昨日はベスト4を賭けて、南米とヨーロッパの強豪ガチンコ対決が2試合行われました。まずはリアルタイムで観ていたドイツVSアルゼンチンの試合についてです。ドイツは、攻撃守備とも非常に完成度が高く、スピードに乗ったカウンターが最大の武器。一方アルゼンチンは、圧倒的な攻撃力を誇ります。特にメッシ・イグアイン・テベスの3人は、今大会でも屈指の選手。彼らが、ドイツ守備陣をどう崩すのか?そこが試合の鍵だと思っていました。



ドイツVSアルゼンチン 4-0




アルゼンチン代表
先発
GK22ロメロ
DF2デミチェリス
DF4ブルディッソ
DF6エインセ
DF15オタメンディ
MF7ディマリア
MF14マスケラーノ
MF20マキシ・ロドリゲス
FW9イグアイン
FW10メッシ
FW11テベス



ドイツ代表
先発

GK1ノイアー
DF3アルネ・フリードリッヒ
DF16ラーム
DF17メルテザッカー
DF20ボアテング
MF6ケデイラ
MF7シュバインシュタイガー
MF8エジル
MF13ミュラー
FW10ポドルスキー
FW11クローゼ





 しかしいきなり試合を動かしたのはドイツでした。前半わずか3分、左サイドからのフリーキックをミュラーが頭で合わせて先制。シュバインシュタイガーのボールの質も凄いですが、合わせたミュラーも本当に上手い。アルゼンチンの選手が集中していない間の先制ゴール。これにはマラドーナ監督もちょっと苦悶の表情をしていました。先制点を奪われ、アルゼンチンは個人の力で打開しようとしますが、ドイツのダイレクトパスを多用したパス回しと速いサイド攻撃によって封じされてしまいました。アルゼンチンはスペースを多く与えていたので、ドイツに底を利用されてしまったわけです。



 それでもアルゼンチンは、前半30分過ぎからペースを掴むと一気に攻勢を仕掛けます。どんどんドイツゴール前に迫りますが、今回のドイツ代表も守備が非常に強固です。日本も強固だったですが、ヘディングも強いし足元も上手い。だから決定的な仕事をさせません。結局前半は、先制ゴールの得点のまま1-0で終了しました。私は試合を観ていて、ドイツの強さとアルゼンチンの攻撃の真っ向勝負が、後半どうなるのか楽しみだと思いました。



 後半に入ると、アルゼンチンのキープレイヤーメッシに対し、シュバインシュタイガーとケディラのダブルボランチが献身的なランニングとディフェンダーとの連携でチャンスを作らせず、アルゼンチン選手に焦りを誘い始める。どうしても先制点を取られているから、早く追いつこうとするのだが、若いドイツは老獪でしたたかな集団だと思った。逆にスペースが開いたサイドから攻撃を仕掛けると、昨日も躍動したポドルスキがキーパーが取れない絶妙の低いクロスを送ると、サイドは待っていたクローゼが押し込んで2-0にしました。



 こうなると、完全に流れはドイツ。アルゼンチンは守勢に回し反撃の糸口すらなく、パスを回され防戦一方。3点目も押された中からのコーナーキックをフリードリヒが合わせました。シュバインシュタイガーのフリーキックの精度の高さが光りました。3-0となりマラドーナ監督も局面を打開しようとしますが、ドイツは最後までスピードと集中力が切れず、ポドルスキのクロスをどフリーのクローゼが右足で合わせてどどめの4点目。このゴールが、ワールドカップ通算ゴール数歴代2位に並ぶ14点目となりました。(1位は元ブラジル代表のロナウド)



 思わぬ大差がついた試合となりましたが、ドイツの安定した守備とスピード溢れる攻撃が、アルゼンチンの個人能力を生かした戦術を完璧に打ち負かしました。マラドーナ監督は自分の戦術が無く、選手任せにしていたつけが出た感じです。試合後は選手をねぎらい抱き合っていましたが、流石にショックは隠しきれない表情をしていました。一方ドイツは1戦毎にチームが一体となり、大黒柱バラック不在も感じさせない強さを増しているので、準決勝も非常にいい試合をしてくれると思います。



ドイツ・レーヴ監督のコメント

 我々のチームには若い選手が多く、スピードに溢れている。何人かのアルゼンチンの選手は、このスピードに付いていけなかったんじゃないかな。今日の試合で非常に規律のとれたパフォーマンスを見せたが、さらにそれ以上の努力も惜しまなかった。後半のプレーは最高の出来であり、チームを誇りに思う。まるでチャンピオンのような戦いぶりだったよ。



