監督/コルム・バレード
製作/クリオナ・ニ・クルーリー
原題/An Cailin Ciuin
2022年/アイルランド/95分
1980年代初頭のアイルランドを舞台に、9歳の少女が過ごす特別な夏休みを描いたヒューマンドラマ。
本作がデビュー作となるキャサリン・クリンチが主人公コットを圧倒的な透明感と存在感で繊細に演じ、IFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)主演女優賞を史上最年少の12歳で受賞。
1981年、アイルランドの田舎町。
大家族の中でひとり静かに暮らす9歳の少女コットは、赤ちゃんが生まれるまでの夏休みを遠い親戚夫婦のキンセラ家のもとで過ごすことに。
寡黙なコットを優しく迎え入れるアイリンに髪を梳かしてもらったり、口下手で不器用ながら妻・アイリンを気遣うショーンと子牛の世話を手伝ったり、2人の温かな愛情をたっぷりと受け、一つひとつの生活を丁寧に過ごしていくうち、はじめは戸惑っていたコットの心境にも変化が訪れる。
緑豊かな農場での暮らしに、今まで経験したことのなかった生きる喜びに包まれ、自分の居場所を見出すコット。
いつしか本当の家族のようにかけがえのない時間を3人で重ねていく―。
大家族の中で育った9歳の少女・コットはいつも自分の感情を抑え寡黙に過ごしていました。
母親のお産のため、夏休みの間を遠い親戚のショーンとアイリンの家で過ごすことになります。
最初は戸惑っていたコットですが、穏やかで優しい夫妻との丁寧な生活(酪農場の掃除やジャガイモの皮剥きの手伝いなどなど)に大家族との暮らしでは感じたことのない温もりを感じます。
母親のお産のため、夏休みの間を遠い親戚のショーンとアイリンの家で過ごすことになります。
最初は戸惑っていたコットですが、穏やかで優しい夫妻との丁寧な生活(酪農場の掃除やジャガイモの皮剥きの手伝いなどなど)に大家族との暮らしでは感じたことのない温もりを感じます。
アイリンは最初からコットに優しくて、彼女の身体を丁寧に洗い、優しく髪を梳かしてくれて、オネショを咎めたりもしない。
常に凛としている人。
ショーンは無口ながらもコットの気持ちを始終心配してくれる繊細で優しい人。
危険を教えるためにコットを大きな声で叱ったあとは、黙って机の上にクッキーを1個ポンと置いていったり、女の子なんだからと新しいワンピースを買ってくれたり。
ショーンは無口ながらもコットの気持ちを始終心配してくれる繊細で優しい人。
危険を教えるためにコットを大きな声で叱ったあとは、黙って机の上にクッキーを1個ポンと置いていったり、女の子なんだからと新しいワンピースを買ってくれたり。
そして2人の距離が縮まったきっかけである、郵便受けまでかけっこをしてタイムを計るやり取りは大好きなシーンです。
風のように速かったぞ
将来、結婚したいか?
ママが男は面倒臭いって
それは正しいかも
君を捕まえるには足が速い男じゃないとな
ショーンとアイリン夫婦のことを根掘り葉掘り聞いてきて。
初対面のコットに「馬鹿な子ね」って言ったりとか。
そのシーンを受けての
何も言わなくていい、沈黙は悪くない、たくさんの人が沈黙の機会を逃し多くのものを失ってきた
っていうショーンからコットへの言葉はグッときました。
ラストはコットとショーンの心情がすごく刺さります。
寡黙なコットは余計な事は何も言わずにただショーンに抱きついて泣くんです。
そしてショーンに抱きしめられたコットは"ダディ"と呼ぶ。
それは追いかけて来た父親じゃなく、ショーンに向けられた言葉でした。
号泣しました。
2回観たけど、やっぱり同じとこで号泣した。
その後、コットがどうなったかは私たちの想像に委ねられていますが、一緒に居たくてもきっと簡単には行かないんだろうな。
そうなればいいな、そうなって欲しいなとは本当に思うけれども。
コットはこの夏休みのかけがえのない体験で今後の人生さえ変えられるほどの自信をもらって成長して、『寡黙でもいいんだ』って事にも気付けたから、今までよりも自分らしく生きられるんじゃないかなって思います。
そして最後になりましたが、コット可愛い。
超絶美少女です。めんこい(*´ェ`*)
勿論見た目だけじゃなくて、演技力が凄い。
セリフの少ない役って難しいと思うんです。
でも次第に生き生きしていく表情が、瑞々しくて本当に可愛かった。
孤独な9歳の女の子の救済と再生を描いたお話です。
どの年代の方にも楽しんで頂ける作品ではないでしょうか。
興味持って頂けた方はぜひご覧ください。
お読み頂きありがとうございます。
では股((ヾ( ◍´꒳`◍ )マタネー