音楽をどう聴くか。
それは、どんな音源を使うか、どんなスピーカーで鳴らすか、だけではなく、**“どのような経路をたどって音になるか”**でも大きく変わるものです。

今回は、私が音楽再生にRoonを導入するまでの過程で整えてきた「音の入り口」、すなわちDAC、クロックジェネレーター、ネットワークプレーヤーの導入順と、機器ごとの工夫についてご紹介します。


最初はUSB接続から――DACとの出会い

現在使っているDACは、TechDAS D-7 192DSD DACです。
導入当初は、PCとこのDACをUSBで直接接続して再生していました。まだRoonは使っておらず、USBケーブルでつないで音楽ソフトを再生するというシンプルなスタイルです。

それでも、このDACの音の透明感と自然さには感心しました。どこか“日本製らしい緻密さ”があって、細部まで整った音を聴かせてくれる印象です。
また、このDACには10MHzの外部クロック入力端子があり、「後からクロックを導入できる」という拡張性も心に留めていました。


外部クロックの導入――静けさのある音へ

USB接続だけでは飽き足らず、次に着手したのが外部クロックの導入でした。
選んだのは、CyberShaft製「高精度OCXO 10MHzクロック Platinum」
このモデルは、出力1系統(BNC・50Ω)ながらも、非常に低い位相ノイズを誇る高性能なクロックで、DACの外部クロック入力に直結して使用しています。

正直なところ、導入前は「変わるのか?」という気持ちもありました。しかし、実際に使ってみると音の背景がぐっと静かになり、音像の輪郭がはっきりするのを実感しました。
クラシック音楽では弦の残響、ジャズではブラシのニュアンスなど、これまで気づかなかった音の“間”に気づけるようになった感覚がありました。

背面のGND絶縁スイッチをONにし、50Ω BNCケーブルでDACに接続。電源投入後は、ウォームアップに30分ほど時間をとるようにしています。


Roonの導入――音楽体験の転換点

クロック導入で音質が整ってきた頃、私はRoonの存在を知りました。
音楽ライブラリの整理や辞書的な情報拡張、しかも音も良い――そのコンセプトに惹かれて、RoonのCoreを別PCに構築。そこから再生を行うネットワークオーディオというスタイルに少しずつ移行していきました。

このとき、すでにDACとクロックという“音の基盤”は整っていたため、Roon導入はソフトウェア面での転換点となりました。


ネットワークプレーヤーの追加――SOtM sMS-200ultra Neo

Roonを使い始めてしばらくすると、より高品位な再生環境を求めて、Roon Ready対応のネットワークプレーヤーを導入することにしました。

選んだのは、SOtM sMS-200ultra Neo
このモデルは、LAN経由でRoon Coreから信号を受け取り、USBでDACへ出力するという構成です。内部には高精度クロック「sCLK-EX」を搭載し、10MHzの外部クロック入力も可能。
今のところ、DACのみにクロックを供給していますが、将来的にプレーヤー側にも拡張できる設計が心強いところです。

さらに、このsMSには専用のリニア電源を使用しています。ノイズ対策の一環として導入したのですが、音の滑らかさが増したように感じています。


実際の設置写真より

📸 写真1(左から)

  • リニア電源(SOtM用)

  • SOtM sMS-200ultra Neo(USBでDACと接続)

📸 写真2(左から)

  • TechDAS D-7 DAC

  • CyberShaft OCXO 10MHzクロック(Platinum)

次回予告:セレクターとパワーアンプ

今回は「音の入り口」となる機器――DAC、クロック、ネットワークプレーヤーの導入と運用についてご紹介しました。
次回は、再生された音楽信号をスピーカーへと送り出す**セレクター(EX-Pro SV-1α)と真空管パワーアンプ(EX-Pro 375)**について、その構成と使い方を詳しくご紹介します。

スピーカーについては、私のシステムの中心でもあるため、あらためて次々回にしっかり1回分を使って紹介する予定です。