政宗「まあ、待てよ」
政宗「話を戻すが、今は安土に幸村たちが潜んでる。敵に会った時、お前にまた丸腰で無茶されると困る」
「そんな状況は・・・・・・私も、困るけど・・・・・・」
政宗「だから、自衛の手段を身に付けろ」
(自衛の手段・・・・・・?)
-----
光秀「・・・・・・なるほど。それで、俺のもとに指南を受けに来たと」
家康「・・・・・・」
私は政宗に連れられて、光秀さんの御殿へやってきていた。
政宗「光秀は、織田陣営随一の鉄砲の使い手だ。習うなら上手い奴がいい」
「鉄砲・・・・・・?」
政宗「家康も光秀に習ってることだし、ついでにゆうにも仕込んでやってくれ」
家康「・・・・・・ゆうにできるの?」
光秀「訓練さえすればな。ゆう、鉄砲を触ったことは?」
「・・・・・・ないです」
(本物の鉄砲なんて、見るもの初めてだよ・・・・・・)
光秀「そうか。手始めに、持ってみろ」
そう言って、光秀さんが立てかけてあった鉄砲を無造作に差し出した。
「わ・・・・・・っ」
(っ、こ、こんなに重たいの・・・・・・⁉︎)
思わず取り落としそうになって、慌てて両手で抱え直す。
光秀「口で説明するよりも、こういうのは身体で覚えるのが一番だ。今日いきなり撃たせはしないが、触っておけ」
「はい・・・・・・」
政宗「刀を扱えるようになるよりは、習得が早いだろうな。二日もあれば出来るんじゃねえか?」
光秀「無茶を言うな。さすがに無理だ」
政宗「的を絞って撃つのみだろ」
(的・・・・・・もしもの場合は、人間ってことでしょう?)
ふたりの会話が耳に残り、更に気が重くなってしまう。
「できれば・・・・・・人を撃つなんてことはしなくない、な」
光秀「甘いな。俺達について戦場へ出ることがあれば、お前も命を狙われる。やらなければ、殺されるだけだぞ。力尽きたら、そこで見捨てるからな」
(え・・・・・・っ)
抑揚のない冷酷な声に、ぞくっと背筋が震える。
思わず凝視すると、光秀さんは笑みを深めた。
光秀「・・・・・・そう怯えるな。ますます怖がらせたくなる。安心しろ。お前の死に際は、俺が看取ってやる」
「っ、そんな・・・」
政宗「おい、あまりからかうな。俺の楽しみが減る」
光秀「おっと、それは悪かった」
(何だ、冗談か・・・・・・いや、冗談にしても、笑えないけど)
軽く肩をすくめてみせる光秀さんを見て、胸を撫で下ろす。
「光秀さんまで私で遊ぶの、やめてもらえませんか・・・・・・」
政宗「なんだ ”光秀さんまで” って。俺がお前で遊んでるみたいじゃねえか」
「っ・・・・・・はい・・・・・・よろしく、お願いします」
----------
日も暮れ始めた頃、その日の砲術講義が終わった。軍議に向かう皆と別れてから、私はひとり自室で落ち着いていた。
(・・・・・・そろそろ、軍議が終わる頃かも。政宗たちも、もう解散したかな)
布団の上に横になりながら、ぼんやりと今日の出来事を反芻(はんすう)する。
「・・・・・・鉄砲って、あんな感触なんだ」
ずしりとした重みが、まだ手のなかに残っている。
???「さあ、どなたでしょう?」
(あれ・・・・・・?この声は・・・・・・)
耳慣れた声のような気がして寝床から立ち、襖に手を掛ける。
「わ・・・・・・っ」
直後、向こうから誰かが私の手を掴んできた。
驚いて見上げると、片眉を寄せた政宗と目が合う。
「あ・・・・・・やっぱり、政宗」
政宗「呆れた。”もっと警戒する” んじゃなかったのか?無防備がすぎるぞ。こんな夜半に男に呼ばれて襖開けるか、普通」
「っ・・・・・・、政宗に、”普通” は語ってほしくないよ。何か用だったの?軍議は?」
政宗「終わったから、夜這いに来た」
「よ、夜這い?」
政宗「喜べ、存分に可愛がってやる」
「・・・・・・っ!」
頬を片手で包むようにして、無理やり顔を仰向けられる。至近距離で視線が絡み、どくんと心臓が音を立てた。
(っ・・・・・・もう、政宗のこういう行動には、乗せられないって決めたんだから)
一瞬走った動揺をなんとか押さえ込み、顔を横へそむける。
「せっかくですが、お断りします」
政宗「つれないな。まあ、それは冗談だ。お前にしてもらいたいことがあって来た。入るぞ」
私が承諾する前に、政宗は我が物顔で部屋へと踏み込んでくる。
(・・・・・・今のは、冗談なんだ、もう・・・、本当この人、よくわからない)
あっさりした対応に拍子抜けしていると、文机に真白な紙が広げられた。
「わ・・・・・・綺麗な和紙」
政宗「ここに、お前の絵を所望する」
「絵を?」
政宗「お前がこの城に来た日に見せてもらったようなのがいい。掛け軸にする」
(私が来た日に見せたの・・・・・・って、服のデザイン画のこと?)
