デンマーク 1 0(前半)2 日本  3
         1(後半)1

得点

デンマーク代表

ヨン ダール トマソン(後半36分)


日本代表

本田 圭佑(前半17分)


遠藤 保仁(前半30分)


岡崎 慎司(後半42分)


警告・退場

ペル クロルドルップ(前半29分)

クリスティアン ポウルセン(後半3分)

ニクラス ベントナー(後半21分)

遠藤 保仁(前半12分)

長友 佑都(前半26分)

   




 正直デンマークは強いと思っていた。しかし今の日本のよさを活かせば、十分戦えると思った。守備が阿部をディフェンスラインと中盤の位置に入れる事により、格段に安定した。キープ力のある本田を1トップにして、大久保と松井の突破力と両サイドバックの攻撃参加を組み合わせた。岡田監督が、敗戦によりチームを再構築した結果が、見事に結実した試合だったと思う。


 

 前半は、トマソンをフリーにしてしまいピンチを作ったが、サイドからの低いクロスとドリブルで仕掛ける攻撃的姿勢が、引き分けでもいい試合であっても、勝ちたいんだと選手の気迫を多いに感じた。だから高い位置でセットプレーを取れたわけであり、無回転のシュートの打てる本田の凄みあるシュートが決まり、おそらく遠藤の情報はそれほど無かったデンマークが、裏を欠かれてしまったのも、本田のシュートが鮮やか過ぎた影響だと考えた。


 

 攻め込まれても俊敏性と連動性を生かした、日本らしいサッカーが出来ていたのが本当に誇らしく、実況の日テレ鈴木アナウンサーが「これからの日本代表の目指すサッカーの骨格が出来た。」と表現したがまさにそれがピッタリ当てはまる前半だった。特に目立っていたのが、左サイドバックの長友。彼の運動量と積極性は、今大会のサイドバックではトップクラス。ロンメダールに仕事をさせず、ヨーロッパでの評価も本当に急上昇している。


 

 後半、2点差をひっくり返さないといけないデンマークは、守備的選手を外し、ストロングポイントである高さを生かす攻撃を仕掛けた。どんどん背の高い選手を投入して、ロングボールを競らせこぼれだまを狙うパワープレー。日本も出し手の選手を潰そうと、プレッシャーを掛けるが、正確なボールがゴール前に入り、ひやひやの連続だった。


 1点を返されたのもパワープレーから。長谷部がアッガーを倒してPKを与えるとトマソンが、川島に止められたがこぼれ球を押し込み反撃ののろしを上げた。しかしここでトマソンが怪我をして、既に3人交代した後だったこともあり、いい動きを見せていたキープレイヤーが、戦力にならなくなった。これが今考えると非常に大きかった。



 2-1となり、次の1点が勝敗を決める。今まで日本は、残り15分から失点してしまい逆転負けを経験している。もう1点取る事が出来れば勝てるはずと思っていた矢先、ペナルティエリア前でパスを受けた本田が、神業のフェイントを披露して、キーパーソーレンセンをかわし、フリーで待っていた岡崎が流し込んだ。ゴールを決めた後、控え選手の下に一目散に走った後、もみくちゃにされ背後からおしりに蹴りを入れられた姿は、チームの結束と一体感を感じさせた。


 結局残り時間反撃のチャンスを与えず、スコア的にも日本のよさが目だった最高のゲームを見せてくれた。終わったのが朝5時半だったが、夢の様な試合に本当に目の前で起こっている事なのか?信じられないぐらい余り喜びを見せられなかった。それぐらい自分の中では、ありえない事だったから、どうリアクションを取るのかちょっと迷った。


 試合後選手達は、自信と更なる高見を目指す決意に満ちていた。特に本田は、頼もしいぐらい!遠藤は試合を冷静に分析していたし、ここで浮かれてはいなかった。サポーターが浮かれすぎているのはわかるが、選手達が浮かれていたらここで終わりになってしまう。岡田監督ももっと伸びしろがあると手ごたえを感じていたし、次のパラグアイ戦でも日本らしいサッカーを貫ければ、十分勝利出来ると信じている。




岡田武史監督のコメント

 「引き分けでもいいということで、受けにまわるような戦い方をしたくないということで 少し攻撃的な4-2-3-1という布陣で臨みました。しかし、中盤のゾーンの間を使われて、ボールを回されてピンチを招いていたので、急いで元の4-3-3に直して、なんとかディフェンスが安定した。その後、いい形でFKから2点とってくれたと。2点というのは非常に怖い得点差で、2点では終われない、もう一点なんとか取りたいということで、チャンスがあったんですけと取れなくて 相手が早めにパワープレーをしてきたと。




 しかし、選手達は動じることはなく良く耐えてくれて、そしてカウンターから3点目をとってくれた。我々は理想的な展開で終わることができました。ともかく今日、選手達が臆することなく冷静にかつ激しく戦ってくれたと。素晴らしい選手達に感謝したいです。それと共に、我々のチームというのは他のチームにない力があります。それはサポートメンバーを含めた27名、スタッフが一つの目標に向かって一つになれるという、サッカーがチームスポーツということを証明しようと。それを見事証明してくれたと思います。ただ、我々の終着点はここではないと思っています。今日は一日リラックスさせてやりたいと思っていますが、明日からスタートしたいと思います。以上です」



マンオブザマッチ 本田圭祐選手のコメント

 「決まる時は決まる。そんなもんです。キーパーが思った通りに動いてくれた。キレイに決まってよかったです。決勝T進出は)うれしいけど、思ったほどは喜べなかった。目標はまだはるか先ですから」

 19 シュート 15
    9 直接FK 23
    5 間接FK 0
    7 CK 2
    0 オフサイド 5
 56 ボール支配率(%) 44