すみれとの大乱闘を引き起こした責任を取り、2週間の停学処分を言い渡された大河。その間

「罪悪感」という亜美の意味深な言葉が、実乃梨の行動に影を落としていた。ソフトボールの試合では、後1アウトで勝利の場面で、ピッチャーゴロを投げ損ない逆転負け。竜児とも距離を置き始め歯車が狂っていた。そうとは知らず停学明けの大河は、クリスマスが近づきサンタクロースのプレゼントを期待してウキウキ気分。いつもでは考えられないほど殊勝な態度で妙に優しく、竜児と実乃梨の関係に進展が無いと知り、2人の仲を取り持つとエンジェルになると言いだした。



 久し振りに登校した大河を待ち受けていたのは、乱闘を見てファンになった男子生徒とスキンヘッドのかつらを付け、映画の台詞を言う変な実乃梨だった。更にすみれに振られた祐作が、学校の恋に悩む生徒達の相談を受ける失恋大魔神として、校内ラジオを担当。独身三十路教師ゆりが、男に騙されたエピソードを聞き相談に乗るなど活躍していた。そして12月24日クリスマス

イブに生徒会主催のパーティの開催を発表した。これは恋人が居ない人や仲良くなりたい友人を作れる絶好のチャンス。すぐさま竜児に実乃梨を誘って参加するよう促した大河。無理矢理準備委員に引き込み、いつもと同じ態度で実乃梨も委員に誘った。



 しかし自分から話を切り出すような実乃梨が、試合に負けた責任を痛感し準備委員になる事を

辞退。パーティーにも参加しないと表明した。放課後定期試験が近づき、実乃梨がバイトをしているファミリーレストランで、クラスメイトと勉強会をする事になった竜児と大河。勿論実乃梨がバイトしている時間を狙い、避けられていると思われた竜児とくっつけるのが狙いだったが、あえて外したかのように出勤していなかった。勉強会には、祐作・久光・浩次・麻耶が参加した。その時竜児には、大河に対する微妙な心境の変化が現れていた。更に祐作に恋する麻耶から、大河との恋愛が上手く行くように応援すると言われた。クリスマスイブが近づくに連れて、それぞれの関係に変化が生じ定期試験にからパーティへと時が進んでいく。



 試験勉強と並行してクリスマスパーティの準備が始まっていた。竜児と大河も準備委員として

手伝っていたが、荷物を運ぶ途中ゆりとぶつかりダンボールの紙吹雪とプリントが散乱した。「マジですいません。犯人は小さいこのアホです。大河はクリスマスは、サンタが見てるから良い娘にしようと張り切ってるんです。」全然キレず妙に殊勝な態度の大河。それに疑問を持ったゆりに事情説明した竜児。「準備はいいけどテスト勉強は大丈夫?逢坂さんも良い成績だし、高須君も結構良い成績で来てる。でも春田君とか春田君とか春田君とか。」ゆりの心配は、定期試験の成績特に浩次の成績が気が気でならない。それでもクリスマスパーティは、楽しんで欲しいと生徒達を見守っていた。(竜児に誘われましたけど、いくら独身三十路女でもプライドがある。参加は出来ないでしょう。参加したとしてもパーティを楽しむだけで、男漁りなんてやっちゃったら犯罪じゃないですか?(笑))



 紙吹雪を集め終わり体育館に向かう途中、ソフト部の練習に向かう実乃梨と出会った竜児と

大河。「いやすれ違いだね最近は。それじゃあ!」竜児とまともに話す時間がなく、自分でもすれ違っていると感じていた実乃梨。他の部員に呼ばれ急いでグラウンドに向かった。「イブのパーティーきっと楽しくなるから、櫛枝も来いよな!」行かないと言ったパーティーに誘う竜児。だがリアクションなくそのまま練習に向かった。「やっぱり最近おかしいよねみのりん?だから頑張って楽しいパーティーにしなきゃ。」どこかよそよそしくあえて避けているような態度に違和感を感じながらも、大河は改めて振り向いてもらえるようなパーティーにしようと思った。体育館には既に準備委員ではない亜美も含め、用具室に関係者全員集まっていた。祐作は、倉庫の整理を条件に

教師から使用許可を得ている事を説明した。(うーんみのりんやっぱりよそよそしいし、あえて竜児を避けています。やっぱり亜美ちゃんに言われた言葉が、影響している事は間違いない。それが何なのか?それがクリスマスパーティーまでの話の軸になっていると思います。大河もちょっと本性が出ましたけど、妙に良い子ぶっているしいつもの様子じゃないのは違和感あります。)



 「よしじゃあそれは俺がやっておくから、北村はタイガーとあっちで星作って来て。」祐作の代わりに自分が、倉庫の整理をやると言い出した久光。大河の祐作への気持ちを知っているから、2人っきりの時間を作ってあげようとした。「じゃあやるか逢坂!」久光の好意に従い、大河を誘い