前に、政宗が画集の一枚を勝手に持ち出して行ったことを思い出す。
「どうして、そんなものを掛け軸に?」
政宗「好きだからに決まってるだろ、お前の絵は努力がにじみ出てて、いい。なんとなく完璧じゃないところに味があるな」
1. ありがとう
「・・・・・・それは、褒めてくれてるの?」
政宗「おう、めちゃくちゃ褒めてる」
(政宗、ほんとに嬉しそう・・・・・・)
純真そうな笑顔を向けられ、くすぐったいような気持ちになる。
「えっと・・・・・・今すぐ描けばいいの?」
政宗「ああ。書き損じてもいい。また紙持ってくるから」
「・・・・・・わかった」
(それを頼むために、わざわざ夜更けに現れたんだ)
偉そうにあぐらをかく政宗だけど、その眼差しは子供みたいに輝いている。少し微笑ましくなりつつ、私はまっさらな紙へと視線を落とした。
(デザイン画と掛け軸の絵が違うと思う、けど・・・・・・なんだろう、すごく・・・・・・嬉しい)
早速文机から細めの筆を取り出して、墨をつけた。逸る気を押し込め、着物をデザインする感覚で、女性の絵を書き出す。
(やっぱり・・・・・・こうして手を動かしてる時が、一番落ち着く。どんな時代でも、どんな場所でも・・・・・・私やっぱり、これが好きなんだな)
政宗「・・・・・・」
政宗は後ろについた手に体重をかける格好で、黙ったまま、私の手元を眺めている。
(自分の作ったもので誰かに笑顔になってほしくて、私はデザイナーに、なりたかったんだよね)
------しばらくの間、心地良い静寂が部屋を満たした。
「・・・・・・ねえ、政宗」
政宗「んー・・・?」
(政宗にしては、気の抜けた返事・・・・・・)
ずいぶんとリラックスした声が返ってきて、思わず頬が緩んでしまう。
筆を一旦持ち上げて、政宗に笑みを向ける。
「・・・・・・ありがとう。こういう頼みごとしてもらえるの、すごく嬉しい」
政宗「・・・・・・そうか。そいつはよかった」
政宗は一拍おいた後で、ふっと花がほころぶように優しく微笑んだ。
政宗「お前のそういう顔は、やっぱり、いいな」
囁きと共に、するり、と背中に腕を回される。
(え・・・・・・?)
その次の瞬間には、私は天井を仰いでいた。
(な・・・・・・何が起きたの?)
呆然として横を見ると、手から落ちた筆が転がり、畳を汚していた。
政宗「こら」
(っ・・・・・・、あ)
唐突に顎を持たれ、顔が前を向く。政宗の前髪が額をかすめ、呼吸が止まりそうになった。
政宗「よそ見するなよ」
(な、に・・・・・・)
吐息が、唇をかすめる。手の甲が絹に触れ、ようやく敷いていた布団に押し倒されたと気付く。
「なに、するの・・・・・・っ?」
政宗「油断するなって言っただろ?」
「・・・・・・っ」
愉しげに喉の奥で笑いながら、政宗が首筋に唇を寄せてくる。柔らかな髪が肌をくすぐって、びくりと身体が跳ねた。
「は・・・・・・離して・・・・・・」
政宗「離さない」
(またからかってるんだよね・・・・・・?本気じゃ、ない、はず・・・・・・)
「・・・・・・、ぁ」
困惑してる間に、着物の衿を歯で噛まれたのが分かった。
抵抗する隙もなく、衿元がはだけそうになる。
「ね・・・・・・、ちょっと、待って・・・・・・っ」
政宗「何を?」
「絵もまだ途中だし、畳も墨で汚れちゃってるし・・・・・・」
政宗「そうか、それは困ったな」
少し身体を離すと、政宗は可笑しそうに私の額へ手をやった。
(・・・・・・困ったな、じゃないよ・・・・・・っ)
子供をあやすように髪を撫でられて、心地いい感覚に気が緩みかける。
(の、乗せられちゃだめだ・・・・・・!)
「こういうのは、恋人同士がするものでしょ・・・・・・?」
政宗「・・・・・・こいびと?なんだ、こいびとって?」
「え?」
政宗がきょとんとした顔で聞き返してくる。
(この時代って、”恋人” っていう考え方が、ないの・・・・・・?)
