コミケ会場である東京ビッグサイトを満喫した桐乃ちゃん。沙織ちゃん・黒猫ちゃんと一緒に帰ろうとしますが、そこに親友のあやせちゃんと出くわしてしまいました。親友にヲタクである事をばらせるはずがなく、余所余所しい態度を取る桐乃ちゃん。すぐに京介君を頼り局面の打開を図ろうとしました。モデルの仕事の休憩中だったあやせちゃんは、2人がデートしているのではないかと冗談半分に言いますが、桐乃ちゃんが何も言わないから心配そう。



 当然じゃないですか!同人誌一杯持っている状況で、何か言ったらボロが出ちゃうじゃないですか。京介君のフォローもあって、何とかこの場をやり過ごそうとしていたのですよ。しかし優しいあやせちゃんは、車で帰ろうと荷物に手が伸びます。荷物はどうしても触れられたくない桐乃ちゃんは、慌ててて同人誌満載の袋を隠そうとしました。それでも違和感ある行動に訝しがる様子のあやせちゃんが、次に目をつけたのが沙織ちゃんと黒猫ちゃんでした。



 ヲタク友達なんてばれたら流石にヤバイ、ここで黒猫ちゃんが機転を利かせて「5時のアニメに間に合わない。」と言い残し2人で先に帰りました。あくまでの他人でないとここは、誤魔化せませんから。「知んないよ、あんなキモイ連中!」普段の恨みが篭った言葉を2人に浴びせる桐乃ちゃん。一応無関係だと判ってもらえたと思った矢先、今度はヲタ連中がぞろぞろと現れて「何かあったのかな?」あやせちゃんは疑問を持ちます。「夏コミじゃない?同人誌とか売ってる・・・・・」京介君が頭を抱える発言を桐乃ちゃんがしてしまいました。



 「何か隠してる?」うああ口が滑って突っ込まれる大臣のようになった所に、あやせちゃんの追求が始まりました。中学生ですからね、シラを切ろうとしても上手く行かないのが当たり前!演技だって出来るはずも無く、逃げるように去りたいしぐさがばればれです。だから京介君が手を引っ張って立ち去ろうとした時、手を引っ張られて止められてもしょうがないです。「逃げようとはしていない。」そう主張しますが、あやせちゃんにはばれてました。「嘘!嘘!嘘!嘘!嘘!嘘付かないでよ。」早見沙織ちゃんの鬼神の演技が凄くよかったシーンです。追求が激しいというか何と言うか、友達が嘘を付いているのが許せないって感じが伝わりました。



 「私はヲタクなんだ。」などと口が裂けても言えず、やり過ごそうとしようとしたのですが、あやせちゃんは顔に似合わず結構強烈なんですよ。「その袋の中に何が入っているの?コミックサークルマーケットって。」ついに袋の中身について問い詰めると、桐乃ちゃんは逃げてしまいました。いくら心配されているとはいえ、これはどうしても受け入れ難い。逃げる気持ちはわかりますが、すぐに捕まり雨に濡れた袋が破け禁断の中身が出てしまいました。「ごめんなさい、もうあなたとは友達ではいられません。今後学校でも話掛けないで下さい。」タメ口から敬語になった所にあやせちゃんの桐乃ちゃんは、友達じゃない意味が篭っていました。



 オープンにしている黒猫ちゃん・沙織ちゃんが、きもい連中と言われて「本心じゃない」のは判っていましたが、本当に自分をさらけ出せないのは、不自由だなと思いました。雨と雷は、修羅場などではよく使われる演出ですが、今回の修羅場は非常に秀逸で若手声優さんの演技力の高さが垣間見えました。一応京介君が沙織ちゃんに対して謝罪していましたが、彼女達は大人ですね。意図をしっかりくみ取っていました。結局夏休みの残りは、桐乃ちゃんは何かを忘れようと一生懸命陸上部の合宿に打ち込み、京介君は妹対戦ゲームをクリアーしました。そして季節は2学期に突入したのです。