星を作りに行った祐作。大河との2ショットを見て、気が気でない麻耶。しかし奈々子に別の所に連れて行かれて、未練ありありの顔で倉庫から出て行った。結局倉庫には、竜児と亜美の2人だけが残った。「煽るなよな!大河が北村を好きですって話をだ!」クラスメイトが、大河の想いを知り失恋した祐作とくっつけようと煽る様子に、嫌悪感を示す竜児。今まで大河の事を見守って来た自分より関係ないクラスメイトが、恋愛関係を構築しようとする事が嫌だった。「娘を嫁に出す父の気分?転ばないよう傷付かないよう、自分が大切にして来た女が、ころっと他の男にかっさらわれていくの。自分と同じように大切にするかどうか分からない男に。」ずっと近くに居て見て来た大河が、祐作と仲良くなり始めた。それは手塩に掛けて育て嫁に出す父親と同じ心境だと示唆した亜美。ずっと想っている実乃梨がいて、大河は自分の子供のような感覚で見ているまま

ごと関係だと、竜児の態度を表現した。(恋愛感情じゃない、まるで親父のみたいな竜児か。確かに亜美ちゃんの言うとおり、親父みたいに見守っているという表現ピッタリだと思います。自分が心配し世話した女の子がいなくなるのは、ままごとという役割が決まっている遊びみたいいう表現がマッチしてます。)



 「何でパパ役なんてやってるの?高須君とタイガーの関係すごく不自然。幼稚なおままごともう止めた方がいいよ。きっと最初から間違ってたんだよ。大怪我する前に目を覚まして、全部チャラにして、もう1度一から始めればいいじゃん。それであたしの事も一から入れてよ。」父親と娘のような大河との関係を清算して、最初から関係を構築して今度は自分の存在も想って欲しいとアプローチした亜美。「えっ何?」その意味が分からなかった竜児。「もういいや忘れて。結局人間って自分の事分かってないんだよね。」竜児の態度に前言を取り消し、意味深な事を言い残し亜美は倉庫から出て行った。(亜美は途中から加わったから、竜児の目には入っていない。大怪我というのは、竜児がつらい思いをする事の比喩だと思うので、その前にもう一度関係を構築し直して欲しいってアプローチしたのに。自分の事が判っていないというのは、当たっていると思います。他人に指摘されて気づく事もあります。竜児の行動は、客観的に見たら私も亜美ちゃんのいう通り変だなって思います。)



 楽しみの前の試練定期試験も英語のテストを残すのみ。頭を抱える浩次も最後まで必死に答案用紙に向かい終了のチャイムが鳴った。「やった終わった!」終了して小躍りする浩次だがまだ登校日は2日残っていた。しかしテストが終わると午後の授業がなくすぐ放課後になった。「ねえみのりん、竜児と3人でランチしていかない?」一緒にランチを食べようと誘った大河。「ごめん

俺っちこれから部活なんだ。ごめんねせっかく誘ってもらったのに。いやコーチがすっかりダークサイドに落ちちゃってさ。」部活の練習参加を理由に誘いを断った実乃梨。「何か最近ゆっくり話

したりする時間がなくて大河とお前が!」大河との時間が取れないと気遣う竜児。しかし再び実乃梨は2人の前から消えた。実は大河はエンジェルとして、ランチのお店の前で消えて2人っきりの時間を作ってあげようと考えていたが全ては机上の空論で終わった。(やっぱりすれ違いというのは分かるけど、何か露骨だなあ。タイガーが竜児の為に引き立て役まで買って出たのに

肝心の主人公が来てくれないんじゃ。機会はあるって思っている竜児ですけど、今のままじゃあ

機会は無いと思いますよ。逆に寄って来たのが、大河と祐作の関係を怖したいと思っている麻耶ちゃんですから。)



 「高須君暇だよね?これから一緒にランチ行かない?相談したい事があるんだけど。」竜児に相談したい事があるからとランチに誘った麻耶。「俺さ用事あるんだ。こいつの用事が。」大河が

郵便局に行くという用事に付き合うからと断った竜児。必要ないと拒否しようとした口を塞ぎ、そのまま2人で下校し大河のマンションに入ると、机には多くの荷物が積まれていた。しかも宛て先は傷付けられた父陸郎と再婚相手の継母夕が住む実家だった。「お前またやり直そうとか思っているのか?」何故プレゼントを贈るのか理由を尋ねた竜児。「クリスマスだから!あんたのいいたい事はわかっている。だけど今はその話聞きたくない。」竜児の気持ちは分かる。しかし酷い仕打ちをした両親にも、クリスマスプレゼントをあげたい気持ちは大河の中に強くあった。実は

カトリック系の女子校に通学していた時、必須のボランティアで恵まれない子供達に遊びを教えたり手伝ったりしていた。竜児が変に思った「サンタクロース」からのプレゼントは、未だに交流がある子供達に贈る物だった。(大河がカトリック系の女子校にいたのはびっくり。しかもこんなに優しい心の持ち主だったとは。クリスマスは、恵まれない子供達にサンタとしてプレゼントを贈る

時期というのは意外でした。それ以上になぜ両親にあげるのか、竜児同様知った時には本当に

疑問に思いました。)



