私達涼宮ハルヒの憂鬱を観ている者にとって、まさにエンドレスな迷宮に迷い込んだ展開になっています。エンドレスエイト2から4までの3回に渡り、角度や画は多少異なりますが内容は殆ど同じ構成になってます。怒っている人、視聴を止めた人、最後まで付き合おうという人、京アニだから何かあるはずと期待感を持つ人。様々な考えがあると思いますが、私は長門有希が感じている退屈感とうんざり感を視聴者にも感じて欲しいという意図があると思っています。



 キョンに気付いて欲しいけど、デジャブを感じるだけで具体的な行動は無い。それじゃあ15000回以上などというとてつもない回数同じ事をほぼ繰り返した有希は、キョンに失望や諦めの気持ちを持ったかもしれません。ただ確実に一歩一歩キョンもエンドレスな世界に対し、違和感が徐々に強くなっている。私達も見捨てずにどうやってこれを乗り越えたのか?見届けなければならないと思っています。だからこそ今週は、ちょっとでもいいから物語が動いて欲しい。永遠の停滞はアニメではありえないし、怠慢だと言われても仕方ないのだから。



 8月17日同じように縁もゆかりもない県同士の高校野球の試合を観戦していたキョン。「何かおかしい!なんとなーく負けている方を応援していると、これまたなんとなーくハルヒが騒ぎ出すような気がした。」分かっている芝居の内容をトレースするかのように、15000回以上同じ電話を受けた。「あんた暇でしょ?2時に公園に来なさい。あっ良い忘れたわ。十分なお金と自転車で来る事オーバー。」一方的に言いたいことだけ言われる事は、過去に同様体験をしたデジャブを感じさせ、キョンは言われるがまま公園に向かった。「遅いわよキョン!もっとちゃんとしなさい。それじゃあ全員揃ったし出発しましょう。」余裕で間に合ったのに全員着ているのも同じ。ハルヒに文句を言われ、一樹とキョン2台の自転車に女子3人を乗せ市民プールに向かった。(森光子さんの放浪記だって1000回同じ事を公演して国民栄誉賞でした。SOS団も15000回以上同じ夏休みを送っているのだから、国民栄誉賞でもいいのでは?それにしても同様のシーンを違うように見せる京アニは、逆に凄いです。)



 夏は夏らしく!高1の夏休みは一生に1回だけ。力説するハルヒは、キョンを罵倒しながらもプールに到着して雰囲気と匂いを感じ「市民プールって感じよね。」嬉しそうに飛び込んだ。「楽しそうですね涼宮さん。ああゆう常識的な楽しみ方をしているなら、この世を揺るがすことなんてしないでしょう。」無邪気に遊ぶ姿は、年頃の女の子そのもの。ちょっと気になる事があっても一樹は現状のハルヒに安心感を持っていた。その後SOS団皆で泳ぎ・遊び・食べプールを満喫していたが、その中で全てを知る有希は物憂げな様子でプールサイドに座っていた。「このような光景を前に見たような気がする。長門が退屈そうにしているのが。それでハルヒがこんな事を言ったんだ。」何度も経験した記憶の断片が、蘇りデジャブを感じたキョン。ここでも次の展開を知っているドラマのように、小学生の女の子に「団員」だと紹介されると一緒に遊んだ。「まあよくあることさデジャブなんて。」違和感を感じるが、単なるデジャブだとキョンは言い聞かせた。(細かい違いを重ねて同じ光景を異なる光景にしている京アニには脱帽です。正直飽きて投げ出した人もいると思いましたが、ここまで違いを明確して放送するならとことん付き合いたいと思ってます。)