アジアでもヨーロッパでも、カナダでも。
ただ、自分の美容師としての人生観を変えたのが、ある人との出会いだった。
その人との出会いをキッカケに、それまで漠然としてた美容師としてのゴール地点が変えられることになるのだが。
それを順を追って説明して行こうと思う。。。
出会いはある美容メーカー主催の講習会であった。
美容師の多くは、美容メーカーやディーラーが主催している講演会や勉強会から多くの知識や技術を学ぶのである。
その時も同じようにディーラーの営業マンからある講習会の誘いがあって、なんとなくで参加したのであった。
内容は、美容師としてのケミカルの考え方(ケミカルとは毛髪科学の事)
つまり、髪の毛の「ダメージ」との付き合い方だ。
本来女性の持つ髪の悩みは「痛みによるものが大半を占めている、なのでそれについての講習会も数多くあったのだが、その人の講習会は比べ物にならないものであった。
京都のある住宅街で、ある小さな美容室のオーナーでアシスタントと二人での経営をしている。一見したらごく普通の経営体制なのだが、そのメニュー内容が驚きだ、来店されるお客さん全員に施術する「トリートメント」一番安いもので1万円、最高で7万円という驚きのものなのだ。
美容室でのトリートメント平均価格は2~3千円、高くてもせいぜい6千円ぐらいなのだ。
それをはるかに越える額だ。
それなのに来店客全員がそれを求めて予約をし、半年先まで予約がいっぱいなのだ。
恐らく、全国を探しても同じ体制のサロンはないだろう。。。
とまあ。そんな感じで紹介を受けたわけだが、「百聞は一見に如かず」な性格なので、とりあえず見てみよう。
という感じで受講した。
1回目は座学で髪の基礎知識を学んだ。
話す内容はわかりやすく。ユニークに富んだ話の上手さがあったので楽しく終えた。
問題は2回目の「実技模範」だ。
モデルとなった女性は(こういった講習で実際に技術を体験する人をモデルという)、髪のダメージレベルは「5」言い換えれば「最悪」なコンディションだ。
こんなのが実際営業でお客として来たら、しかも「パーマをあててほしい」なんて言い出したら、ほとんどの美容師はまず断るだろう。基本的に一定以上のダメージを受けた髪にパーマもカラーもあたらないのだ。
なんて言われたことのある女性はわりと多いのではないだろうか??
それでも当てて欲しいと言われてあてたらほぼ、チリチリになって終わる。運良くあたっても3日でとれてしまうだろう。
髪は嘘をつかない。ケアをサボるとそのままコンディションに出るのだ。
そんなモデルの髪を元の綺麗な状態にトリートメントで戻そうというのが、2回目の講習の内容だった。
「うちの薬剤だったら治りますよ」という美容メーカーや「うちのトリートメントならすぐに治りますよ」という美容師はよくいるが、実際に治るのは見たことがない。
その日も半信半疑で見ていたのだが、仕上がりは100点。。。
いや、180点というべきか。。。
完璧に生まれ変わっていたのだ。
「芸術」に近かったのだ。。。
モデルも大満足。その後もその店に通いたいというコメント付きで終えたのだ。
受講生も大満足でその日の講習は幕を閉じたのである。
その日、私の中で美容師としての価値観が変わった。
美容師としてのゴール地点を見出したのであった。
「美容師とお客さんが痛みを気にせずデザインを楽しめる美容室を作ろう!」
初めて自分が向かう先がはっきりと見えたのであった。。。
