【 関東小豆会 】近所のおばちゃんver.

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各所の河川は大変な被害だった。大きな河川も支流の小さな川も氾濫し決壊した。ダムも、遊水池も、道路も、至る所が水で埋まった。

 

2019年10月12~13日 日本を襲った台風19号は凶暴な爪痕を各所に残した。傷は深いものだった。

 

関東では13日の昼過ぎにはNHKも通常通りの番組に切り替わった。ときおりニュース特番で被害状況を見かけることが出来ても、爪痕の深さをリアルタイムで知ることはできなくなり、進む先の茨城や福島の様子を知ることは難しくなっていった。

 

私の出身地は福島県いわき市だ。

 

2011年3月11日 東日本大震災で100年に1度もないような被害が発生した。原発の被害もあった。みな耐えることに慣れ…麻痺しているといっても過言ではないほどの被害は今も終わっていない。

 

今回の台風19号で日本の各所が甚大な被害を受けた。

いわき市もそのひとつだ。

 

311で地震と津波によって故郷は姿をすっかり変貌してしまった。薄皮を剥ぐように、螺旋を描くように、少しずつそれなりに日常を過ごせるようになった。

 

今回の台風が、かつてないほどの甚大な被害だというのならば、100年に1度の被害があった311を乗り越えようとしているいわき市に、天災はどれほどの試練を与えようというのか。

 

FacebookやTwitterなどで台風の被害と助けを求める声が次々と上がっていった。10月14日月曜 体育の日。私は親にすら大丈夫なんだろうかと連絡することを躊躇した。

 

命が無事なのは知っていた。みな水が引けたエリアから片付けをしたり、現状把握することで精いっぱいなのは想像するに容易なことだった。

 

14日月曜 夜から15日火曜にかけて、いわき市は雨予報だった。

土砂災害を伴う雨予報。

 

もうやめてくれ、と祈る思いだった。

 

いますぐいわきに行きたい。

でも、泥かきや片付けができる強い体を持っていない。

仕事はどうする?生活はどうする?

体力も、時間も、お金も、余裕は無かった。

自分一人の責任を果たすこともできないで、誰を救えるんだ。

 

一人で何ができるっていうんだ。

ただ心配することしかできないのか。

 

311のときの、あのざわつく気持ちと似ている。

関東に居るいわき出身の友人知人たちとそんな話をしていた。

 

いわき市では、断水が続いている。

河川の氾濫により、平窪の浄水場が浸水した。

「浸水」とただ表すには言葉が軽すぎる。

見知った地域や街並みが水に埋もれている画像。

 

いわき市で自分の家が断水しているのにも関わらず、水を運んでいる友人知人がいる。泥かきと片付けが続いている。

 

こんなモヤモヤ、2度も経験して、また何もできないと嘆くだけなのか。15日火曜の朝、出勤ラッシュに揺れながら、リツイートを繰り返していた。

 

帰宅途中もリツイート。

夜20時過ぎに帰宅。

水を運ぶ友人、断水している友人と連絡を取った。

 

深夜まで考えていた。

 

16日 水曜朝。出勤ラッシュに揺れながら、やっぱりただ見ているだけなんてできない、とFacebookに思いを書き込んだ。

 

県外にいるいわき出身の人たち、およびいわきを応援してくれている人たちでコミュニティを作りたいと考えた。

 

つづく。