「えっと・・・・・・つまりお互いに好きあってて、連れ添う相手として認め合った人ってこと」
政宗「ふうん、それが恋人か、覚えておく」
「だ、だから、恋人とじゃないと、こういうことは・・・・・・っ」
秀吉の声「おいゆう、夜中になにしてるんだ。騒々しいぞ」
(秀吉さん・・・っ⁉︎)
声を荒らげた時、廊下を歩く人の気配を感じてぎくりとする。
(こんなところ見られたら、絶対、誤解される・・・・・・っ!)
政宗「------・・・秀吉か」
(えっ)
(何してるの・・・・・・っ⁉︎)
秀吉の声「ゆう?寝てるのか?」
す、と襖が横に開かれたのが、音で分かる。
「・・・・・・っ、・・・・・・っ!」
政宗「しー・・・・・・」
(なんなの、この状況・・・・・・っ)
政宗の胸に抱きすくめられて、さっきよりも身体が密着する。身体をこわばらせる私の耳元を、政宗のなだめるような吐息がくすぐった。
政宗「・・・・・・静かにしてろ。あいつに見つかると説教が長い」
「・・・っ」
耳から直接身体の奥に、声を注ぎ込まれるようで、小さく肩が震える。
全神経が政宗に集中して、おかしいくらい心臓が脈を打っていた。
(秀吉さん、お願いだから、早く締めて・・・・・・っ)
しばらくの静寂の後-------
秀吉さんの呆れたようなため息が聞こえた。
秀吉の声「・・・・・・寝てるのか?ゆうの寝言、でかいな」
政宗「ふ・・・・・・・・・・っ」
(わ、笑わないでよ・・・・・・っ)
耐え切れないと言うように、政宗が肩を震わせる。
政宗「・・・・・・っ、悪い」
唇の動きだけで、政宗が伝えてくる。
ヒヤヒヤしながら耳を澄ませると、秀吉さんの足音が遠ざかっていった。
「・・・・・・っ、行った・・・?」
政宗「みたいだな・・・・・・くっ」
(まだ、笑い引きずってる・・・・・・)
布団からふたりで出た途端、政宗が痺れを切らしたように笑いだす。
政宗「お前、よかったな。得体のしれない女から、寝言のでかい女に昇格だ」
「っ、昇格じゃないよ!それ、失礼な」
政宗「にしても、秀吉も秀吉だ。あんなに騒がしかったのに、寝言で済ますなんてな」
「確かに・・・・・・」
(傍から見たら、間抜けな光景だったかも)
「・・・・・・ふふっ」
緊張感が解けたた反動か、政宗に釣られるように笑いが込み上げて来た。
隣で政宗も、肩を揺らして笑っている。
「・・・・・・はあ、なんか、疲れた」
政宗「ああ、疲れたな、無駄に」
一緒に布団の上で仰向けになって、呼吸を整える」
「政宗があんなことしなければ、隠れる必要もなかったんだからね。それはきちんと反省してください」
政宗「なんでだよ。俺のせいにするな」
「とにかく、好き同士じゃなのに、押し倒したり・・・・・・そういうことはしないんだよ」
政宗「なら、問題無いだろ。俺はお前が気に入ってる」
(えっ・・・・・・?)
想定外の返答がして、政宗を振り返る。
政宗「そもそも、人が好き合ってるかどうかなんて、確かめようもない。だったら、俺は俺の思うまま動くだけだ。お前が本気で拒むならやめる。それで、何も問題ない。だろ?」
「--------・・・っ」
(そう、か・・・・・・政宗には ”恋人” としての好きか、そうじゃないか、なんて線引きが・・・・・・そもそも、ないんだ)
依然としてすっきりしたままの口ぶりが、私にそう思わせた。
(だから、私がいくら説明したところで無駄ってこと・・・・・・?)
気付いた事実に呆然としていると、政宗がふっと楽しそうに笑う。
政宗「そんな顔すんな。これ以上いじめられなくなるだろ」
(・・・・・・っ)
黙り込んだ私の額へ、ついでのように政宗が口づける。
目を瞬かせている間に、政宗は上体を起こした。
政宗「文句があるなら、本気で拒んでみせるんだな。絵、楽しみにしてるぞ。仕上がったら、俺の御殿に持ってこい」
乱れた着物の合わせをきゅっと整えると、政宗は部屋を後にした。
(・・・・・・とんでもない人に、目、つけられちゃったのかも)
ひとり取り残されて、釈然としないまま襖を見つめる。
(それに、なんなの、”本気で拒むならやめる” って、私は、ちゃんと本気で・・・・・・っ。本気で、抵抗、してた・・・・・・よね?)
問いかけを否定するように鳴りやまない鼓動が、私をますます混乱させる。
「っ・・・・・・ああ、もう!」
無性にいたたまれなくなってきて、勢い良く枕に顔を埋めた。
「こんなに混乱させられるんだから・・・・・・ちっとも問題なくなんて、ないよ」
気持ちを鎮めるように、声に出して呟いた。
政宗のことを、考えるほど胸がかき乱されて、その日の眠りは、なかなか訪れてくれなかった。
--------
(・・・・・・気持ちを切り替えていこう。混乱してる時は、やっぱり仕事に集中するのが一番いいよね!)
