは、明日。

それまでに、来客をもてなす準備をするのもまた≪闇狩人≫の仕事の一環だ。

不審な人物を一人たりともレイネードに近づけないため、そして戦闘能力のない足手まといを出来るだけ増やさないためには仕方がない。

「じゃあ、僕トラップの仕込み手伝ってくるっ」

瞳をキラキラと輝かせ、キルシェが立候補する。

「中は、だって、おやじさんとヴェルフがいるんでしょ?」

おやじさん、と呼ばれた年配のひげ男はその通りだとばかりに頷いた。


ちなみに管理人であるおやじさんは、山荘をぴっかぴかに磨き上げるのが趣味で、山荘の外のことには無頓着なので、しばらくぶりに来てみると、山荘の周りは雑草が生い茂り、料理に使う薪もない。

ヴェルフは、調理担当の男だが、シェフ顔負けの料理を作るので、大事な密談の折には必ず呼ばれている。
もちろん、彼も≪闇狩人≫で、料理の腕だけではなく、室内戦闘のプロだ。


「んじゃ、僕、あっちに合流してこようっと」

誰も文句を言わなかったので、キルシェは瞬く間にその場から居なくなった。


「おい、ディー早く」
外回りの整備をしていた仲間がせかすので、ディーはレイネードをおやっさんに任せて、建物の裏手へと回っていった。




この山荘に来るたび、遠くに小川のせせらぎが聞こえるたびに思い出す。
ルファニアとでった時のことを。




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新緑の美しい景色です。
そげな描写、一言たりとものせてないけど。w !(´Д`;)


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