ユンユンやハッコーの共通点は、ウーアウイルスにより壊滅したカシミール地方に存在した消えた村の出身であること。ウイルスの感染者は致死率100%のはずが、生きている人間には血管が奇妙な紋章が浮き出るような体組織に変異を齎し、常人では考えられない能力を有する多くの人間が現れた。「証拠さえ掴めば、スクープ間違い無しだな。」今までの調査で自分なりの考えをまとめた実。早速編集長遠山に送ったが、荒唐無稽な内容と相手にされなかった。そんなパソコンだけの部屋にマリアが入って来た。「おはようございます。今日は消えた村について調査するんですよね?あっでもこんな物が入ってましたよ。」消えて村について調べる予定だったが、マリアが渡した手紙の内容で状況が一変した。



 「凄いじゃないですかみのさん。対テロ国際会議の取材プレスですよ。」手紙は2人の対テロ国際会議のプレスパスだった。「どうして俺達の居場所を?だけどこれって俺が認められたわけだな。これで1龍ジャーナリストの仲間入りだな。だがな俺は自分の記者としての誇りを選ぶ。」最初は何故居場所が知っているのか訝しがった実。ジャーナリストとして認められたと喜んだ。ただ今追い掛けている「消えた村」について調べることが先決だと信念を曲げず、マリアに対テロ国際会議の取材を任せて出発した。(普通ならおかしいと思いながらも2人で、対テロ国際会議の罠にはまるのがオチなのですけど、実は自分の信念を曲げずに消えた村の謎を追いに出かけました。まあ蛇の罠というのはベタベタですが、1人出かけたマリアの運命はどうなるのか?)



 対テロ国際会議が開催される上海国際会議場は、多くの警備員が配備され厳重な警備が敷かれ、余興のアイドルのコンサートのリハーサルも行われていた。しかしこの会議の警備を担当するのが、蛇のダミー企業ダイダラ社が担当。日本の事務次官にウーアウイルスも投与され、アルファルドの思惑が着々と準備が整っていた。「死んじゃうんだよ!大沢マリアは死んじゃうんだよ。」遠隔操作可能な司令室で歌いながら、テロを行いマリアを殺すと宣言するチャン・リー。会議に出席するアルファルドの思いを知りたいと考えていた。一方カナンも対テロ国際会議の情報を探っていた。夏目からアルファルドが来ていると教えられたからだ。「マリアを助けたいわけじゃない。何か違うんだ。」マリアを救うためにいくわけじゃない。カナンの中にちょっとした違和感が現れ始めた。(何でもかんでもマリアって訳じゃない。カナンの中での変化が気になります。やっぱりアルファルドの存在が関係あると思います。チャン・リーも子供の頃からずっとアルファルドの事を想っていたけど、全てがシャムとの過去が物語の全てだなって再認識しました。)



 会議にはアメリカ合衆国の大統領を筆頭に先進国の首脳が参加。マリアは女子トイレから出て外観の写真を撮影しようとしたが、SPに戻れと言われトイレに閉じ込められた。警備区域のはずなのに誰も居ないことを疑問視する大統領。それもそのはずダイダラ社の人間は、警備ではなくテロ行為に参加しているのだから。その頃実は、消えた村の住人だったハッコーとカラオケバーの外の公園で接触した。「これから質問する事に答えてくれ。いや首を振るか頷いてくれ。」喋れないハッコーに配慮しながら質問を始めた。「君は消えた村の出身者だね?消えた村の出身者は、皆組織に管理されていると聞いた。何故ここにいるんだ?」最初の質問にハッコーは、直ぐに頷いた。一方何故管理されているのに自由にしているのか。という核心の質問に対し完全に黙り込んだ。「知りたいなら・・・・・・・」喋れないはずのハッコーが口を開いた。ただ感染者の特徴である人間が持ち得ない力。耳を貫き影響を与える力により動けなくなった実。結局そのまま立ち去った。