この小説を最初に読んだのは、文庫化されてから。2012年の本屋大賞で話題になり映画化も決まり直ぐにでも読みたかった作品。

文庫化されるのを待ち、やっと手に取ったことを思い出します。

辞書作りに携わる方々の情熱、辞書の出来上がる過程と年月、主人公のクスリと笑えるエピソードの数々、その当時読む本がイヤミスの傾向だった私は、悪意のある人物の登場しないこの本にほっこり胸が暖かくなりました。

読み終えた頃にケーブルTVで映画の放送があり、それを観ました。

映画『舟を編む』

公開を調べてみると2013年とあります。もう10年以上経つのですね。今の私は10年はひと昔ではなく、最近のことのように感じてしまいます。

映画は原作に近く作られていた気がします(記憶が定かでない)。

今年になりNHKでドラマが始まりました。

辞書作りが大骨の設定は変わらないけれども、主役や中心人物が少し違うと、ドラマは楽しく拝見しているけれど、もう1度原作を読みたくなりました。

家の本棚を探してみると…ありません…

どうもブックオフに売ってしまったらしいです。　

私は夫と本を共有していて、お互いに読み終えたら渡し合っています。2人とも読み終えた時点で選別してキープか売るかを判断します(夫はほとんど再読しないのでほとんど私の一存)。

ある程度の冊数をためたところで売りに出すことにしていて、その際に売る方に紛れてしまったのかな？見つかりません。

私は読み終えた本を不意に読み返したくなったりするので、本を売るのにはなかなかの決意を要します(よってどんどん蔵書が増加…)。

この本は再読するつもりで取っておくつもりだったのに…ショックです。

結局、再購入です。

すでに22刷発行。

長く多くの方に愛読されている本なのですね。　

なんで手放しちゃったんだろう。

再読開始

読み始めたら、ページをめくる手が止まりません。(だいぶ読書感覚戻ってきました

)

こんなに面白かったかしら！

分かりやすいキャラ設定のこともあり、それぞれの登場人物に愛着が湧いていきます。

現在進行でドラマを観ている分、そう感じるのかもしれません。

読み終えると、さわやかな感動に包まれました。

日本語って改めて

難しい

複雑

と、思う反面

深い

美しい

などと思い巡らせ、大海原を漕ぎ出す舟を編んだ方々の途方もない熱量を感じ入りました。

初読の時より胸が震えました。

『舟を編む』

いつかまた読み返します。

大切な1冊となりました。