北陸・みちのく旅情編⑦ ~喜多方ラーメン街で見た毒リンゴ~
さて、 北陸・みちのくの旅もついに最終盤を迎えた。
気仙沼から仙台をめぐり、喜多方へと赴いた。
最後はミーハーに喜多方ラーメンでも食べてみようかと思ったのである。
すでにゴールデンウィークに突入していたこともあって、喜多方の街には結構、観光客がいる。
喜多方ラーメンの元祖系である「まこと食堂」「坂内食堂」「あべ食堂」の御三家を覗いてみると当然の如く行列が出来ていた。
が、他の店にはまったく行列が出来ていない。
「まこと食堂」なんてどうみても1時間30分は待たなければならないだろう。
ウムム…これが観光客心理というものなのだろうか。
せっかく来たんだから有名店に行かなきゃ損だという。
はっきしいって他の120店ちかくある店と劇的に味が違う、なんてことはないはずだが、それが観光客というものなのだろうか。
かくいう私も比較的行列が空いていた「あべ食堂」に訪れてみることにした。
(老舗の風格漂う「あべ食堂」
待っている間に妙に気になる店が目の前にあった。
「めん匠 やまぐち」。
製麺屋が経営しているというこのラーメン屋は喜多方で唯一の卵麺を使用していると書いてある。
しかし、店にはパンを売っていたり菓子を売っていたりもする。
かなり異色の店だが、それだけで引っ掛かっているのではない。
「毒りんごサブレ」という代物が売っているのである。
なにもんだ毒リンゴサブレ…
そうこうしている間に順番が来て店内に。
待つこと10数分、ようやくラーメンが出来上がったが、実に気になることが一つあった。
厨房をのぞき込んだのだが、ラーメンを丼に移してから3分近く盛りつけをしてから出しているのだ。
これではスープも冷めるし、麺も延びるのでは…と危惧していたのだが、なんと出てきたラーメンはスープも熱いし、麺も延びた感じはしない。
不思議だ。
(チャーシューはあまり評価しないが、ベーシックな
喜多方ラーメンの味が楽しめる)
これが喜多方ラーメンの実力なのか…。
うーん、しかし東京で食べるチェーン店の味と大差ないような。
喜多方ラーメンの性質上、あまり差異というのはでないのでしょうな。
だったらこんなに並ばなくてもいいじゃん、と思うのは私だけでしょうか?
さて、食後。
「あべ食堂」の目の前にある「やまぐち」を訪れてみる。
目当てはもちろん毒りんごサブレ。
なにやら効能のようなものが張られている。
・頭の悪い人は頭の上に乗せてから食べると頭が良くなります
・口の悪い人は口に当ててから食べると口が優しくなります
・顔の美しい人は顔に当ててから食べるとさらに美しくなります
・それなりの顔の人は顔に当ててもなおりません
・毎日食べると体の毒を取ります。それを蔵の街では毒りんご定説と呼びます
(本当に蔵の町銘菓なのか疑いたくなるが…)
なめとんのか、とツッコミたくなるのは私だけでしょうか?
いかん、いかん、毒づいちまったぜ…口に当てて食べなければなりませんな。
店内には他にもラーメンまんじゅうなんてものも売っていた。
サブレの味は…誠に申し訳ありませんが一口で結構です、といった感じ。
さすがに毒りんごだけあって予想通りのりんごジャムがべったりと。
しかし、これが微妙なお味で、喜多方ラーメンのさっぱり感とはほど遠い代物だった。
これが旅の最後の食事とは…
うーん残念。
口に当てて食べたのだが、ちっとも口が優しくならんことを噛みしめつつ、東京へと車を走らせるのであった。
●「あべ食堂」
住所:福島県喜多方市緑町4506
電話:0241-22-2004
営業時間:7:30~15:00(スープがなくなり次第閉店)
定休日:水曜日
「めん匠 やまぐち」
住所:福島県喜多方市緑町4532
電話:0241-22-0336
営業時間:10:30~18:30
定休日:水曜日