この記事は後編になっています。まずは前編から読んでください
後編も読んでくれてありがとうございます
まずは前回のおさらいをしましょう。
前編では人間を発展させた3つの革命と、今の地球上にヒト科の動物はホモ・サピエンスしかいないというお話をしました。
そうですね。また、ホモ・サピエンスはフィクションを作り出して、情報を共有するという能力があります。
そして、フィクションの効果として……
距離の壁を超えて、遠くの人と情報を共有できる。
フィクションにはコミュニケーションを円滑にさせる効果ある。
というお話をしました。
それでは、認知革命が人類にどのような影響を与え、宗教につながっていったのかお話していきます!
また、今回の記事を書くにあたり参考にさせてもらったのは、ユヴァル・ノア・ハラリ氏のサピエンス全史という書籍です。
興味がある人は、読んでみてください
人類誕生
全ての人類の故郷はアフリカです。
約600万年前、アフリカ大陸に2匹のメス猿がいました。
1匹は全てのチンパンジーの母になり、もう1匹は全ての人類の母になりました。
人類は長い時間をかけて進化し、アフリカを出てヨーロッパやアジアの方へ進出していきます。
そうして、各地に散っていった人類は、それぞれ独自の進化を遂げて、ネコやイヌのように種が分かれていきました。
人類の仲間たち!
ネアンデルタール人
生息域、西アジアからヨーロッパ
ホモ・エルクトゥス
生息域、東アジア
ホモ・ ソロエンシス
生息域、インドネシア
こんな感じで、アフリカ大陸からユーラシア大陸には、独自の進化を遂げた人類の兄弟たちが各地にいました。
しかし、約4万年前ごろから人類の兄弟は姿を消しはじめ、最終的に残ったヒト科の動物はホモ・サピエンスだけになってしまいます。
突如現れた賢い動物
約20万年前のアフリカで、変わった動物が誕生しました。
その変わった動物の特徴は言葉にあります。
言葉というのは特別なものではなく、実は多くの動物が使います。
サルや鳥でも鳴き声を使い分けて……
「オオカミが来たぞ!」
という風に、仲間に危険を伝えることが出来るのです。
この能力は、ネアンデルタール人やホモ・エレクトゥスなどのヒト科の生き物も同じく持っていました。
しかし、その変わった動物というのは……
「知ってる~、A君とBちゃん、付き合ってるみたいよぉ」
「ホントに!? やだぁ」
という感じで、嘘か本当かわからないうわさ話をするという特徴があったのです。
それだけじゃなく、
「私たちの住む村は、あの山に住む神々によって守られている!」
ということを言って、いるかいないかわからない、神という存在を認知して、それを仲間に広めていったのです。
こうして、変わった動物はうわさ話やフィクションでコミュニケーションをとっていたのです。
変わった動物というのが、私たちホモ・サピエンスなんですが、どういう訳かフィクションを創造して共有するという能力を手に入れました。
この能力を手に入れたイノベーションが、最初の革命である認知革命です
それはわかりません。参考にさせてもらっている書籍の著者であるユヴァル氏は、「ホモ・サピエンスは、まるで知恵の実を食べたかのように突然、賢くなった」と語っています。
ユヴァルさんはユダヤ人なので、聖書を用いて比喩したのでしょうが、認知革命が起きたきっかけはわからないので、間違ってはいないと思います。
Pick Item
ここで宣伝失礼します
いつも日本の神様のお話をしていますが、普段は東いつきという名前で小説を書いています!
フィクションによって限界を超えたホモ・サピエンス
フィクションを創造して仲間と共有できるようになった、ホモ・サピエンスは神という存在を認知していました。
そして、フィクションを創造するという能力を活かし、見えない神の姿を形にします。
上の画像は、ドイツのシュターデル洞窟で発見されたライオン人間の像と言われる遺物です。
これはおよそ3万年前に作られたもので、当時の人々が存在しないものを想像する能力を持っていた証拠です。
この像は宗教的な儀式で使われていたと言われています。
今のところはそうですね。しかし、新たな発見でより古い異物が見つかるかもしれません。
こうして、宗教をはじめたホモ・サピエンスはフィクションを創造する能力を使って神話や伝説を作っていきます。
「私たちの村はライオン人間さまに守られている。信じる者は救われる」
「それはすごい! 私たちもライオン人間さまを信じよう!」
こんな感じで、宗教の物語を仲間内だけじゃなく、遠く離れたホモ・サピエンスにも共有していきました。
物語(フィクション)にはコミュニケーションを円滑にする効果がありましたね。
こうして、宗教を作ったホモ・サピエンスは、物語によって団結していったのです。
ところが、フィクションを創造する能力がない、ネアンデルタール人などの他の人類は多くの仲間と団結することができません。
サルの群れでも、100匹を超えることはなく、50匹が限界と言われています。
ところが、フィクションによって団結するのには限界がありません。
世界最大の宗教団体であるキリスト教カトリック教会の信者数は13億人です。
実は宗教をネガティブに捉えがちな日本人の方が、世界的に見れば少数派だったりします。
13億人が聖書の物語やキリストの教えによって、団結しているってすごいことなんです。
フィクションによって団結したホモ・サピエンスは、どんどんチームを増やしていくのに対して、
フィクションを創造できず、数多くの仲間と団結できないネアンデルタール人や他の人類が、ホモ・サピエンスと縄張り争いしたらどうなるでしょうか?
ユヴァル氏はネアンデルタール人やホモ・エレクトゥスは、ホモ・サピエンスによって淘汰されたと、本の中で語っています。
ここまで、読んでくれてありがとうございます
普段は皆さまの神社参拝や御朱印集めがもっと楽しくなる記事を書いています。
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