JUDAを裏切り久嵩と行動を共にする森次玲二。彼は幼き日に両親を失い、姉百合子だけが唯一の肉親で、共に生活していた。学生時代玲二は、自分の正義を体現すべく不良達と喧嘩に明け暮れていた。殴られても刺されても何も痛みを感じない特性が、天から与えられた才能だと思い込み、徹底的に不良達をねじ伏せた。しかし玲二が考える正義は、世間からは認められなかった。同じ不良同士の喧嘩としてみなされたからだ。



 「全く玲二ったらお姉ちゃんが何度早退して警察に迎えに来れば気が済むの。私は、玲二が好きで暴力を振るっているようにしか見えないわ。」変わらない玲二の所業にあきれ返る百合子。ただ暴力を振るって強がっているだけだと考えていた。「腐った奴らが居るんだ。俺は正しい事をやっているんだ。」姉からも世間と同じ目で見られ、憤りを隠せない玲二。結局理解されないまま百合子は、不良達の報復で殺されてしまった。「玲二は何も悪くないのに。悪いのは玲二の正義を認めない世界の方だ。だから百合子さんは殺されたんだ。」たった1人だけ玲二の正義を信じるのが、無二の親友桐山英治だった。行動を認め擁護してくれた。しかしそんな英治の気持ちとは裏腹に、自分の1人よがりの正義が百合子を殺してしまった事に玲二は気付いていた。「誰も正義の味方を演じる事を望んではいない。だからもう終わりにしよう俺自身の存在を。」森の中足を滑らせ鉄槌に突き刺さり、自分の正義が体現出来ないことに絶望した。「まだ終わってないだろう。お前の正義は!森次玲二。」そこに現れたのは加藤久嵩。玲二は自分の正義を成し遂げる為、久嵩と志を共にする第一歩だった。