インターハイ予選が開始された。室江高校は2連勝と強さを見せ付けた。東城高校戦に勝利

すれば次の県予選に進出出来る大一番。しかし試合直前珠姫は、館内放送で家族が来ている

という連絡があり、駐車場に行ってみると待っていたのは、東城高校の控え部員。大将の小西を慕う女子生徒3人だった。いきなり珠姫を強引に連れ出し、倉庫に押し込み試合終了まで監禁してしまった。もう開始まで時間が無い。果たして試合はどうなるのか?

 虎侍や紀梨乃が心配する中、必死に脱出を試みる珠姫は、ドアをこじ開けたり、体当たりをしたりと今出来る事をした。しかし全く開かずにもう一度無理に開ける準備をしようとすると、突然

ドアが開いた。光が差し目の前にいたのは、東城高校の大将小西だった。「ありがとうござい

ました。」礼を言う珠姫に対して、自分の責任を認め、慕ってくれる下級生が自分を想ってやっている行為であると告白し「やりすぎだわあの娘達には私からきつく言っておくから。」握りこぶしを震わせながら、下級生の行為に対して嫌悪感を露にした。(この嫌悪感は珠ちゃんを閉じ込めた事に対するものじゃないのですよとんでもない女だ

 そんなやり取りをしている内に、試合開始まで後5分しかない。珠姫と小西は急いで試合会場に戻る為必死に走る。「こっちの方が近いわ。」小西に言われた行くと、そこにはテニスボールが

散乱し、珠姫は足を取られて捻挫を負ってしまった。「危ないわねこんな所にボールを置く

なんて。試合が始まっちゃうよ、川添さん早く起きて。大丈夫なの?」激痛に顔が歪む珠姫に

手を差し出す小西の声色が変わり、目が開いた表情は普通では無く、小西の汚いやり口に

温厚な珠姫も怒った。そして玄関に戻ると、探しに来た勇次と段十郎に「間違いだったごめんね。」と嘘を言って決戦に臨んだ。(珠ちゃんいい娘。罠に嵌ったとか言ったらやばいから!)

 珠姫が無事時間に間に合い、ほっと一安心の虎侍達。いよいよ互いに礼を交わし団体戦の

火蓋が切って落とされた。まず先鋒戦室江は聡莉、東城は青木が登場した。最初は互いに

様子を見ながらの神経戦だと思われた。「お弁当忘れたから、皆におかずを恵んでくれて。

あたし馬鹿だから後の事も考えず、食べて・食べて・食べて・・・・」聡莉は皆からのお弁当を

食べ続けて、腹痛を起こしていた。(本当に馬鹿!サターンが見ているぞってダンくん、その応援おかしいでしょう。小西は下級生の行為を、余計なお世話だと一刀両断。監禁がばれたら

しゃれにならない。汚い手を使い勝つのが狙いだった。まさかテニスボールでこける珠ちゃんには流石の悪知恵小西もビックリでした。)

 本格的に腹痛の状態が悪くなり、聡莉の動きは虎侍が見ても悪いのは明らか。「足裁きも悪い。動きも縮こまっている。大した相手じゃじゃないや。」チャンスと見た青木は、見事な小手を

決めて一本先取した。(本当に本番が駄目なサトリン!)2本目開始し、集中力を失った聡莉の

心は試合どころではなかった。しかし急に腹痛が治まり、元気になると急に足捌きにいつもの

切れが戻り、本来の実力を発揮はずだったが、またも腹痛に襲われ動きが止まった。(ウサギさんとモグラさんは、サトリンの元気な姿を見ましたけど、波に浚われて行きました。)勝負所だと思った青木は、一気に自分の得意技を仕掛けた。(朧蜜蜂って名前の技。恥かしくて普通の人には言えません)その時再び腹痛から解放された聡莉は、青木が反応出来ない速さで抜き胴を決め、1-1のタイに持ち込んだ。ただ腹痛から完全に解放された訳ではなく、試合は両者

