駿河と契約を結んでいたレイニーデビルは、契約不履行という理由により離れた。これにより呪縛から解放され、ひたぎへの強烈な恋愛感情も胸の中に収める結果となった。しかし忍野から町外れの神社にお札を貼るよう依頼された暦は、何故か腕を組む女の子がいた。ただひたぎではなく、自分をジェラシーの対象として見ていた駿河だった。階段を登る途中、暦は階段か駆け下りる女の子とすれ違った。「どこかで見た事がある。」最初はデジャブを感じたが、女の子の正体が妹月火の同級生千石撫子(せんごくなでこ)であるとは気付かなかった。既に最後に会ってから6年の月日が経過していたから、姿が認識できなかったのだった。(最初いきなり後悔のナレーションからスタートしました。もっと早く気付いていれば、事は違ったかもしれない。いきなりひきつけるには十分だったと思います。しかし私が一番気になったのは、ひたぎは2人が一緒に出かけている事を知っているのかということです。もし隠密行動だとしたら後がやばいと思いました。)



 「いや今の女の子やたら可愛かった。」相変わらずの百合目線で判断する駿河。ジーンズが切れたりしていることなんてお構いなし。「この山は蛇が多く出る!気をつけろよ。」一応蛇に注意するよう促した暦。何故山に来たのか尋ねられ「仕事だよ!この山の上に今使われていない小さな神社にお札を貼って来てくれって。僕はあいつに世話になった時、シャレにならないぐらいの借金をしているんだ。あいつはああ見えても専門家なんだ。ただで力を貸してくれないさ。」吸血鬼から人間になった時の代金が重い荷となり、暇な忍野の代わりに仕事を任された事情を説明した。「ところで阿良々木先輩、今日の事について戦場ヶ原先輩は何か言っていたのか?」事情を飲み込んだ駿河が、次に質問したのはひたぎの言動ついて。「お前に何か言っていた事はあるのか?」暦には言われていたことがなく、逆にひたぎから言われた事を尋ねた。「目一杯可愛がって来てもらいなさいって言われた。それとこうも言われた。阿良々木君からそそうを受けたら、私に報告なさい。あの男に山に埋めるか、海に沈められるか嫌な方を選ばせてあげる。」もし手を出したら恐怖の罰が待っている。暦にとっては針のむしろにいるような思いだった。(やっぱり知らないなんてないですね。あのひたぎが何も知らないなんてありえない。ハルヒもそうなんですけど、独占欲が強いと言うのかツンデレの女の子は、愛情が強すぎるのかなって感じました。)



 恋人が他の女の子に手を出したら容赦しない。憂鬱な表情を見せても暦は、7月7日ひたぎの誕生日にパーティをしようと考えていた。「いや阿良々木先輩と2人っきりで過ごしたいんじゃないだろうか。」女の子の気持ちは、女の子の方が理解している。駿河の言葉は一途なひたぎの気持ちを合致していた。「あいつがそんな殊勝か?」暦は信じていなかったが。こんな話をしながら暗いトンネルを抜け頂上へと向かう2人。左腕も20歳までに治ると忍野が告げた事を報告した駿河は、またバスケットが出来ると思い嬉しそうだった。こうして傍目から見たら恋人同士の2人は、階段を上り頂上にある神社に到着した。「ちょっと疲れた。こういうときは、お腹一杯食べた方が元気になるんだ。」到着するとすぐに駿河は、疲労で身体がふらついた。当然心配する暦だが、先にお札を貼ってきて欲しいと頼んだ。