忍野から依頼され神社へお札を貼りに向かった暦と駿河。その途中妹の月火の同級生千石撫子とすれ違った。神社の境内には、五等分に切断された大量の蛇の死骸があった。違和感を感じた暦は、撫子が怪異に関わっているのではないかと不安になり忍野の元を訪れた。「それは蛇切縄(じゃぎりなわ)で間違いないだろう。人の悪意によって使わされた怪異さ。まあ悪意とは限らないけど、蛇切縄を使わすということとなれば悪意にしか思えない。」撫子は蛇切縄と呼ばれる怪異に呪いを掛けられていた。しかも人間の悪意がもたらした怪異だった。「僕もそれは千石から聞いた。掛けた相手は中学生の友達だって。まあおまじないみたいなものだけど。ただどうも色恋沙汰が関わっているらしい。」呪いを掛けたのは、撫子のクラスメートだと答えた暦。ただいくら恋のトラブルとはいえ、忍野は素人には扱える怪異ではないと考えた。



 どうあれすでに呪いが掛けられている。それを取り除こうと本で調べて蛇切縄を斬り払う選択肢を選んだ撫子。「これは呪いを解く方法としては間違ってはいない。だが手順が間違っていた。生半可な知識では呪いは解けない。掛けるよりも解く方が難しいんだ。それに運も悪かったみたいだね。」斬るのは間違ってはいなかった。ただ手順が間違っており、しかも撫子にとっては運が悪い方向に状況がなったと忍野は指摘した。暦は話を聞いた後自宅に戻り、スクール水着姿の撫子と駿河に事情を説明した。「これで千石に掛けられた呪いを解く事が出来る。その鱗の跡も消せるんだ。ただ儀式をあの神社で行わなければならない。千石今晩大丈夫か?」暦は儀式を神社で行えば大丈夫だと伝えた。撫子も母親に了承を取ると約束。これで儀式に必要な道具を揃えるだけのはずだった。「ああ荷物が多くなるから、神原も一緒に来て欲しい!」荷物が多くなるからだと駿河を外に呼び出した暦。実はどうしても急がなければならない理由があった。(スク水の美少女と男の子みたいな美少女がいる部屋に戻るなんて、ラブプラスよりもありえないでしょう。しかも撫子は男子を傷つけたせいで、その男子を好きな女の子から逆恨みされて、蛇切縄なんてありえないことが連発過ぎます。)



 「千石が危ない!今夜にでも手を打たなければ命に関わる!蛇切縄は、見えない大蛇の姿をして今も身体を締め付けている。忍野の言うには、鱗が顔まで来たらそれまでらしい。多分痛いはずだが、我慢している!本来はこんな事にはならないはずだった。呪いを解く手順が間違っていたらしいんだ。しかも運が悪かった!あの神社で蛇を殺した。あそこでなければ、蛇切縄は発動しなかった。」撫子には内緒で忍野が言い残したメッセージを伝えた暦。話を聞いた駿河は、自分から傷を深くしていると状況の悪さを認識した。「阿良々木先輩、そんな危ない場所で儀式をしたらまずいんじゃないか?」呪いを解く儀式が、逆に危機に晒すのではないか。駿河の不安が増大した。「いやちゃんとした手順を踏めば、蛇切縄を際立たせるから都合がいいんだ。」暦は神社が最も適した場所だと説明して、撫子を外に連れ出し3人で神社に向かった。(ちょっとした恨みから素人の浅知恵で傷を広げてしまった。しかも場所が最悪だった!まさに悪条件が重なって生まれた状況。まあアニメ的にはこうならないと面白くないのですが。ただ締め付けられている撫子が、痛みに我慢する姿が健気で好感が持てます。駿河の精神的なつらさをスルーした励まし方は微妙でしたがね。)