決め手を欠き先鋒戦は引き分けに終わった。

 次鋒戦は室江は気合十分(ブラックなだけ)の都と、東城は寺地との対戦。まだ剣道を始めて

間も無いが、段十郎の言葉を聞いていらだっていた気持ちが、リラックスし体が軽くなり「今は

勝ちにこだわらず、出来る限りの事をやってやる。」と自分の力を出し切ろうと考えた。(ダン君は本当にいい少年ですから、ブラックミヤミヤも心の拠り所になるのでしょう。)試合は互角以上の展開。東城の監督も「初心者だけど、振りは鋭いよ。」と認めるほどで、都が有利に試合の

主導権を握っていた。しかし観客席に天敵礼美の姿を見てしまった都は、集中力を失い動きが

止まり、面を取られてしまった。「気を取り直して集中集中!」段十郎の声援が飛ぶ中、もう一度

集中力を高める都だが、礼美は自前の旗を振っている姿を見て動きが止まり、簡単に面を

取られ負けてしまった。(本当に天敵だ。ありがた迷惑とはまさにこういう事なんです)

 ここまで1敗1分と不利な状況に追い込まれた室江高校。次の中堅戦室江は鞘子。一方

東城は佐藤が対戦した。紀梨乃に負担を掛けまいと、気迫十分の鞘子は試合間際に得意の

小手を決め、室江は初勝利をマークした。そんな中でも大将同士の心理戦が火花を散らし

「痛いでしょ、その足で試合が出来る?棄権なんてしないでよ。正々堂々私に打ちのめされて

よね。それが剣道家の意地ってもんでしょ。」小西は勝つ為に手段を選ばず、あくまで試合で

叩き潰そうと考えていた。(そんなのは剣道家ではない)一方父親から「優れた剣道家になる

には、心も優れていなければならん。疾しき心を持っている者は強くならんのだ。」と教えられた珠姫は、卑劣な小西を「剣道家じゃないです。私が必ず倒します!」と決意した。

 1勝1杯1分と対戦成績は全くの互角。副将戦室江は午前中の試合で集中力がいつも以上で

力を発揮している紀梨乃。東城は井口が登場した。仲間達の声援を受け、試合開始から攻める

紀梨乃は場外反則を誘い、試合を優勢に進めあっという間に小手を決めて一本先取!「いつもと集中力が違う。」虎侍は紀梨乃が母親に向けていた集中力が今試合に向けられていると

感じていた。(トランスキリノはよくわからんけど、とにかく絶好調です)こうなると井口は手も足も

出ず、紀梨乃の面を決められ決着が付いた。

 ついに大将戦室江は勿論珠姫、東城は因縁の小西が満を持して登場した。蹲踞(そんきょ)

の体勢を取った時勇次は、珠姫の足の怪我に気付き虎侍に報告した。試合開始いきなり体当たりからツバ競り合いに持ち込む小西は、足の踏ん張りが聞かずに苦しむ珠姫の顔を見ようと

した。しかし目は怒りの炎で燃え上がり、思わず間合いを取った。「こんなのやせ我慢よ!」

珠姫の気迫に飲まれまいと、冷静さを保とうとする小西だが、珠姫の気合の声は会場全体を

響びいた。完全に気迫に飲まれた小西。何時やられてもおかしくない状況に陥り、恐怖すら

感じていた。そしてついに珠姫怒りの突きが喉元に炸裂!女子の試合では見られない技に

会場全体がどよめく中、吹っ飛ばされた小西!(アトミックファイヤーブレードってブレードブレイバーの必殺技じゃないですか勇次君)余りの強さに室江のメンバーも驚く中、珠姫の足の腫れは悪化するばかり。それを見た虎侍は椅子から立ち上がった。

 珠姫余りの気迫に驚きました。しかし虎侍は怪我の情報を知り、珠姫の今後を考え決断

するのか?次回は東城高校との対戦が決着します。果たして県予選に進出はどうなる。