 荷物を送り終えた後、どうしてそこまでクリスマスにこだわるのか話し始めた。両親が居なくても神様の存在が信じられなくても、誰かが自分の事を見ていてくれる。それをプレゼントという形で具現化したい。きらびやかに街や人が輝く大好きなクリスマスの時期は、自分の思いを知らせるチャンスだと考えていた。確かに竜児の言う通り、独りよがりの自己満足かもしれない。しかし

自分も誰かが気に掛けてくれる。その存在がサンタクロースだと思っていた。子供の頃本当にサンタクロースからプレゼントを貰っていると信じているから。クリスマスは、笑顔溢れる時期。そんな時期の笑顔の中に入りたい。大河とサンタクロースの関係はとても純粋だった。(良い娘になりたいというのは、誰が自分を見てくれているから。子供達にプレゼントを贈るのは、自分がサンタクロースがしているように、見守っている人が居ると知らせたいから。凶暴だけど、本当はとても優しい女の子だなって再認識しました。)



 クリスマスパーティの準備は、着々と進みクリスマスツリーが到着した。ダンボールが何個も運ばれ「これ組み立てたら絶対すげえよ!」大興奮の久光と浩次。これは亜美が出席したイベントで披露されたクリスマスツリーで、融通を利かせて譲ってもらった代物。「バカチーの癖に凄い。

これは最高のツリー!」クリスマスに人一倍のこだわりを持つ大河も大満足だった。早速説明書を見ながら、生徒達が一致団結して組み立てを開始した。「何かドキドキするね。」完成に心躍らせる女子生徒も登場。ツリーの組み立てを手伝う大河は、他の生徒の背中に乗り、竜児から投げられたパーツを持ち前の運動神経を生かしギリギリでキャッチその様子に生徒達から感嘆の声があがった。「大河、お前は1人じゃない!これまでの17年間を見ていた誰かは、いなかったかもしれないけど。でも今は違う。新しい友達が居る、北村が居る、俺も泰子もインコちゃんも居る明日になればきっと櫛枝も皆がハッピーになって、皆が報われなくっちゃ!」クラスメイトや

泰子が大河を見守っている。クリスマスに皆が報われて幸せになって欲しい。竜児は、大河を見守りながら願っていた。(仲間の存在は本当に素晴らしいです。皆が優しい心で見守っている姿は素晴らしいです。ゆりちゃんはマンション買うつもりですけど、とても良い内面を持っているってl個人的に思ってます。だからきっと素敵な人が見つかるんじゃないですか?)



 組み立ては順調に進み、大河が持って来た輝くツリーの星を祐作がてっぺんに取り付けた。そして体育館の電気を消しツリーがライトアップされた。光り輝く星を中心にツリーは、美しいイルミネーションをかもし出し、生徒達は美しさに魅了された。しかし窓ガラスが割れ、ボールが直撃するとツリーは地面に倒れてしまった。しかもてっぺんの星は割れて粉々になってしまった。「ごめんなさい、怪我ないすか?」体育館に誤りに来たのは、実乃梨とソフト部員達。怪我はなかったものの、粉々になった星が大河の持ち物だと知ると「ごめん、本当にごめん!」身体を震わせ懸命に謝った。「みのりんに責任はないよ!絶対不運なアクシデントだよ!」親友を気遣い、気にしていない素振りをする大河。「私がボケていたせいだよ!あんなボール打ち上げて。お願い元通りにはならないかもしれないけど。駄目だよ高須君も行って!私に責任取らせてよ。」全て自分のせいで、自分の責任で元通りに直したいと言い張る実乃梨。手伝おうとする竜児を大河と一緒に行かせようとした。「時間がねえんだよ!お前はお前でちゃんとやれ!俺は俺で、手伝うんじゃなくて俺の為にやる。ほら見ろよ!壊れたって直るんだ。だから元気出せ!」互いに責任を持って直す。そうすればきちんと元通りになる。落ち込む実乃梨を励ます竜児。



 「元通りにはならないよ。私には分からない!」竜児の言葉に感謝するが、未だに元通りに戻るか半信半疑の実乃梨。「直る直るんだ何度でも!」不安を取り除くように、絶対に直ると強く言い切る竜児。そんな思いが通じて無事元通りに戻った。「みのりんありがとう!」尽力した実乃梨

に抱き付く大河。しかし竜児のパーティに参加して欲しい思いは伝わらなかった。「こんな迷惑掛けたのに行けないよ!待たないでいいよ。」責任を感じパーティ参加を拒否した。それでも竜児は大声で待っていると叫んだ。(クリスマスパーティを翌日に控え、竜児・大河・実乃梨それぞれの思いが動いています。果たしてどんな結末になるのか?ゆりちゃんは、何やってるのか?個人的には気になりますいいんですよ自分にご褒美あげても。ジンバブエドルじゃないんですから、超インフレになる事はないです。だからお金貯めておいてもよろしいんじゃないですか先日間違った内容を指摘して頂いた方がいらっしゃいました。大変ありがたい指摘で、ちゃんと書かないと駄目だなって再認識しました。)