ピンナップ さよならを玄関に落とした朝 空の向こうに夜が見える 見えているのに触れない 愚痴を零して 道化師が言った さみしいを知らずとも ひかりはひかりに 影は影に 星の見えない望遠鏡 意識にも無意識にも 不在すること 見たことのない世界なんて そこらじゅうにあるけれど 眼を閉じたときのために 写真だけを残して