 神社に到着した3人は、階段を登りながら夜道を歩き続けた。「なあなんで男の子からの告白断ったんだ?」告白を断った理由を尋ねた暦。「それは他に好きな人がいるからだよ。ねえ暦お兄ちゃんどれぐらい昔のこと覚えている。撫子は覚えていたよ。だって余り人と遊ぶ事なかったから。それにあの頃一緒に遊んでいたのは、ラキ子ちゃん(月火)ぐらいだったし。一緒に遊んだ事は大切な思い出なんだ。それに撫子、一人っ子だからお兄ちゃんって羨ましかった。」好きな人は忘れられない思い出のある人。撫子はずっと暦の事を想い続けていた。兄という存在を知らず憧れの対象というのが理由の一旦だったが。こんなやり取りをして境内に到着した3人。早速呪いを解く準備を始める暦。「おい鱗が見え易い服と頼んだが、何でスクール水着なんだ。」駿河の選んだ服がスクール水着だと判り、理由が判らず呆れ返った。そして暦はちょっと納得いかないまま緑色のシートを敷いて、撫子を中心に座らせ祈りのポーズをとらせた。「撫子のことちゃんと見ていてね。」自分を見て欲しい。願望を伝えて撫子は祈り始めた。(怒っていたけど、スク水はまんざらでもない。暦は駿河に突っ込まれて、ベタなりアクションでした。ダチョウ倶楽部と同じぐらい判りやすかった。)



 小学生の頃優しくしてくれた暦を兄だと思いたかった回想をしながら、忍野から譲り受けた道具を用いて鱗が徐々に消えて行った。「これで忍野さんに借りが出来たな。代償が凄く高そうだ。」また借りを作ってしまったと危惧する駿河。しかし暦がお札を貼ったおかげで、怪異が現れるのを未然に防ぐ事が出来た。ただ時間が非常に掛かる状況に「阿良々木先輩が引き剥がす事は出来ないのか?」駿河は苦しむ撫子を救って欲しいと頼んだ。「忍野が言うには、無理矢理引き剥がしたら僕に襲ってくるらしい。例え回避出来たとしても今度は呪った相手が襲われることになる。」優しい性格の暦が、他人を巻き込む道は選ばない。「僕はいずれこの街を出て行く。人を呪わば穴二つ。この言葉は覚えて、この言葉の意味を覚えておいて。本当は積極的に怪異に関わらない方がいいんだよ。君はやらなくてもいいような事までやろうとする傾向にある。」ただ忍野から言われた忠告を思い出していた。(地獄少女でもありましたよね。わら人形の糸を引いた人間は、死んでから地獄行きの代償を支払うと。呪いというのはリスクを伴う。だから忍野は暦に関わらないで、翼みたいに忘れて、忍ちゃんに人間にして欲しいと願っても良いとアドバイスしました。ただそれが出来るかどうかは、性格の問題ですけどね。)



 そんな時駿河が声を掛けた。今まで苦痛に耐えていた撫子が、悲鳴を上げて苦しんでいる様子を異変だと察知したからだ。「そうか勘違いしていた。蛇切縄は見えていれば、こんなことする必要は無かった。蛇切縄は2匹いたんだ!離れていろ神原!」暦は気がついた!蛇切縄が2匹呪っていた事実を。1匹は女の子が呪い、もう1匹は振られた男の子の呪いだった。ただ忍野から渡された道具はすでに使い切っていた。「見えなくても触れるんだ。」目に見えなくても存在を掴んで排除する。身体から引き離し、自分が襲われ出血しながら暦はチャンスを窺った。「見えなくても移動した痕跡ははっきり残る。草の動きを見れば、奴の動きは推測できる。」蛇切縄の動きと草の動きを推測して捕まえる事が可能だという結論に至った。しかし噛まれた出血が酷く倒れてしまった瞬間、駿河が割って入り「蛇は臆病だからやり過ごせばいい。」と傷付きながらもアドバイスした。「それじゃあの男の子の所に行くぞ。」暦は自分よりも呪った男の子に危機が迫ると思った。「助けるべき相手を間違えないでくれ。」救わなければならないのは、呪われ苦しむ撫子のはずだ!暦の偽善な態度に駿河は、大切な事は何か改めて訴えた。「つらい役目をさせてしまってごめん。」自分がやらなければならないことをやらせてしまった。暦は心から謝罪したが、皆を救おうとすることで優先順位を誤った結果を招こうとした。「ありがとうお兄ちゃん!」満面の笑みで救ってくれた事に感謝した撫子。「ありがとうなんて言わないでくれ。僕にはそんな事を言われる資格はないんだ。あろうことかお前の呪った相手を救おうとしたのだから。」素直に感謝を受け入れる事は出来ない。自分の判断で取り返しの付かない事になるかもしれない。暦は笑顔を見るのがつらかった。(何をしなければならないのか?それはどんな世界でも大切です。情に流されるよりも任された事を行う。他人に必要以上に優しくしない。ドライな関係ですけど、社会では必要なんですよね。そんな考えを持ったクライマックスでした。駿河の助けるべき相手を間違えるなという言葉が心に響きました。)