ネット界を中心に盛り上がっているアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」は、オリジナルアニメであるので、ストーリーを放送前に知っている人間は制作関係者のみ。視聴者が予想し合ったりいろいろな妄想をしたり、一緒に考えながら作品を楽しんでいます。そして放送後は、萌えキャラの悲惨な最期や残酷な結末が、衝撃とさらなる関心を集めています。そのような相乗効果があって、新聞にもとりあげられる事になったわけですが、100人中おそらく100人全員が、同じ感情「むかつく・氏ね・詐欺師・悪徳営業マン」などネガティブな感情を抱いているのが、マスコットキャラとして登場するキュゥべえです。



 どんなキャラクターにも支持する人とアンチの人は必ずいると思いますが、キュゥべえは完全にアンチ派で占められています。今、最も嫌われているアニメキャラクターといっても過言ではないでしょう。しかし最初は、ここまで嫌っている人はいなかっただろうと思います。それは何故か?キュゥべえが、従来の魔法少女アニメ(セーラームーン・プリキュアetc)などに登場する主人公を導く存在だと考えている人が、少なからずいたからだと思います。つまり魔法少女まどか☆マドカは、従来の作品の域を脱する事はないだろうと推測されていました。



 実際第1話「夢の中で会った、ような・・・・・」での立ち位置は、魔法少女暁美ほむらに襲われ、主人公鹿目まどかに助けを求めていたので、転校生が悪い魔法少女で、助けを求めているのではないかと、視聴者に印象を与えたはずです。。今となっては笑い話だが、今年のアニメ流行語大賞すでに内定だろうと思われる「僕と契約して魔法少女になってよ!」という台詞も正義の味方になって悪い魔女や魔法少女と戦うはずだと容易に想像出来たと思う。それに輪をかけたのが、先輩魔法少女巴マミの存在ではないでしょうか。



 マミはかつて交通事故に見舞われ、契約条件である「どんな願いも1つ叶える事」を考え間もなく助けてほしいと願った。それから正義の味方を自負して、人々の脅威となる存在魔女と1人で戦い続けてきた。その光景はまるで、子供向けの魔法少女アニメを見ているかのようで、魔女を颯爽と倒す姿にまどかとさやかは、マミに対する憧れを抱き始めていた。それもキュゥべえにとっては、目的を果たすための一つの布石でしかなく、徐々に明らかになってくる本性が明らかになる序章だったのかもしれない。



 第2話「それはとっても嬉しいなって」までは、至って普通でファンも普通の「萌え系魔法少女アニメ」だと思い、それはそれで人気を集め始めていました。しかし第3話「もう何も怖くない」の衝撃のシーンが描かれてから、この物語におけるキュゥべえが、アニメファンから目の敵にされる事になったのは言うまでもありません。衝撃のシーンとは、2人の憧れの存在だったマミが、魔女に首を引きちぎられ無残にも殺されたシーン。「早く、願い事を決めて僕と契約を。」マミが殺されても悲しむことなく、契約を持ち出す台詞に違和感を嫌悪感が表現されており、ここから本当の意味での物語が始まったといってもいいと思いました。