最近公私ともにトラブル多発。
体調も絶不調ですっかりブログの更新をしてなかったが。。

まだ感動の余韻が残っているうちに少しでも今年の日本ＧＰの記録を残しておこう。

それにしてもここ数年の茂木は天候に振り回されることが多かったが、今年の天気は今までかつてないほどのひどい有様だった。

予想を超える寒さと想像を超える突然の豪雨や突風などに振り回され、散々な目に遭ったのだが、でもこんなことは一生に一度あるかないかの事だし、後から思えば今年ならではの様々な出来事もあり、とても印象深い良い思い出にはなった訳である。

また今年は今まで望んでどうしても手に入らなかったコースサイド駐車場を初めてGetすることが出来、過去にはなかった観戦スタイルを堪能することも出来た。

毎年恒例にしている土曜日のパドックは、このレースウィーク３日間でも最も雨のひどいタイミングとなってしまった。
ビクトリーコーナーと３コーナーの間まで拡大された観戦エリアは、コース内でも最も走行中のマシンを近くで見られるポイントだろうが、予選は中止となってしまった為、フリーの走行を少しだけ垣間見れたという状況だった。
でもピットロードに入ってくるマシンには手を伸ばせば届きそうな程の近くを走り過ぎる訳で、ヘルメットのシールド越にライダーの表情まで覗き見られる近さだ。

パドックは当然屋根がある訳ではないので、そこでライダーとの交流を図ろうと思えば雨を退避することはできず、傘をさして濡れた地面に延々と佇まなければいけないことになる。
そんな訳でコンディションは悪いのであるが、うまくいけばライダーとのコンタクトは例年以上に容易であるように思えた。

ロッシ待ちのファンの数は相変わらずであるが、でもやはり例年ほどの大人数ではないような印象。

ロッシは大概予選後のミーティング終了後に一度集まったファンに向けての大サービスサイン会を催す。

この日は予選が中止となった事もあり、それが例年より早く、４時過ぎ頃に突然始まった。
いつものように無言で津波のように押し寄せる日本のファンのサイン攻撃に黙々とひたすらサインを続けるロッシ。
去年はたまたまこのタイミングでパドックに持ち込んでいたイタリヤ国旗にロッシのサインをもらうことが出来たのだが、今年は過去に蓄積したこのようなノウハウから、確実にサインをもらえるという自信があった為、宝物であるロッシレプリカのメットを持参していた。
だが、サイン大会がこんなに早く始まるとは思っていなかった為この時点でロッシレプリカはコースサイドのクルマに置いたままであった。

そこからコースサイドにメットを取りに往復したらどんなに急いでも４０分はかかってしまう。
メットを持って戻った時点でロッシがまだパドックにいるかという保障はどこにもないし、大雨の中を往復するにはズブ濡れになる覚悟とそれなりの体力の消耗を求められる。

だが、私は賭けに出た。

スニーカーをドロにまみれさせ、透湿性のないカッパを着て息を切らせ、汗まみれになって駐車場まで往復してヘルメットを持ってきたのだ。

戻った時点では既に天候のせいもあり日は落ちてパドック薄暗く閑散としている。
果たしてロッシはまだパドックにいるのだろうか・・？

ＦＩＡＴの前にはまだ若干名のファンが居残っている。
その中の青年二人に「まだロッシはここにいる？」と聞いてみたところ、たぶんいるのでは・・との回答であった。
そこから待つこと１５分程度。

突然ロッシが現れた。
あまりに突然のことで、そこにいた１０名ほどの追っかけファンは誰も足が動かない。
私はバネにはじかれたようにヘルメットとサインペンを持ってロッシの元へ駆けつけ、サインをねだった。
やった。成功だ！
「ここに大きくサインして欲しい」と言う私の言葉にペンを持って一瞬どこから書き始めようかな・・？みたいな感じで躊躇しながらもロッシは私のメットにゆっくりとサインをしてくれた。
そしてすぐにホテルに向かって去って行った。
そう、このタイミングが予選日でロッシに接触できるラストチャンスだったのだ。

なんて運が良かったのだろう。

思えば４年前の日本ＧＰでは炎天下朝から晩まで丸一日中ロッシ待ちをしながらも、結局サインをもらうことが出来ず、その後パドックでのロッシ待ちは貴重な時間の浪費と割り切り、追っかけをやめてしまったのだが、タイミングさえ掴めればこんなに簡単にサインをもらうことが出来るのだ。
１０年ＧＰに通うと色んな経験が身につくものである。

あとこの日の収穫としては、私の日本人ライダー応援旗である日の丸にヒロシのサインを追加する事も出来た。

他にもイアンノーネ、ドビヅィオーゾ、ニッキー、カピロッシ、シモン、ロレンゾ・・etc。
悪コンディションにも関わらず色んなライダーと交流を図ることが出来、相変わらずパドックは病みつきになる楽しさであった。
特に印象深かったのはバルベラ。
彼はチームメイトのアクセルポンスとホテルに向かうバス待ちをしているところを捕まえて写真を撮らせてもらったのだが、その後バルベラはホテルに戻らなかったらしく、パドックのレストランにあるレーシングマシンのドライブシミュレーターに夢中になっているのを発見。
外にいても濡れるだけだったので、私はバルベラがそのゲームで飽きることなくいつまでも走り続けているのをすぐ隣でずっと見ていた。
彼はそのゲームでのプレイは初めてだったらしく、ゲーム開始の操作もおぼつかず、フェラーリのＦ１マシンで鈴鹿のコースを周回するのにスピンを繰り返し、一向にまともに走らせることが出来ずにいた。
一流ライダーと言えどもやっぱりゲームは難しいんだな・・と思いながら私はそのプレイをずっと眺めていたのだが、しばらく走行を繰り返すうちに突然彼は速くなった。

バルベラの走りは熱い！
走りながらスペイン語で何かをしきりに早口で叫びながら夢中で操作している。
スピンするとオーバーとも思えるリアクションで両手を広げてみたり、ハンドルをバンバン叩いたりする仕種が彼のレーススタイルそのものである。

ああ・・。今自分の目の前であのバルベラが本性ムキだしで遊んでいる・・。
それは得も知れぬ不思議な感動であった。

あれよあれよと思う間に、いつのまにか彼はそのゲーム機のベストタイムの１秒落ちまで上達してしまった。
うーん。
このあたりはやっぱりＧＰのトップライダーなのだな。
並の人間とはデキが違うようである。
一向にプレイをやめようとしてない彼に対して私が根負けして観戦をやめたので、その後バルベラがそのゲーム機のトップレコードを更新したかどうかは定かではない。

そんな、予選は中止になってしまったが楽しい土曜日を過ごし、日曜日の決勝はウソのような快晴。

レース結果は語るまでもないが、ヒロシの快走が印象に残る決勝であった。

毎年秋の茂木が終わるともう１年の楽しみがなくなってしまうのだが、今年は春開催ということでシーズンはまだこれから。
秋の楽しみがないのが寂しいが、仕方ない。

茂木での３日間。
これが１年で最も楽しい自分の生き甲斐となっている行事なのだ。

今年はハプニングが色々あったけど、本当に楽しかった。
本当に本当に楽しい３日間だった。

マイヒーローのライダー達。
来年、また必ず遭いましょう。。

それまではまたひたすら毎戦Ｇ＋で観戦、応援させてもらいます。。