翌日の夕方、私は信長様からの書状を手に、家康さんの御殿を訪れていた。
「失礼します」
襖を開けると、本を読む家康さんがちらりと視線をよこした。
家康「・・・・・・・なにしに来たの」
「信長様からの書状を届けにまいりました」
家康「・・・・・・そこ、置いておいて」
家康は本に視線を落としたまま、私に告げる。
(家康さんには、まだ何か壁を感じるな。邪魔しないうちに、早く出て行こう・・・・・・)
机の上にそっと書状を置くと・・・
家康「・・・・・・あんた、政宗さんに最近、絡まれてるでしょう」
「えっ?政宗に・・・?」
唐突に話を切り出され驚いていると、家康さんは本を閉じこちらを見た。
家康「違うの?」
「・・・・・・いえ。確かに ”絡まれてる” って表現はぴったりですけど」
家康「痛い目見たくないなら、あまり親しくならない方がいい」
(え・・・・・・?)
家康「政宗さんは、あんたが思ってるほど、”普通” の人じゃない。この時代であっても、あんなに側に居るのが恐ろしい人はいないよ」
(ええと・・・・・・もともと普通の人だとは、思ってないけど・・・・・・)
「一緒にいるのが恐ろしいって・・・・・・どういうことですか?」
家康「・・・・・・」
家康さんはそれには答えず、また本に視線を戻して沈黙を続ける。
(たしかに、前の戦の時の政宗は怖かったけど・・・・・・でもただ一緒にいるだけで恐ろしいって感じたことはなかったけどな)
結局、家康さんが最後の質問に答えることはなかった------。家康さんの御殿から出ると、既に空は茜色に染まり始めていた。
「親しくならないほうがいい、か」
頭上を見上げながら、先程の家康さんの言葉を思い返す。
(そういえば・・・・・・、佐助くんにも言われたな)
--------
佐助「君は織田軍の人達にずいぶん気に入られていたみたいだけど・・・深入りはしないよう気をつけて」
「深入りって?」
佐助「端的に言うと、恋愛感情を抱くことだ。いずれ未来へ帰る足かせになる」
「恋愛⁉︎ ないない、絶対。武将と恋愛なんてありえないよ・・・」
--------
(今でも・・・、武将と恋愛なんてありえないと思うし、政宗にだって、別に・・・・・・そういう気持ちは、ない・・・・・・はず)
懐にしまってあった紙を、そろりと取り出す。
午後いっぱいかけて完成させた、政宗から頼まれていた掛け軸の絵だ。
(・・・・・・ついはりきって、一日で仕上げちゃった)
気付かないうちに夢中になっていた自分に、苦笑いが出てくる。
(こんなにはりきっちゃったのは・・・・・・私の仕事を認めてくれたのが、嬉しかったからだよ、ね。政宗は意識してないんだろうけど・・・この時代でも私らしくいられるは、政宗のおかげだから)
そう思い、改めて懐に紙をしまった時------
「------んんっ⁉︎」
後ろから誰かの手が伸びて、口元を塞がれる。
(だ、誰・・・っ⁉︎)
声を上げる間もなく、私は物陰に引きこまれていた。
---------
政宗の家臣「政宗様!急ぎ申し上げます!」
数刻後-----政宗の部屋へ駆け込んできた家臣に、政宗は目を瞬かせた。
政宗「何だ、騒々しいな」
政宗の家臣「先ほどら、市中見廻り班の者から報告があり・・・・・・っ。どうやら、ゆう様が真田の手の者に、誘拐されたようだと------」
政宗「------何?」
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(今度はなに・・・っ?)
踵(きびす)を返そうとした私の手を、政宗が手際よく捕まえてくる。
「・・・・・・待てって、どうして?」
「・・・・・・待てって、どうして?」
政宗「話を戻すが、今は安土に幸村たちが潜んでる。敵に会った時、お前にまた丸腰で無茶されると困る」
「そんな状況は・・・・・・私も、困るけど・・・・・・」
政宗「だから、自衛の手段を身に付けろ」
(自衛の手段・・・・・・?)
