学園都市の一角には、常磐台中学をはじめとする5つお嬢様学校が集まる「学舎の園」と呼ばれる地域が存在する。そこは外部とは隔離されており、夕刻になると場所によっては人気が極端に少なくなる。黒子をライバル視する婚后光子もそんな人が誰も居ない場所を歩いていた。しかし誰もいないのに自分を狙う気配を感じ「私を常盤台中の婚后光子と知っての狼藉ですの?」武器の扇子を開き姿を現すように求める光子。警戒しながら後ろに下がると、誰かにぶつかり気付いた時には既に倒されていた。そこには勝ち誇ったように笑みを浮かべる女子生徒の姿があった。このような常盤台中の生徒ばかりを狙う、連続襲撃事件が発生していた。



 同じ頃事件の事を知らない飾利と涙子は、足を踏み入れた事のない学舎の園へ黒子からの招待を受けバスで向かっていた。「常磐台中学をはじめ、どれも名だたるお嬢様学校。だから普通じゃないじゃないですか。」飾利は1人大はしゃぎ。「卑屈だなああ。」興味ない素振りをする涙子だが、ケーキ店をしっかりチェックしており、人一倍楽しみにしているのを隠していた。庶民の2人にとって、全く別世界の学舎の園だけで心躍らせるイベントであった。学舎の園入口というバス停に到着した時には、予定外の雨が降っていた。「いやここのシステムは完璧だね。」涙子が驚くほど演算システムにより天気がコントロールされているのが学園都市である。(涙子はツンデレっぽいけど意外と恥ずかしがりやだと思わせるシーンでした。やっぱり庶民は憧れますよね、セレブな場所に。田園調布とか代官山とか。だけどそんな場所で事件が起こっている。これはジャッジメントの出番であり、タイミングが良すぎだと突っ込みいれたくなりました。)



 学舎の園に入るには、改札口があり2人は黒子に招待されたことを伝え中に入った。そこは同じ学園都市とは思えないほどきらびやかな世界で、魅了され驚くだけだった。「私達何やら注目されていませんか?」お嬢様たちの視線を浴びている状況に気付く飾利。「ああこの格好じゃないの?ここじゃあ外の学校の生徒は珍しいんだよ。」隔離された地域に異世界の人間が、現れたのと同じだと感じた涙子。見て回り感心している場合ではなく、集合時間午後3時までもう時間が無いと気付き慌てた。すると水溜りに足を滑らせ、スカートを濡らしてしまった。その頃常盤台の校門前で待つ黒子は、アクシデントなど知る由もなく「お姉さまを待たせるなんてどういうことなのかしら?」いらいらを美琴にぶつけていた。そして2人の視線の先には、びしょびしょの姿の涙子と飾利が姿があった。シャワーを浴びた後、仕方なく黒子の制服を貸してもらい、1日常盤台の生徒となった。(あれこれ連続暴行犯に狙われる予兆なのでは?まあ事件が進むのは面白いですし、こういう手法で関わっていくのは良いと思いました飾利ちゃんは着たいみたいでしたが、それが地獄への道になるとは思っていないはず。普通はそうは思わないでしょう。だって憧れの制服なのだから。)



 合流した4人は、お目当てのケーキショップへ向かった。ケーキを楽しみにしていた飾利にとっては、どれも目移りして選ぶのに苦労していた。一方の涙子は最初から初志貫徹チーズケーキと決めていたので問題なし。「早くしないと日が暮れるわよ。」美琴に急かされようやく決定かと思われた矢先呼び出しの電話があり、黒子と共に風紀委員の仕事に向かった。折角の非番だったのに呼び出されぼやく2人。事務所に入ると先輩に頭を叩かれ注意された。「それで呼び出しの理由はなんですか?」改まって飾利が、呼び出された理由を尋ねた。「夕方から深夜にかけて常磐台の生徒ばかりが狙われる事件があってね、しかもこの学舎の園で。常磐台の生徒の能力は全員レベル3以上。それをいとも簡単に倒したということは、相当な能力者であると思うわ。ただどうやって倒したかは不明なのよ。」今常磐台の生徒ばかりが狙われているから、取り締まりのために呼び出した事が説明された。能力は高いがどうやって倒したかが不明という、検挙するには問題点があった。



 しかし風紀委員が動き出そうとしたその時、美琴と2人になったトイレに入った涙子を狙い犯人が、スタンガンで卒倒させられた。そしてその末路は酷いものであり、写真を見る事に覚悟を持って見なければならないと忠告が出るほどだった。「ジャッジメントに志願した以上、覚悟は出来ています。」「私もです!」黒子も飾利も覚悟を決めて写真を見る決意をしていた。そして写真を見て驚きを隠せなかった。一方心配して涙子の様子を見に来た美琴。こちらも黒子達と同じ光景を涙子の顔を見て知った。気絶した友人を放って置く訳にはいかず、美琴は風紀委員の事務所に連れて行き「犯人の目星は付いているの?」犯人の心当たりを黒子に尋ねた。「まだですの、厄介な能力者でして。被害者には見えておりませんの。」カメラには映っているが、やられた被害者には見えない。完全に姿を消しており誰だか判らない。姿を消せる能力者は47人いるが、全員アリバイがあるので誰が犯人だか見当も付かない。光学機器を操る能力者ではなく、相手に気付かせないで犯行に及ぶ犯人。特徴を知った美琴は、能力調査を依頼した。(やっぱりこのアニメ本当に面白いです。何だか推理ゲームを見ているようで、どきどきします。犯人は視聴者には見当が付きましたが、どうやって美琴達が辿り着くのかが気になりながら観ました。)


