町戸高校との強化合宿が終わり夏の到来を感じさせる頃、インターハイ県北予選が近づいて来た。そんな重要な時部長紀梨乃の母親が倒れてしまった。その後2日間紀梨乃は学校に

姿を見せていない。素振りをする1年生達。ただ1人「2日目なんだよね、どうしたんだろう?」

心配する鞘子。紀梨乃は熱がある時でさえも、明るく振舞い自分がつらい事を知られない様にしているぐらいだ。一応鞘子はメールを前日に5回、当日に6回送信した。しかし全く返事が無く今

どうしているのかも判らない。(そんなにメール来るとうざいなあ

 「凄く嫌な予感がする。」溜め息を付いていた鞘子は、突然立ち上がり直感で紀梨乃の身に

何か起きたのではないかと思った。「そんな大げさな?」余り気にしていない虎侍。しかし鞘子は直接紀梨乃の家に、道着を着たままで自転車で急行した。(ユージ君1人なんだか1人常識人がいます。室江高校剣道部の良心だ)熱があっても馬鹿みたいに元気に振舞う紀梨乃が

2日も音沙汰が無い「これは何か絶対にある。」親友として必死に自転車を走らせる鞘子は猫を

上手く避けながら千葉家に到着した。

 しかしそこで見たのは、元気に惣菜ちばの店員として働く紀梨乃の姿だった。(あんこ入りコロッケとジャムカツサンドなんて食べたくない)「あれどうしたのサヤ?」いつものようにノーテンキ

声を掛ける紀梨乃。その様子に呆気に取られ、口をあんぐりと開けたままの鞘子は「メンチカツ

6つ。」と思わずメンチカツを買ってしまった。剣道場に補習で遅れた聡莉が、顔を出した頃には

皆でメンチカツを食べていた。「あれどうして部活中にメンチカツなんか?」当然疑問に思った

聡莉の言葉を聞いた鞘子は、心配が杞憂に終わった事とただのパシリをした事を聡莉にぶつけていた。(あんなに心配したのに元気で店に出ていた訳だからそりゃ馬鹿だなと思いますよ

 珠姫達が紀梨乃が学校を休んでまで、店に出ていた理由を知らないまま夜になり、紀梨乃は

母親が入院している病院に見舞いに行った。そこにはすっかり元気になり、ラジオ体操第2で身体を動かしていた母親がいた。とりあえず安静にしてなきゃならないと、紀梨乃は母親をベッドに寝かせて、店の状況を説明した。「あんた土・日に剣道の大会があるんじゃなかったかい?

折角応援に行こうと思ったのに・・・・・・」母親は娘の晴姿を応援できず残念がった。(それでも

キリノ命なんて書いてある、法被と鉢巻なんてされたら恥かしくて来て欲しくない)

 翌日登校した紀梨乃は事情を説明し虎侍に謝罪した。「だったらちゃんと言えよ!」心配した

虎侍と鞘子にきつい洗礼を浴びた紀梨乃は、母親が過労で倒れたものの元気になり、精密検査の為もう少し入院すると説明した。(原因は店の忙しさとジョニーズのライブに行った事だって

若いけど、身体は正直だ)その後道場に1年生部員も集まり、翌日土曜日に迫ったインターハイ

県北予選に向けて気合の入った稽古を行った。母親が入院中でありながら、都や珠姫と稽古

する紀梨乃を心配した虎侍は鞘子に「明日はしっかりしなきゃ駄目だぞ無理してるけどずっと

お袋さんの事を気にしてるでも明日の予選の為に皆に心配かけまいとしてるんだお前が

友達として支えてやれ!」と言った。しかし虎侍の心配は杞憂に終わり、鞘子も自分が明日は

部長のつもりで頑張ろうと、決意していた親友の為に!そして帰ろうとしていた珠姫にも「頼んだぞ大将。明日は部長の為勝って勝って勝ちまくれ!」虎侍は紀梨乃の為に出来る最大限の事をアドバイスをし「ハイ!」目を輝かせた珠姫は力強く頷いた。