-----
光秀「・・・・・・なるほど。それで、俺のもとに指南を受けに来たと」
家康「・・・・・・」
私は政宗に連れられて、光秀さんの御殿へやってきていた。
政宗「光秀は、織田陣営随一の鉄砲の使い手だ。習うなら上手い奴がいい」
「鉄砲・・・・・・?」
政宗「家康も光秀に習ってることだし、ついでにゆうにも仕込んでやってくれ」
家康「・・・・・・ゆうにできるの?」
光秀「訓練さえすればな。ゆう、鉄砲を触ったことは?」
「・・・・・・ないです」
(本物の鉄砲なんて、見るもの初めてだよ・・・・・・)
光秀「そうか。手始めに、持ってみろ」
そう言って、光秀さんが立てかけてあった鉄砲を無造作に差し出した。
「わ・・・・・・っ」
(っ、こ、こんなに重たいの・・・・・・⁉︎)
思わず取り落としそうになって、慌てて両手で抱え直す。
光秀「口で説明するよりも、こういうのは身体で覚えるのが一番だ。今日いきなり撃たせはしないが、触っておけ」
「はい・・・・・・」
政宗「刀を扱えるようになるよりは、習得が早いだろうな。二日もあれば出来るんじゃねえか?」
光秀「無茶を言うな。さすがに無理だ」
政宗「的を絞って撃つのみだろ」
(的・・・・・・もしもの場合は、人間ってことでしょう?)
ふたりの会話が耳に残り、更に気が重くなってしまう。
「できれば・・・・・・人を撃つなんてことはしなくない、な」
光秀「甘いな。俺達について戦場へ出ることがあれば、お前も命を狙われる。やらなければ、殺されるだけだぞ。力尽きたら、そこで見捨てるからな」
(え・・・・・・っ)
抑揚のない冷酷な声に、ぞくっと背筋が震える。
思わず凝視すると、光秀さんは笑みを深めた。
光秀「・・・・・・そう怯えるな。ますます怖がらせたくなる。安心しろ。お前の死に際は、俺が看取ってやる」
「っ、そんな・・・」
政宗「おい、あまりからかうな。俺の楽しみが減る」
光秀「おっと、それは悪かった」
(何だ、冗談か・・・・・・いや、冗談にしても、笑えないけど)
軽く肩をすくめてみせる光秀さんを見て、胸を撫で下ろす。
「光秀さんまで私で遊ぶの、やめてもらえませんか・・・・・・」
政宗「なんだ ”光秀さんまで” って。俺がお前で遊んでるみたいじゃねえか」
「政宗は、間違いなく遊んでるじゃない」
政宗から顔をそむけた時、傍らで黙ったままの家康さんと視線が合った。
家康「・・・・・・」
けれどすぐに、家康さんの視線は私達から逸れてしまった。
(・・・・・・家康さん?)
光秀「まあ、じゃれあいはこのくらいにして、お勉強の時間だ。ゆう、まずは部位の名称から教えてやろう」
政宗から顔をそむけた時、傍らで黙ったままの家康さんと視線が合った。
家康「・・・・・・」
けれどすぐに、家康さんの視線は私達から逸れてしまった。
(・・・・・・家康さん?)
光秀「まあ、じゃれあいはこのくらいにして、お勉強の時間だ。ゆう、まずは部位の名称から教えてやろう」
「っ・・・・・・はい・・・・・・よろしく、お願いします」
----------
日も暮れ始めた頃、その日の砲術講義が終わった。軍議に向かう皆と別れてから、私はひとり自室で落ち着いていた。
(・・・・・・そろそろ、軍議が終わる頃かも。政宗たちも、もう解散したかな)
布団の上に横になりながら、ぼんやりと今日の出来事を反芻(はんすう)する。
「・・・・・・鉄砲って、あんな感触なんだ」
ずしりとした重みが、まだ手のなかに残っている。
(これからも定期的に、習いに通うことになったけど・・・・・・使う機会なんてそうそうない、と思いたいな。自衛のためだとしても、人を傷つけるなんて、やっぱりしたくないよ)
気が沈みそうになり、ため息が口から零れた時・・・
???「ゆう様、もうお休みですか」
寝所の戸の向こうから、男性が呼びかけてきた。
(・・・・・・誰だろう?)
「・・・・・・いえ、まだ起きてます。どなたですか?」
気が沈みそうになり、ため息が口から零れた時・・・
???「ゆう様、もうお休みですか」
寝所の戸の向こうから、男性が呼びかけてきた。
(・・・・・・誰だろう?)
「・・・・・・いえ、まだ起きてます。どなたですか?」
???「さあ、どなたでしょう?」
(あれ・・・・・・?この声は・・・・・・)
耳慣れた声のような気がして寝床から立ち、襖に手を掛ける。
「わ・・・・・・っ」
直後、向こうから誰かが私の手を掴んできた。
驚いて見上げると、片眉を寄せた政宗と目が合う。
「あ・・・・・・やっぱり、政宗」
政宗「呆れた。”もっと警戒する” んじゃなかったのか?無防備がすぎるぞ。こんな夜半に男に呼ばれて襖開けるか、普通」
「っ・・・・・・、政宗に、”普通” は語ってほしくないよ。何か用だったの?軍議は?」
政宗「終わったから、夜這いに来た」
「よ、夜這い?」
政宗「喜べ、存分に可愛がってやる」
「・・・・・・っ!」
頬を片手で包むようにして、無理やり顔を仰向けられる。至近距離で視線が絡み、どくんと心臓が音を立てた。
(っ・・・・・・もう、政宗のこういう行動には、乗せられないって決めたんだから)
一瞬走った動揺をなんとか押さえ込み、顔を横へそむける。
「せっかくですが、お断りします」
政宗「つれないな。まあ、それは冗談だ。お前にしてもらいたいことがあって来た。入るぞ」
私が承諾する前に、政宗は我が物顔で部屋へと踏み込んでくる。
(・・・・・・今のは、冗談なんだ、もう・・・、本当この人、よくわからない)
あっさりした対応に拍子抜けしていると、文机に真白な紙が広げられた。
「わ・・・・・・綺麗な和紙」
政宗「ここに、お前の絵を所望する」
「絵を?」
政宗「お前がこの城に来た日に見せてもらったようなのがいい。掛け軸にする」
(私が来た日に見せたの・・・・・・って、服のデザイン画のこと?)
