6月12日、新ガンダム発表の時に次はどんななのだろうかと期待しました。しかし、紹介されたのは、ガンダムに触れた事が無い小学生をターゲットにしたキャラクターデザインと異星人が登場する機動戦士ガンダムAGEでした。あの時も批判が殺到しましたが、実際に放送されたらどんな感想が自分でも書くのか半信半疑の面もありました。それは、やはり「ガンダム」という作品に抱くイメージが強かったからです。



 私の中のガンダム像は、人間同士のドラマです。善悪なんて単純な区分けが出来ない中、戦いを通じて生き様や考え方などをしっかりと描いているストーリーです。私の好きなガンダムは、Zガンダム・ガンダムW・ガンダムOOなのですけど、ストーリーに面白さがあったし、キャラクターにも個性があったから、本当に重厚で引き込まれたのです。それがガンダムだと自分は思っていたのです。



 しかし、今日放送された機動戦士ガンダムAGEにはそれが全く感じられなかった。何故かというとガンダムが、伝説の戦士などと定義され敵と戦う希望の象徴などと記号化され、キャラクター1人1人が、もの凄く薄っぺらく感じたからです。脚本がそういう風になっているからという意見もあるでしょうけど、ずっとガンダムを観続けてきた私にとっては、単純でもの凄く薄っぺらい作品にしか思えませんでした。



 今回のシリーズ構成を担当した日野氏は、最新のツイッターの中で「わかり易く受け取り易い内容にしようと目指しました。」と記載していますが、自分には前記のように感じてならないのです。確かに設定が、人間同士の戦争という訳ではなく人間VS謎の生命体UEだという事から、自分がガンダムAGEを否定するだろうというのは判っていました。その一方、ガンダムらしいドラマや感情移入出来るキャラクターの登場を期待していたのもまた事実です。



 複雑な思いが交錯する中、始まった第1話はよくありがちな話でした。平和な日常が突然の戦闘によって破壊される。それが対立する陣営ではなく、モビルスーツタイプのUEだったので、これは単なる侵略者と同様なのだと判りました。ガンダムが侵略者と戦うストーリーは、70年代から80年代初頭に放送されたスーパーロボットアニメそのもの。まるで先祖返りした感じがしたのは、私だけではないでしょう。



 脚本が単純でわかり易かったのは、メインターゲットが小学生だったから。それが良いと思う人もいるみたいでしたが、私はやっぱりダメですね。おそらくFate/Zeroのような重厚なストーリーを好む人も同様に感じたと思います。特に多そうなのは、ファースト世代でしょうか。だから彼らには、同じガンダムでもユニコーンを応援してもらえばいいと改めて実感しました。ガンダムは作り手によって変化しますけど、ここまで低いハードルになったら自分は無理です。この作品は完全に否定します。正直、自分には無理ですね。