山下said

「お疲れ様です〜」

最近ずっとドラマ撮影が続いて、中々皆に会えない日々が続いている。朝ドラに出演させて頂いた時に1人で居ることにも慣れたはずなのに…

「美月ちゃん」


「ぁ、近藤さん!おはようございます」

近藤さんは今回私が出演するドラマのお姉さんだ。本読みから仲良くなった女優さんで面倒見がよくとてもお世話になっている先輩


「これ、外番組で買ったお気に入りのお土産。良かったらどうぞ」


「えっ!ありがとうございます!頂きます」


「これ、美月ちゃんだけだからね。皆には内緒」


「ふふっ分かりました」


流石あざとい先輩だ。とても魅力的で美しくて色気もある…近藤さんみたいな人になりたいな。私は今は有り難いことに1人仕事もさせて頂いているけど中々本業である乃木坂の活動を上手く出来ないときがある

中途半端で、先輩たちが築き上げてきた物を私が壊さないようにしなきゃいけないのに私の力不足でダメにしてしまう…そんな自分が大嫌いだ


「それじゃあ撮影始めようか」


監督がメガホンを取る。ここの場面は1番重要だ。雨の中近藤さんが演じるお姉さんに泣きじゃくりながらハグをするというシーン

緊張感が走るシーンだ


『ねぇ…何でよ!!』


『大丈夫、大丈夫。我慢しないで…全部お姉ちゃんが受け止めてあげる』


『うわぁぁぁぁん』


「………カット!、いやぁ今の演技よかったよ!」


「ありがとうございます、監督」


「喉痛めたらダメだからちゃんとケアはするように」


「はい」


私が片想いをしていた人が事故に遭ってしまい、その道中で雨に打たれながら泣くというシーン。正直私が演じるヒロインは今の私と似たような心境を持っているから監督に褒められたと思っている。

もっと努力し続けないと、近藤さん達はもっと凄い。ドラマに出させて頂いている内は頑張って乃木坂の名前を出していかないといけない


「この後は乃木中の撮影ね。早くご飯食べちゃって」


「はい」

車の移動中はご飯を書き込みながら、アンケートを出さないといけない。あんまり休憩は取れていないけど本業であるアイドル活動を怠けてはいけない。

久しぶりにメンバーに会えるんだ、しかも飛鳥さんにも会える。いつ振りかな?飛鳥さんも忙しいだろうからあんまり話し掛けるとマズいかな…


「おはようございます」


「山下〜久しぶりだね、ドラマ撮影頑張ってる?」


「うん。梅も与田も皆元気そうでなにより」


「ねぇ山ってさ近藤さんと仲良いんでしょ?」


「うん、近々一緒にご飯を食べる約束してる」


「いいなぁ~私も山とご飯行きたい」


「抜け駆け禁止ですよ~私も山下さんとご飯行ってみたいです。」


「うん、行こ行こ」


ゾクッ…!後ろから嫌な感じ…殺気というか振り向くのも怖い

前を向くと同期がそそくさと逃げている…これは振り向いたほうがいい気がする…何となくだけど


「……あのぉ……」


「……………ムスッ」


完全にキレてる…100%いや、1000%怒ってますね。命の危機…うん。どうしよう


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飛鳥said


最近山が、家に帰ってこない。山とは最近半同棲を始めている。昔は毎日帰ってきて抱き着いてきたりしてくるのに、最近はドラマに出たり映画に出たりでとても忙しいみたい。


「飛鳥ちゃん〜暇だったら真夏と遊ぶ?」


「無理、嫌」


「即答…しかもちょっと拗ねてる?可愛いねぇ〜」


「チッ」


「ぁぅ」


「真夏止めときな、飛鳥は今何言っても地雷だから」


「…うん、分かった」


そう、私は絶賛イライラしているのだ。山には内緒で共演している近藤さんのインスタをフォローし、監視していると異様に山と距離が近い気がする


ドラマのTwitterを見ても、仲良く話していて時々肩が触れている程近く楽しそうに会話しているのを見てイライラ。コメント欄を見て、ファンの方が”仲良すぎかよ、付き合っちゃえば?” “二人共お似合いだ“
“ホントの姉妹みたい“とか色々言ってるし、それも余計私のことをイラつかせている


今だって、やっと会えたと思っていたら同期や後輩と仲良く話しかけているではないか。まず、恋人である私の所に来るでしょうが…

やっと山がこっちを見た


「…あのぉ…」


「…遅い…何で私の所に来なかった?」


「あ、いや……ごめんなさい」


「忙しいのは分かるけど…」


もう止まらなかった。これ以上続けても良いことは1つもないのに…私は小さい頃からずっとそうだ。奈々未からも口酸っぱく言われたのに…


バンッ!


「もういい!飛鳥なんか嫌い!」


勢い良く机を叩いたかと思ったら、ドアを開けて何処かに行ってしまった…


「美月!!!」


ここまでの大喧嘩はしたことが無かったから、同期でもあるメンバーも誰1人動けなかった。しばらくすると3期生が山を探してきてくれるという事だった。


「飛鳥、今の言い過ぎ」

   
「だって…」    


「美月が忙しいのは飛鳥も分かっとるやろ?飛鳥らしくないやん」


「恋人泣かせたらダメじゃん、山の事1番分かってるの飛鳥でしょ?」


「まいやん…」


「ちゃんと二人で話し合って仲直りしてきな」


「分かった」


私は楽屋を飛び出して、思い当たる場所に向かった。

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山下said


ハァ…楽屋飛び出してきちゃった……飛鳥に大嫌いなんて言ってしまった。本当はそう言いたいんじゃなかったのに

誰もこない非常階段の踊り場で座り込んだ


早く戻って、皆に謝らなきゃ…でも…



その時誰かが扉を開けたかと思ってたら、飛鳥が血相を変えてこっちへ来た



「山っ!」


殴られるかと思い目を瞑った……が、


「…ごめん、山」


抱きしめられた…飛鳥から抱きしめてきたのはいつ振りかな。懐かしさと申し訳無さが混じり合って涙が止まらなくなった


「私も…ごめんなさい」


「ちょ………ハァ山は頑張り過ぎなんだよ、少しは自分も気遣いなさい。」


「うん…」


「よろしい、じゃそろそろ…」


「待って……ちょっとこのまま」


「き、今日だけだからな」


そう言っても抱き締める力は変わってないどころか強くなったのはちょっと嬉しいかな…



「続きは、また家でね」


「…っ//」



その後はお察しの通り、無事腰が死にました



終わり
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ohisamaさんリクエストありがとうございました


最近忙しくしており、中々更新出来ませんでしたが本日より少しずつではありますがやっていきたいと思っております。


今まで、待っていた方おまたせ致しました。
まずはリクエストから。その次に長編を載せていきたいと思っているので今日から宜しくお願い致します!




犬八より