 蝉が泣く熱い土曜日ついに県北予選が始まった。まず東松山高校戦、聡莉が胴を決めて先鋒戦を制するが、都はまだまだ初心者で負けてしまった。中堅の鞘子が小手を決めて2勝1敗で

対戦成績をリードした。そして紀梨乃は、母親が倒れた事を気にする所か逆に試合に集中し

普段以上の実力を発揮し、あっという間に2本先取し、室江高校の勝利が決定!大将の珠姫も

楽勝で2本先取した。次の久喜高校戦も都が敗れ、鞘子が引き分けたものの3勝1敗1分で

2連勝し室江高校は絶好調!「今日は絶好調だな、連続で2本勝ちじゃん紀梨乃!」今日最も

調子の良い紀梨乃には、虎侍や鞘子から賞賛の声がかけられた。

 室江高校の次の相手は同じく2連勝で、前回出場した大会で団体優勝した東城高校。大将の小西は観客席から室江高校を見つめていた。「あの人変な噂あるんだよね。対戦相手が試合前に怪我させられたり、靴に画鋲が仕込まれたり、防具隠されたり」鞘子が、友人の友人から聞いた小西の噂を口にした。「そんなのデマに決まっているだろ。学生の大会でそんな事する奴いる訳無いだろう。現実的じゃないんだよ。」虎侍は全く気にも留めなかった。

 勢いに乗る室江高校の中で、連敗の都は悔しさを隠す様に1人輪から離れていた。そして

心配して声を掛けた聡莉に「ねえ喉か沸いたからお茶買って来て。」とブラックな態度で要求

した。明らかにムカついている都であったが、ボーイフレンドの段十郎が「負けちゃったけど

一所懸命頑張っていたな。格好良かったぞ!」と優しくフォローすると、都はすっかり機嫌が

よくなり手を握りしめた。(ダン君本当に良い奴です。人間が出来てますし、ミヤミヤみたいに

黒い人には優しい彼氏が必要なんです)

 昼休み虎侍がもう一度気合を入れ直すと、聡莉がいない事に気付く紀梨乃。その頃都に

頼まれたお茶を買って急いで戻る聡莉は、東城高校の大将小西とぶつかってしまう。お互いに

謝るが、小西は落としたお茶を踏み付けてしまった。明らかに室江高校に敵意をむき出しにする

小西は珠姫に対して、あるたくらみを計画していた。(サトリンが持って来たのは弁当じゃなくて

セガサターン!!!!!何で弁当とサターンを間違えるのかね)

 午後はいよいよ室江高校対東城高校の試合で、勝ったチームが県予選進出という大一番!

東城高校の監督は、珠姫の実力を評価し要注意であると指示を出し、男子が敗退したので

女子に県予選進出を果たす様に叱咤する。「ウチがこんな地区予選で負ける訳には行きま

せん。」小西は何が何でも勝つつもりだった。鞘子の噂が現実になってしまう。

 昼休みが終わり虎侍が昼寝をしている間も、紀梨乃を中心に綿密なミーティングを行って

いた。「面目ない」とばかりに頭をかく虎侍。そんな時「室江高校川添珠姫様、お家の方がいらっしゃっているので駐車場まで来て下さい。」放送で呼び出された珠姫。携帯で確かめたが何の連絡も無いので、とりあえず駐車場まで行ってみたものの、そこには誰もいなかった。その代わりに東城高校の剣道部員3人が「ちょっといいですか?」」と言い無理矢理珠姫を連れて行き

倉庫の中に閉じ込めてしまった。試合に出場させない為の、東城高校の卑劣な罠に嵌って

しまった珠姫の「開けて下さい。」という空しい声が響くだけだった。

 果たして珠姫は無事に試合に出られるのか、大ピンチの室江高校の運命は?ちなみに来週の予告はバンブーの作者さんの別キャラが友情出演で担当しました。