日本のサムライと戦ったことは誇り

当時の人の手記を読むのは戦後のマインドコントロールから目覚めるきっかけになる。

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 大東亜戦争で日本軍はビルマへ進攻し、イギリス軍を追い散らしました。しかし、日本は敗戦。ビルマの日本兵士は捕虜となり抑留させられます。陸軍一等兵だった会田雄次氏はそのときのことを「アーロン収容所」という著書に残しています。
 「アーロン収容所」ではイギリス軍兵士は日本兵捕虜と話しをするようなことはあまりなく、例外的に「日本人はこの敗戦をどう考えているか」「復讐をしないのか」(カタキウチという日本語を使って聞かれた)「なぜ武装解除に簡単に応じたか」と問いかけられることはあったと書いています。

 あるとき、アメリカで働いていてハーバード大出のイギリス軍中尉が日本兵捕虜の作業場所に来ました。彼は人懐こく、日本兵捕虜によく話しかけていました。そして作業指揮官の日本兵将校と話をしていました。そのとき、日本兵将校が「日本が戦争をおこしたのは申し訳ないことであった。これからは仲良くしたい」とという意味の言葉を言ったところ、このイギリス軍将校は次のように述べました。

「キミたちは奴隷(スレイブ)か。奴隷だったのか」

 人懐こいイギリス軍将校が急にいずまいを正すような姿勢を取りました。会田氏はハッとしました。

「我々は我々の祖国の行動を正しいと思って戦った。君たちも自分の国を正しいと思って戦ったのだろう。負けたらすぐ悪かったと本当に思うほどその信念はたよりなかったのか。それとも主人の命令だったから悪いと知りつつ戦ったのか。負けたらすぐ勝者のご機嫌をとるのか。そういう人は奴隷であってサムライではない。われわれは多くの戦友をこのビルマ戦線で失った。私は彼らが奴隷と戦って死んだと思いたくない。私たちは日本のサムライたちと戦って勝った事を誇りとしているのだ。そういう情けないことはいってくれるな」

 会田氏はイギリス軍将校の言葉には相手を勇気づける好意が含まれているのを感じ、頭がさがる思いであったと述べています。このイギリス軍将校の言葉は戦後の日本の自虐史を真っ向から否定するような言葉でしょう。

 ジャーナリストの笹幸恵さんは、10代のとき、友人の家に遊びにいったとき、ふとこの「アーロン収容所」が目につき、そして読み、このイギリス軍将校の言葉に衝撃を受けたと述べています。

「この日本の将校と英軍中尉のやりとりは、私がそれまで受けてきた十数年の教育を根底から覆すのに十分でした。私たちの父祖の本当の歴史を自分でなんとか学ばなければならないと思いました。戦史や体験記を読んでもわからないことがある。ならばかつての戦場をこの目でたしかめ、この足で歩いてみたいと考え、これまでガダルカナル島をはじめ主に南太平洋の島々を巡ってきました。過去を過去の視点で見ることなしに、単純な善悪二元論で、戦後の日本人があの戦争は誤りだったと断ずるのは傲岸(ごうがん)だと思います」

 笹幸恵さんは学校で
「日本は無謀な戦争をした」と教えられてきましたが、年齢を重ねると疑問が出てきて、「無謀だとわかっている戦争など誰も賛成し、参加するはずもないではないか。無謀と思わない何かを信じたから、あるいは無謀ではあっても、やむを得ざる戦いだったのではないか。そうした疑問を抱えたまま漫然と十代を過ごしていた」と述べています。そしてアーロン収容所を読んで覚醒したのです。戦後教育を受けて来た人は大東亜戦争について笹幸恵さんのように学校やマスコミで言っていることに何か疑問を感じながら過ごしている人は多いのではないでしょうか。そういう方は是非その疑問を自分で調べてみてください。



参考文献
 中公文庫「アーロン収容所」会田雄次(著)
 「正論」2009.10『なぜ歴史の事実は封印されたのか』新城卓 笹幸恵 上島嘉郎

添付画像
 ゼロ戦(靖国神社 JJ太郎撮影)PD


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