前に、政宗が画集の一枚を勝手に持ち出して行ったことを思い出す。
「どうして、そんなものを掛け軸に?」
政宗「好きだからに決まってるだろ、お前の絵は努力がにじみ出てて、いい。なんとなく完璧じゃないところに味があるな」
1. ありがとう
2. 褒めてくれてるの? ♡
3.初めて言われた
「・・・・・・それは、褒めてくれてるの?」
政宗「おう、めちゃくちゃ褒めてる」
(政宗、ほんとに嬉しそう・・・・・・)
純真そうな笑顔を向けられ、くすぐったいような気持ちになる。
「えっと・・・・・・今すぐ描けばいいの?」
政宗「ああ。書き損じてもいい。また紙持ってくるから」
「・・・・・・わかった」
(それを頼むために、わざわざ夜更けに現れたんだ)
偉そうにあぐらをかく政宗だけど、その眼差しは子供みたいに輝いている。少し微笑ましくなりつつ、私はまっさらな紙へと視線を落とした。
(デザイン画と掛け軸の絵が違うと思う、けど・・・・・・なんだろう、すごく・・・・・・嬉しい)
早速文机から細めの筆を取り出して、墨をつけた。逸る気を押し込め、着物をデザインする感覚で、女性の絵を書き出す。
(やっぱり・・・・・・こうして手を動かしてる時が、一番落ち着く。どんな時代でも、どんな場所でも・・・・・・私やっぱり、これが好きなんだな)
政宗「・・・・・・」
政宗は後ろについた手に体重をかける格好で、黙ったまま、私の手元を眺めている。
(自分の作ったもので誰かに笑顔になってほしくて、私はデザイナーに、なりたかったんだよね)
------しばらくの間、心地良い静寂が部屋を満たした。
「・・・・・・ねえ、政宗」
政宗「んー・・・?」
(政宗にしては、気の抜けた返事・・・・・・)
ずいぶんとリラックスした声が返ってきて、思わず頬が緩んでしまう。
筆を一旦持ち上げて、政宗に笑みを向ける。
「・・・・・・ありがとう。こういう頼みごとしてもらえるの、すごく嬉しい」
政宗「・・・・・・そうか。そいつはよかった」
政宗は一拍おいた後で、ふっと花がほころぶように優しく微笑んだ。
政宗「お前のそういう顔は、やっぱり、いいな」
囁きと共に、するり、と背中に腕を回される。
(え・・・・・・?)
その次の瞬間には、私は天井を仰いでいた。
(な・・・・・・何が起きたの?)
呆然として横を見ると、手から落ちた筆が転がり、畳を汚していた。
政宗「こら」
(っ・・・・・・、あ)
唐突に顎を持たれ、顔が前を向く。政宗の前髪が額をかすめ、呼吸が止まりそうになった。
政宗「よそ見するなよ」
(な、に・・・・・・)
吐息が、唇をかすめる。手の甲が絹に触れ、ようやく敷いていた布団に押し倒されたと気付く。
「なに、するの・・・・・・っ?」
政宗「油断するなって言っただろ?」
「・・・・・・っ」
愉しげに喉の奥で笑いながら、政宗が首筋に唇を寄せてくる。柔らかな髪が肌をくすぐって、びくりと身体が跳ねた。
「は・・・・・・離して・・・・・・」
政宗「離さない」
(またからかってるんだよね・・・・・・?本気じゃ、ない、はず・・・・・・)
「・・・・・・、ぁ」
困惑してる間に、着物の衿を歯で噛まれたのが分かった。
抵抗する隙もなく、衿元がはだけそうになる。
「ね・・・・・・、ちょっと、待って・・・・・・っ」
政宗「何を?」
「絵もまだ途中だし、畳も墨で汚れちゃってるし・・・・・・」
政宗「そうか、それは困ったな」
少し身体を離すと、政宗は可笑しそうに私の額へ手をやった。
(・・・・・・困ったな、じゃないよ・・・・・・っ)
子供をあやすように髪を撫でられて、心地いい感覚に気が緩みかける。
(の、乗せられちゃだめだ・・・・・・!)