アルゼンチン・マラドーナ監督のコメント

 10月30日で50歳になる私だが、今日は自分の人生で最もつらい日となった。モハメド・アリに殴られたみたいで、何もする気力が起こらない。今のところ、辞めることは考えていない。(この大会で)何が起こったかを理解し、将来、「今のところ、辞めることは考えていない。(この大会で)何が起こったかを理解し、将来のことについて、注意深く考えなければならない。家族や選手とも話をしなければならない。





パラグアイVSスペイン 0-1


パラグアイ代表
先発

GK1ビジャール
DF2ベロン
DF3モレル
DF14ダシルバ
DF21アルカラス
MF8エドガル・バレット
MF11サンタナ
MF15ビクトル・カセレス
MF16リベロス
FW7カルドソ
FW18バルデス


スペイン代表
先発
GK1カシージャス
DF3ピケ
DF5プジョル
DF11カプデビラ
DF15セルヒオ・ラモス
MF6イニエスタ
MF8シャビ
MF14シャビ・アロンソ
MF16ブスケツ
FW7ビジャ
FW9フェルナンド・トーレス



 日本の前に鉄壁の守備陣を誇るパラグアイが立ちはだかり勝利を収めた。相手は、世界一のパス回しを誇るスペイン。攻めのスペインVS堅守速攻のパラグアイの構図だと思いましたが、パラグアイは地上戦ではなく空中戦を仕掛けて来ました。190cm台の選手がいるパラグアイFW陣を有効的に使えますし、スペインに得意のショートパスを使って試合を支配する展開に持ち込ませない為です。しかしスペインのパスは、上手くて速くてミスをしない。だから結局は攻めのスペイン、守りのパラグアイという事になりました。



 必死に攻めるスペインに対し、パラグアイは身体を張って守り中々チャンスを作らせません。日本戦もそうでしたけど、本当にパラグアイの守備は堅くて強い。前半は結局0-0のまま終了する事になり、スペインでも崩せない守備は本当に凄いと思いました。しかし守備だけでは試合には勝てません。後半パラグアイも前に出てきて、スペインゴールを脅かし始めると、コーナーキックでピケの反則を誘いPKを獲得。蹴るのは、日本戦で最後のPKを決めたカルドソ。



 左足から放たれたシュートでしたが、キーパーカシージャスが完全に読みきりシャットアウト。これにはスペイン選手達が駆け寄りねぎらいました。そこからすぐにボールを前に送ると、逆にスペインのカウンターが発動。一気にゴール前に攻め上がり、ディフェンスに倒せされPKを獲得しました。キッカーはシャビ・アロンソ!放ったシュートは、左隅に突き刺さり「スペイン先制!」かと思いましたが、スペイン選手がペナルティエリアに入ってしまいノーゴール。仕切りなおしでもう一度シャビ・アロンソが蹴りました。しかし右へ飛んだボールをキーパービシャールが、止めて最大のピンチを脱しました。



 0-0で試合は進みますが、スペインは主導権を握り続けます。個人の力の差が、試合が進みにつれて如実になって来ます。ゴールシーンもパスワークと個人の力が結集した形で生まれました。後半38分、イニエスタが中盤から駆け上がりディフェンスをひきつけると、フリーで待っていたペドロへパス。フリーでシュートしたボールがポストに当たり、予測していたビジャが右隅へシュート。これはポストに弾かれましたが、ボールはゴールに吸い込まれました。喜ぶビジャに全員が駆け寄り抱き付くシーンは、スペインでもパラグアイの堅守に苦しんでいた事を証明した形となりました。



 後半残り時間が少ない中での先制ゴールで、殆どスペインの勝利は動かないと思いましたが、パラグアイは諦めずに攻撃をします。そしてラストチャンスを掴みます。フリーでシュートを放つとカシージャスが弾き、こぼれだまをシュートしますがスペインが必死のクリアー。最後のチャンスをモノに出来ずパラグアイは、健闘むなしくスペインの経験の前に敗れました。しかし最後まで苦しめた試合内容は素晴らしかったと思います。日本がスペインと試合していたらどうなっていたでしょうか?結構いい戦いが出来たはずです。



スペイン デルボスケ監督のコメント

 難しい試合だった。チャンスは多くあったが、なかなか決められなかった。最高のサッカーではなかったが、歴史的な勝利を手にしたことはうれしい不安はない。われわれは最高のチームだ。



パラグアイ  マルティノ監督のコメント

 選手はやり尽くした。好機は作ったが不運にもパラグアイではなかった。トーナメントはスペインが通過しただけ。