寝違えて何もできないフォトグラファーの宮本です。こんばんは。
11月25日に公演を終えた舞台の話です。
初めて渋谷の稽古場にお邪魔したときに工事現場の足場パイプが組まれていて、はて?何のセットの骨組みだろうというのが第一印象。
実はこれが飛行機の研究所の作業場を抽象的に再現したものでした。
この日、すでに留め通し稽古の段階で、演者さんたちの顔はストーリーの流れの中の表情でした。
唯一役から離れた表情を見ることができたのは、非常階段の踊り場にある喫煙所でした。
例によってボクはストーリーを知りません。なので初日は稽古を見ながら役者さんやスタッフさんの引き締まった表情の顔を中心に撮影し、帰宅。
その後も概ね1日おきに稽古場で撮影をさせてもらいストーリーと撮るべき場面を見定めました。
撮影のたびごとに作・演出・出演の矢内文章さんの心の視線は感じていましたが、きました「演技中はボクより前に出ないでほしい」との指示。
その後場所を新宿区下落合の本番公演があるシアター風姿花伝に移して場当り稽古。そこでも同様の状況。
何度も書いていますが、写真は動画を微分したもの、即ち動画から時間軸と音を外したもの。
つまりは二次元の1枚から何を魅せるか、そこに帰着します。
撮影アングルが客席後方ともなると自ずと観客が観る舞台の切取り絵になってしまいます。
ならば左右に広がる舞台全体は目線を動かすことなく同時に見ることは不可能なので、超広角レンズを利用して舞台全体の撮影を試みました。
しかし予想通り役者さんの表情が見えなくなり、シャッターチャンスが分からなくなってしまいました。
受け身の撮影の難しさをあらためて知らされた舞台でした。
繰り返される通し稽古を細かく観ながら撮影することで、なんとかストーリーを思い出せるだけの写真を撮ることができました。
アトリエ・センターフォワードの舞台「プロペラとスカーフ」はこうして公演初日を迎え、無事千秋楽まで突っ走りました。
スタッフでもなく観客でもない、スチール担当はあくまでも感情移入することなく、しかし見せ場を知り、客観的に撮影をすることが大切、そして後日その写真をみて演者さん、スタッフさん、観客に喜んでもらえるものを残したいという目的は達成できたかなと思っています。
プロペラとスカーフは、フィクションではありますがストーリー展開に必要な文化的・政治的時代背景、大正時代の飛行機の技術とその展開、衣装から小物、美術道具に至るまで実に忠実にかつ印象的に表現された、もちろん役者さんたちの演技を含め、完成度が高く、見応えのある舞台でした。
<出演>
中山 一朗
牛水 里美(黒色綺譚カナリア派)
小山 萌子
本郷 弦(無名塾)
佐久間 淳也
越前屋 加代
宮地大介
前田聖太(劇団青年座)
眞藤 ヒロシ
矢内 文章
<スタッフ>
作・演出 矢内 文章
舞台監督 金安 凌平
照明 奥田 賢太(colore)
音響 岡田 悠(One-Space)
美術 根来美咲 (劇団青年座)
衣装 有島 由生
ヘアメイク 鎌田 直樹
宣伝美術 松田 陽子
演出助手 大貫 アイ(シャラパン)
制作 高橋 俊也(Theatre-Theater)
監修 冨士山 和夫
助成 芸術文化振興基金
主催 アトリエ・センターフォワード
さて、次に撮ることのできる舞台は?…ご依頼お待ちしています。
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