「こういうのは、恋人同士がするものでしょ・・・・・・?」
政宗「・・・・・・こいびと?なんだ、こいびとって?」
「え?」
政宗がきょとんとした顔で聞き返してくる。
(この時代って、”恋人” っていう考え方が、ないの・・・・・・?)
「えっと・・・・・・つまりお互いに好きあってて、連れ添う相手として認め合った人ってこと」
政宗「ふうん、それが恋人か、覚えておく」
「だ、だから、恋人とじゃないと、こういうことは・・・・・・っ」
秀吉の声「おいゆう、夜中になにしてるんだ。騒々しいぞ」
(秀吉さん・・・っ⁉︎)
声を荒らげた時、廊下を歩く人の気配を感じてぎくりとする。
(こんなところ見られたら、絶対、誤解される・・・・・・っ!)
政宗「------・・・秀吉か」
(えっ)
小声で呟いたと同時に、政宗が素早く掛布団を掴むと、そのまま頭から被り、私を腕の中に抱きすくめた。
(何してるの・・・・・・っ⁉︎)
秀吉の声「ゆう?寝てるのか?」
す、と襖が横に開かれたのが、音で分かる。
「・・・・・・っ、・・・・・・っ!」
政宗「しー・・・・・・」
(なんなの、この状況・・・・・・っ)
政宗の胸に抱きすくめられて、さっきよりも身体が密着する。身体をこわばらせる私の耳元を、政宗のなだめるような吐息がくすぐった。
政宗「・・・・・・静かにしてろ。あいつに見つかると説教が長い」
「・・・っ」
耳から直接身体の奥に、声を注ぎ込まれるようで、小さく肩が震える。
全神経が政宗に集中して、おかしいくらい心臓が脈を打っていた。
(秀吉さん、お願いだから、早く締めて・・・・・・っ)
しばらくの静寂の後-------
秀吉さんの呆れたようなため息が聞こえた。
秀吉の声「・・・・・・寝てるのか?ゆうの寝言、でかいな」
政宗「ふ・・・・・・・・・・っ」
(わ、笑わないでよ・・・・・・っ)
耐え切れないと言うように、政宗が肩を震わせる。
政宗「・・・・・・っ、悪い」
唇の動きだけで、政宗が伝えてくる。
ヒヤヒヤしながら耳を澄ませると、秀吉さんの足音が遠ざかっていった。
「・・・・・・っ、行った・・・?」
政宗「みたいだな・・・・・・くっ」
(まだ、笑い引きずってる・・・・・・)
布団からふたりで出た途端、政宗が痺れを切らしたように笑いだす。
政宗「お前、よかったな。得体のしれない女から、寝言のでかい女に昇格だ」
「っ、昇格じゃないよ!それ、失礼な」
政宗「にしても、秀吉も秀吉だ。あんなに騒がしかったのに、寝言で済ますなんてな」
「確かに・・・・・・」
(傍から見たら、間抜けな光景だったかも)
「・・・・・・ふふっ」
緊張感が解けたた反動か、政宗に釣られるように笑いが込み上げて来た。
隣で政宗も、肩を揺らして笑っている。
「・・・・・・はあ、なんか、疲れた」
政宗「ああ、疲れたな、無駄に」
一緒に布団の上で仰向けになって、呼吸を整える」
「政宗があんなことしなければ、隠れる必要もなかったんだからね。それはきちんと反省してください」
政宗「なんでだよ。俺のせいにするな」
「とにかく、好き同士じゃなのに、押し倒したり・・・・・・そういうことはしないんだよ」
政宗「なら、問題無いだろ。俺はお前が気に入ってる」
(えっ・・・・・・?)
想定外の返答がして、政宗を振り返る。
政宗は横になったまま片肘をつき、こちらを見つめていた。
「気に入って、る・・・・・・?」
「気に入って、る・・・・・・?」
政宗「そもそも、人が好き合ってるかどうかなんて、確かめようもない。だったら、俺は俺の思うまま動くだけだ。お前が本気で拒むならやめる。それで、何も問題ない。だろ?」
「--------・・・っ」
(そう、か・・・・・・政宗には ”恋人” としての好きか、そうじゃないか、なんて線引きが・・・・・・そもそも、ないんだ)
依然としてすっきりしたままの口ぶりが、私にそう思わせた。
(だから、私がいくら説明したところで無駄ってこと・・・・・・?)
