昨日から公開が始まったコードギアス亡国のアキトを観に劇場に行って来ました。コードギアスの新たな作品として誕生した「亡国のアキト」ですが、私が注目したのはギアスが今後シリーズとしてアニメ化したり、反逆のルルーシュとは異なるストーリーが受け入れられるかどうかという事です。予め申し上げておきますが、今回の感想記事はネタバレになりますので、そこをご了承いただければと思います。




 物語はエリア11に発生したブラックリベリオンが失敗に終わり、ブリタニア帝国は世界制覇の為の次のターゲットを定めた。それはE.U(ユーロピア連合)である。ブリタニアの圧倒的な力によって防衛ラインを下げられたE.Uは、征服された日本から脱出したイレブンの少年・少女達を集めて結成したナイトメア・フレーム部隊を結成した。「WZERO」と呼ばれる部隊は、住民登録されていないイレブン達を生存率が低い戦地に赴かせて、戦果を上げようと仕向ける政治家達の思惑が隠れていた。




 彼らが送り込まれた戦場は、ブリタニアに囲まれたE.U軍の脱出作戦。あまりにも戦力差が大き、生存率が低い戦場であった。WZEROの副司令官を務めるレイラ・マルカルは、若い女性司令官であるが冷静な判断力と分析力を持ち合わせる優秀な人物である。しかし、司令官はナイトメアに爆薬をセットしており、自爆させる事で敵勢力を削ぐような命の重さをなんとも思わない人物だった。このままだと全滅してしまう状況で、業を煮やしたレイラは司令官を得意の合気道を用いて腕を取り拘束した。



 指揮権を奪ったレイラは、何とか自爆作戦を止めようと試みた。しかし、生き残ったのはたった1人のパイロットだけだった。その名は日向アキト、圧倒的な戦闘力を持つアキトは、ブリタニアのナイトメアを倒し続けた。どこからともなく現れたナイトメアの存在は、ローマ帝国時代のハンニバル亡霊と呼ばれ恐れられた。アキトの活躍によってブリタニア騎士団は壊滅し、E.U部隊は脱出に成功した。しかし、アキトに対する兵士達の態度はイレブンだと判るや否や一変し、露骨な嫌悪感を示した。



 パリに戻ったレイラは功績が認められ中佐に昇進し、WZERO部隊の正式な司令官に任命された。アキトはレイラの警護役を任され、中尉として部隊の中心メンバーとなった。イレブンと蔑まされるアキトは、自分の実力で居場所を掴んだが、実はレイラも不遇な境遇の持ち主だった。両親はブリタニアの貴族だったが、E.Uに渡りレイラを産んだ。しかし、名家マルカル家の養子となり、そこの息子と結婚させられようとしていた。レイラも軍隊の中で自分の存在価値を見出していたのだ。



 ただし、レイラには両親の友人だった将軍を務めるスマイラスという後見人がいた。彼の勧めで議会を見るように促されて、車に乗って議場へ向かった。そこにはアキトも護衛のために付き添ったが、実はその情報を掴んでスマイラスを誘拐しようとするイレブンの少年達がいた。彼らはマフィアと取引をして金を奪ったりしていたが、全てはスマイラスを誘拐して要求を飲ませるための準備だった。電子機器に強い成瀬ユキヤが爆弾を仕掛けて、とリーダーの佐山リョウが奪ったグラスゴーを用いて、レイラとスマイラスが乗る車を襲撃して、運動神経がいい香坂アヤノが誘拐する作戦だった。




 しかし、立ちはだかったのはレイラとアキトだった。ナイトメアが爆発の衝撃でハッチが開かずに出遅れたアキトだったが、その超人的な能力はナイトオブラウンズのスザクと同等。グラスゴーに生身で挑んでリョウを引きずり出した。何故こんな事をするのか詰問したレイラに対して、リョウ達の答えは「自分達の居場所」を作る事だった。イレブン達は敵国の人民としてみなされ隔離されていた。アキトの仲間達は、自分達が死ぬ事で家族に市民権が与えられると、語っていたが、レイラはWZEROのメンバーになってほしいと誘うのだった。




 正直、第1話だけでは判らない事も多くありました。かなりぼかしている部分もあって、亡国のアキトの世界観を見せる事が念頭にあると思いました。その中で、主人公アキトやヒロインレイラは、本当に自分の居場所が世界に翻弄されて失いつつある中で、必死に戦いを通じて生きている感じが伝わってきました。ルルーシュのようなカリスマ性のある主人公もいいですけど、私はこういう悩みながら戦うキャラクターもいいと思います。トータルで言うなら、新たなギアスの可能性を示したという意味では良かったですね。まあ、ルルーシュが全てという人には受け入れるのは難しいと思います。