普通・・・ラストにタイトルが出てくるもんじゃないかい?
タイトルがこれでもか!っていうほど出たのに続きです(^^;)
ひと~り上手と呼ばないでぇぇ~♪
っつうわけで今日も、あゆの『ひとり上手劇場』
始まりでっすヾ(@°▽°@)ノ
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心のどこかで、私はすでに別れの予感を察していた。
きっと最初から私達・・・
付き合っちゃいけなかったのかもしれない。
付き合う?
・・・なんかバカげた話。
リョウちゃんにはまだ一度も・・・好きだと言われていない。
目の前にいた、簡単に抱けそうだった女・・・それが私。
「あゆは大人だから、何でも許してくれそうな気がする。」
そう言われていい気になって、ワガママ言わずに我慢して
本当に何でも許してきたわ。
好きだから。ただ好きだったから。
いつだってリョウちゃんにとって都合のイイ、大人の女を
演じてきたわ。
それが・・・そんなにイケナイことだったの?
別れの予感が確信に変わるときがきた。
「リョウちゃんと・・・付き合ってるんだよね?」
とみえがおそるおそる私に尋ねた。
「・・・どうして?」
「ううん・・・ちょっと、変な話・・・聞いたから。」
とみえはとみえで、他の男の子達と仲良くしていた。
たまに私とリョウちゃん抜きの状態で、遊びに行ったりも
していた。
そんな中で聞いた話だという。
「リョウちゃんが、憧れの人と急接近・・・とかなんとか・・・」
・・・あの人だ。
私にはすぐ察しが付いた。
「恋人と別れて、傷ついたのを慰めて、それから何度か
デーとしたとかって・・・あゆちゃんのことにしては話しが変
だし・・・何のことなの?リョウちゃんに別の女がいるの?」
とみえ以外の人達は、私とリョウちゃんが付き合い始めたのを
知らない。
リョウちゃんが「ひやかされるのがイヤだ」というので、私は
素直に黙っていた。
そんなところにまで「大人だから」の効力は効いていた。
『もうひとつの土曜日』
ずっと想い続けた大人の女性。
恋人と別れて傷付いた、守ってあげたい大切な人。
私じゃないんだ・・・私じゃなかったんだ・・・
涙が出た。
ぽろぽろと・・・あとからあとからあふれて、止まらなかった。
「何なの?リョウちゃん、二股掛けてたってこと?そうなの?」
とみえが怒ったように問いただしてきた。
私は、何も答えられない。
二股?
ううん・・・私のは、ただの遊びだよ。
「許せない!リョウちゃんなんか、もう捨てちゃいな!ね?」
気が付くと、とみえもボロボロ泣いていた。
「ダメだよ。リョウちゃんなんか・・・ダメだよ。リョウちゃんなんか
あゆちゃんに似合わない・・・」
悔しそうに顔をゆがめるとみえと抱き合って、二人で声を上げて
泣いた。
終わりの時は・・・確実に近付いていた。
リョウちゃんの前で、笑うことなど出来なくなっていた。
それでも自分の方からは何も出来ない。
ヒビの入ったグラスからこぼれる水が見えていても
手を触れたとたんに、そのグラスが砕けてしまうのを恐れて
手を出せないように・・・
砕けたガラスで傷付いて、血が流れるのを恐れるように・・・
私は何も出来なかった。
久しぶりに・・・本当に久しぶりに、リョウちゃんの方から
電話をくれた。
もうそんなことを、のんきに喜べない。
「なんかさ・・・うまく言えないけど、俺達・・・なんか違うって
いうかさ・・・あゆは大人だから、俺なんかよりもっと大人の
ちゃんとした男の方が合うっていうか・・・」
案の定リョウちゃんは、そんな薄っぺらな必死で考えた
であろう『立て前』を言うためだけに電話をしてきたのだった。
「本当のこと言ってイイよ。私とは『遊びだった』って言ったら?」
全く真実味のない言葉を聞いていることに堪えられなくなった
私は、その話を遮るように言った。
「なっ・・・何言ってんだよ。おかしなコト言うなよ。」
「おかしくなんかない!おかしいのはリョウちゃんの方でしょ?
別れた後でも『イイ人』でいたいわけ?」
悔し涙が浮かんできていた。
もう引き返せない・・・そう自覚した。
「私のことなんか、好きでも何でもなかったくせに!寂しかったから
簡単に手が出せるから・・・だから利用したんでしょ!
もういらないからって放り出すくせに、格好なんかつけないでよ!」
リョウちゃんは何も言わなかった。
何も言えなかったのだと思う。
最後に一言、絞り出すような涙声で「ごめん・・・」と言った。
「私・・・も、リョウちゃんのこと、そんなに好きだったわけじゃない。
だからもう・・・もういらない。・・・さよなら。」
リョウちゃんのこたえを聞く前に電話を切った。
もうこれ以上、涙を堪えていることが出来なかったから。
音を立てて砕け散ったグラス・・・もう戻らない・・・
バカ・・・リョウちゃんのバカ!
私は大人じゃない。聞き分けのイイ、大人なんかじゃない。
好きな人の前では子供に戻りたい。甘えてワガママ言って・・・
どうして気付いてくれなかったの?
顔も知らない女なんかに、私を重ねないで欲しかった。
その人の10分の1でもイイ・・・愛して欲しかった。
どうして気付いてくれなかったのよ・・・
私は涙が流れたままの顔で庭に出た。
当時庭で飼っていたリンが、しっぽを振って私を見上げていた。
リンはあまり吠えない、賢い犬だった。
「クゥ~・・ン」
私のただならぬ様子を察して、リンは不安げな声で鳴いた。
「リン・・・私ね・・・また、失敗しちゃった。」
リンにしがみついて、私はまた・・・声を殺して泣いた。
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予想通りの結果というか、珍しい話しでもないというか・・・
しょぼいラストでごめんなさい~(´Д`;)
これが私の人生で「最悪」の恋バナでございます。
お詫びのしるしに、「~冷たい月~ それから 」と題しまして
もう1話続きます。
まだ続くんかい!(゜д゜;)
っつうか、お詫びになってない・・・(-""-;)
ホントにホントで次がラスト!
もうちょびっとだけ、ガマンしてね~ん(^o^;)