気付いた事実に呆然としていると、政宗がふっと楽しそうに笑う。
政宗「そんな顔すんな。これ以上いじめられなくなるだろ」
(・・・・・・っ)
黙り込んだ私の額へ、ついでのように政宗が口づける。
目を瞬かせている間に、政宗は上体を起こした。
政宗「文句があるなら、本気で拒んでみせるんだな。絵、楽しみにしてるぞ。仕上がったら、俺の御殿に持ってこい」
乱れた着物の合わせをきゅっと整えると、政宗は部屋を後にした。
(・・・・・・とんでもない人に、目、つけられちゃったのかも)
ひとり取り残されて、釈然としないまま襖を見つめる。
(それに、なんなの、”本気で拒むならやめる” って、私は、ちゃんと本気で・・・・・・っ。本気で、抵抗、してた・・・・・・よね?)
問いかけを否定するように鳴りやまない鼓動が、私をますます混乱させる。
「っ・・・・・・ああ、もう!」
無性にいたたまれなくなってきて、勢い良く枕に顔を埋めた。
「こんなに混乱させられるんだから・・・・・・ちっとも問題なくなんて、ないよ」
気持ちを鎮めるように、声に出して呟いた。
政宗のことを、考えるほど胸がかき乱されて、その日の眠りは、なかなか訪れてくれなかった。
--------
(・・・・・・気持ちを切り替えていこう。混乱してる時は、やっぱり仕事に集中するのが一番いいよね!)
翌日の夕方、私は信長様からの書状を手に、家康さんの御殿を訪れていた。
「失礼します」
襖を開けると、本を読む家康さんがちらりと視線をよこした。
家康「・・・・・・・なにしに来たの」
「信長様からの書状を届けにまいりました」
家康「・・・・・・そこ、置いておいて」
家康は本に視線を落としたまま、私に告げる。
(家康さんには、まだ何か壁を感じるな。邪魔しないうちに、早く出て行こう・・・・・・)
机の上にそっと書状を置くと・・・
家康「・・・・・・あんた、政宗さんに最近、絡まれてるでしょう」
「えっ?政宗に・・・?」
唐突に話を切り出され驚いていると、家康さんは本を閉じこちらを見た。
家康「違うの?」
「・・・・・・いえ。確かに ”絡まれてる” って表現はぴったりですけど」
家康「痛い目見たくないなら、あまり親しくならない方がいい」
(え・・・・・・?)
家康「政宗さんは、あんたが思ってるほど、”普通” の人じゃない。この時代であっても、あんなに側に居るのが恐ろしい人はいないよ」
(ええと・・・・・・もともと普通の人だとは、思ってないけど・・・・・・)
「一緒にいるのが恐ろしいって・・・・・・どういうことですか?」
家康「・・・・・・」
家康さんはそれには答えず、また本に視線を戻して沈黙を続ける。
(たしかに、前の戦の時の政宗は怖かったけど・・・・・・でもただ一緒にいるだけで恐ろしいって感じたことはなかったけどな)
結局、家康さんが最後の質問に答えることはなかった------。家康さんの御殿から出ると、既に空は茜色に染まり始めていた。
「親しくならないほうがいい、か」
頭上を見上げながら、先程の家康さんの言葉を思い返す。
(そういえば・・・・・・、佐助くんにも言われたな)
--------
佐助「君は織田軍の人達にずいぶん気に入られていたみたいだけど・・・深入りはしないよう気をつけて」
「深入りって?」
佐助「端的に言うと、恋愛感情を抱くことだ。いずれ未来へ帰る足かせになる」
「恋愛⁉︎ ないない、絶対。武将と恋愛なんてありえないよ・・・」
--------
(今でも・・・、武将と恋愛なんてありえないと思うし、政宗にだって、別に・・・・・・そういう気持ちは、ない・・・・・・はず)
懐にしまってあった紙を、そろりと取り出す。
午後いっぱいかけて完成させた、政宗から頼まれていた掛け軸の絵だ。
(・・・・・・ついはりきって、一日で仕上げちゃった)
気付かないうちに夢中になっていた自分に、苦笑いが出てくる。
(こんなにはりきっちゃったのは・・・・・・私の仕事を認めてくれたのが、嬉しかったからだよ、ね。政宗は意識してないんだろうけど・・・この時代でも私らしくいられるは、政宗のおかげだから)
そう思い、改めて懐に紙をしまった時------
「------んんっ⁉︎」
後ろから誰かの手が伸びて、口元を塞がれる。
(だ、誰・・・っ⁉︎)
声を上げる間もなく、私は物陰に引きこまれていた。
---------
政宗の家臣「政宗様!急ぎ申し上げます!」
数刻後-----政宗の部屋へ駆け込んできた家臣に、政宗は目を瞬かせた。
政宗「何だ、騒々しいな」
政宗の家臣「先ほどら、市中見廻り班の者から報告があり・・・・・・っ。どうやら、ゆう様が真田の手の者に、誘拐されたようだと------」
政宗「------何?」
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「さあ、どなたでしょう?」が面白かった。
声変えてたりするのかな??
文句があるなら、本気で拒んでみせるんだな。。ってことは、政宗には、本気で拒んでるようにはみえてない?ってことかな。。。