折りに触れ今でも聞く井上陽水のアルバム「氷の世界」。
中3に友達がLPを貸してくれ、その衝撃のあまり未だに30年以上返していないという・・・
日本初のミリオンセールスを記録し、100週以上ベスト10に入っていたというマンモスアルバムです。高中正義、細野晴臣、村上”ポンタ”修一、安田裕美、深町純、林立夫など、綺羅星のごとくスターがサポートしているこのアルバム。勿論、曲も素晴らしいし、今とは違う陽水の若く繊細な声も相まって凄いアルバムなのですが、中3の僕にとっては歌詞がとりわけ見た事もないものでした。好きなところを抜粋します。
「帰れない二人」作詞:井上陽水、忌野清志郎
街は静かに眠りを続けて
口ぐせの様な夢を見ている
結んだ手と手のぬくもりだけが
とてもたしかに見えたのに
もう夢は急がされている
帰れない二人を残して
「チエちゃん」
さみしい気持になった時には
むこうの海岸で水着になって
お日様に体を見せつけてやれ
言葉を越えているはずだ
むこうの海の水もつめたいばかりじゃないだろ
「氷の世界」
僕のTVは寒さで画期的な色になり
とても醜いあの娘を
グッと魅力的な娘にしてすぐ消えた
今年の寒さは記録的なもの
こごえてしまうよ
毎日 吹雪 吹雪 氷の世界
「白い一日」作詞:小椋佳
ある日 踏切の向こうに君がいて
通り過ぎる 汽車を待つ
遮断機が上がり ふり向いた君は
もう大人の顔を してるだろう
「自己嫌悪」
めくらの男は静かに見てる
自分の似顔絵 描いてもらって
似てるとひとことつぶやいてる
あなたの目と目よ 涙でにじめ
「桜三月散歩道」作詞:長谷邦夫
ねえ 君二人でどこへ行こうと勝手なんだが
川のある土地へ行きたいと思っていたのさ
町へ行けば人が死ぬ
町へ行けば人が死ぬ
今は君だけ想って生きよう
だって人が狂い始めるのは
だって狂った桜が散るのは三月
「Fun」
泣き虫 弱虫 ひとりきり
心の鍵をなくしたの?
君が悪いのさ 今日は
ひとりで恋なんかして
「おやすみ」
偽り事の中で
君をたしかめて
泣いたり笑ったりが
今日も続いてる
もうすべて終ったのに
みんな みんな終ったのに
深く眠ってしまおう
誰も起すまい
あたたかそうな毛布で
体をつつもう
もう すべて終ったから
みんな みんな 終ったから
こんなフレーズが、中学生の僕の心には突き刺さりました。巷で流行っている歌謡曲にはあり得ない、しかもフォークソングでも絶対にない。センチメンタルな曲に、パンキッシュな歌詞が乗っかっている。これが一つのアルバムに収まっているとは!
僕の中で日本でこれ以上のアルバムを知らない。
そして僕は、このアルバムに出会い、その良さを分かる事が出来た自分を誇りに思う。