 

 その結果判明した能力は「ダミーチェック」。対象物を見ていること自体を阻害する。つまり相手に自分の姿を見せないようにする能力である。「該当する能力者は1名。重福省帆さんです。でもこの人レベル2なので、自分を完全に消せるほどの能力はないはずです。」犯人の見当は付いたが、飾利はレベル2だから完全には姿を消せないと説明した。ただ結局省帆=犯人という決定的な証拠にはならなかった。そんな時気を失っていた涙子が目を覚ました。その顔を見て3人は大爆笑。本人ももの凄い太い眉毛を鏡を見て、大声を出しショックを隠せなかった。「ふふふこれぐらい前髪で隠せればよかったのに。」嫌味を交えて冗談を言う黒子。しかしこれが涙子の記憶を蘇らせた。気絶する寸前鏡に映った美帆の姿を目撃していたのだ。「鏡に監視カメラか。認識出来なくするのは、直接肉眼で見ている相手に限られるんだ。」ダミーチェックの能力の秘密を掴んだ美琴。それがきっかけとなり怒りに燃える涙子は、パソコンを扱う能力に長ける飾利に各店舗や街の監視カメラ2458台全てとアクセスして、省帆の現在位置を追った。(超能力はレベル1だけどパソコンの能力は凄いですね。だからジャッジメントに所属している。どんどんと犯人に近づく緊迫感が、とてもよく表現していて面白いです。ここからどうやって接触するかが注目。)



 ただ範囲が余りに広いので、絞り込みには適さない。「初春E~H・JとKは無視して良いですわ。この辺りは常磐台から最も遠い場所。ウチの生徒は殆ど行きませんわ。」黒子の推理で、常磐台の生徒が立ち寄る場所を中心に調べる事になった。「じゃあ人通りの多い所もなしね。だって犯人の服装、学舎の園だとかなり目立つと思わない?人目の付く所では、能力を使って隠れている。だけど人目のつかないところでは、能力が続かないから休んでいる。」目立つから人目に付かないよう能力を使い、それ以外の時は隠れている。美琴の推理によって更に現在位置が絞り込まれた。案の定常磐台の生徒が、1人になった所をスタンガンを持った省帆はターゲットとして狙いを定めていた。しかし眉毛を変えられた涙子が発見。黒子と二手に分かれて省帆を追い詰め始めた。「何で?」隠れているのに先回りされ不思議に思う省帆。それもそのはず、飾利が監視カメラを見ながら適確に指示を出していたからだ。こうなると完全に追い詰められ、公園に逃げ込んだ時には美琴も含め3人に囲まれた。「どうしてダミーチェックが効かないの?これだから常磐台の連中は・・・・・」自分の能力が通用しない。破れかぶれになった省帆は、美琴をスタンガンで攻撃した。残念、あたしこういうの効かないのよ。」超電磁砲を武器とするレベル5には電磁武器は通用しない。省帆は簡単に倒され気絶させられ、風紀委員により確保された。



 眉毛を悪戯され復讐に燃える涙子。前髪を上げマジックで同じように描こうとしたが、そこには人とは異なる眉毛を持つ省帆の素顔が現れた。「笑えばいいわ!あいつみたいに。」そして復讐に燃えた訳も眉毛だった。省帆にはボーイフレンドがいたが、ずっと仲良しで永遠に続くと思われた。しかしボーイフレンドには常磐台のガールフレンドが出来た。「だってお前の眉毛変だ!」平安時代みたいな眉毛は嫌だ。ボーイフレンドに三行半を突きつけられ、裏切った男と奪った女そして眉毛が憎くなった。その結果常磐台の生徒の眉毛を変にして、自分と同じ境遇にさせるという行動が始まった。「変じゃないよチャームポイントだと思うよ。」笑えと言われても変じゃない。涙子は、チャームポイントだから良いと思うと答えた。「彼女レベル2って言ってたわよね。でも完璧に姿を消していた。まさかバンクのデータが間違っているとか?」データが異なっているのではないか。美琴は一抹の不安を覚えたが、黒子はそれは無いと思った。事件は解決したが、残ったのは涙子の怒りとちょっとした違和感だった。(これは意図的に改ざんされていますね。裏で何か陰謀がありそうな気がします。そうでなければ話が面白くならない。今回のお話はとても面白かったですけど、更に面白くなりそうな気がします。)