11月1日は私の弟の命日で、今日でちょうど15年目になります。
急性大動脈解離の突然死でした。
何の前兆もなく、仕事から帰宅してテレビを見てくつろいでいた時に突然気分が悪くなって、病院に行こうとしてアパートの階段を下りたところで倒れて意識を失ったそうで、そのとき転んだ傷が額についていました。
まさか自分が1時間後にこの世から居なくなるとは夢にも思わなかったでしょう。
そして翌年の一周忌も過ぎた11月13日、今度は母が同じ急性大動脈解離で亡くなりました。
この時も前兆はなく、遺伝的な要因があるのなら「次は自分かもしれない」という考えが頭から離れなくなって、ある日仕事中に突然胸の痛みを感じ、だんだん呼吸の仕方がわからなくなっていき、生まれてはじめて救急車に乗りました。
検査の結果、身体には特に異常はなくパニック障害との診断をされ、約2年間通院でのカウンセリングと薬による治療を受けました。
そのうち通勤電車にもだんだん乗れなくなってしまい、実家に独りで居る父の心配もあって、20年住んでいた東京を離れて帰郷しました。
そんな父も2015年にすい臓がんで亡くなりましたが、一緒に暮らした最後の5年間は、いい思い出を作れたのではないかと今は思っています。
数年の間にたて続けに親兄弟を失うと、普段自分には何の縁もないと思っていた「死」というものを、すごく身近に感じるようになりました。
それからは、人生で一番やりたいことは何なのか、いつも考えるようになりました。
自分にとって、それが駄菓子屋ゲーセンでした。
実家が駄菓子屋ゲーセンだったので人一倍思い入れもあり、自分にとってのゲーム人生の始まりでもあります。
そして何より、あの空間には家族や友達との思い出が詰まっています。
元々は、老後に余裕があればいつかやりたいと思っていた事ですが、その時に気力が残っていないかもしれないし、こうしている今も突然終わりがくるかもしれません。
なので、いちばんやりたいことを、いちばん先にやることにしました。
2019年に始めた旧店舗はコロナ禍になり2年で閉めることになりましたが、皆さまのご支援もあって人生で2度も大好きなゲーセンをつくるづくり機会をもてたのは、とても幸せなことだと思います。
2007年と2008年に他界した弟と母は、震災を知りません。
2015年に他界した父はコロナ禍を知りません。
暗いことも色々ありますが、できるだけ楽しい思い出をたくさん作って、いつか向こうに行ったときの土産話にしたいと思います。
これから遊びに来る皆さまにとっても、楽しい思い出になれたらとても嬉しいです。