舞台『The Silver Tassie 銀杯』
アイルランドの劇作家ショーン・オケイシーの衝撃作が、森新太郎の演出で日本初登場。
第一次世界大戦を背景に、戦争に翻弄された若者たちの運命をリアルに描き出す。
タイトルの「銀杯」は、フットボール選手であったハリー(中山優馬)の優勝杯であり、戦争で下半身麻痺を負ったハリーの惨杯ともなる、彼のアイデンティティを表しているようだ。
ハリーに首ったけだったジェシー(安田聖愛)は、戦後はバーニー(矢田悠祐)に鞍替え。ハリーに気があったスージー(浦浜アリサ)も、戦後はドクターへと接近。ハリーの元には肉親と、戦争で盲目となったテディ(横田栄司)しかいなくなるのが切なく残酷だ。
2場の戦場シーンがは、等身大の人形を黒衣の演者が操り喋る手法。これが森新太郎さんの『是清』の人形劇とそっくりで、面白可笑しい人形の顔と喋りで見入ってしまう。『是清』みたいに、いつ頭胴体が真っ二つになるかとソワソワ。『是清』の時はデカイ人形は出入りの時に横にして移動させてたが、この劇場は広くて立ったまま移動。兵士4の横田さんはすぐ分かった。
戦場シーン下手で最初からしゃがんでて、魔人のような声を響かせていたのは土屋佑壱。暗い照明で黒衣だし下手だしで見え難かったtutiだが、3場はドクターとして上手から突然金髪で飛び込んできて、患者に99を言わせて翻弄、スージーまで丸め込んだりと、まるで奇妙なトルネード。
4場ではダンスシーンを仕切り、スージーと踊ったりと目立つ目立つ。ダンスも大人っぽく優雅でセクシーだ。
彼こそ、ハリーと対比させられる、戦後に成功者となった「金杯」の代表者なのかもしれない。
ポストトーク。
登壇者は森新太郎さん、中山優馬さん、横田栄司さん、ゲストの野村萬斎さん。
ゲストの萬斎さんが観客目線で、1場の客電やセットの目の錯覚について質問し、優馬さんや横田さんには役作りや演技プランを訊いてくれて、色々とすっきり。オリンピック・パラリンピック視点のコメントも萬斎さんならでは。
横田さんとの共演作もあり、『藪原検校』や『ファウストの悲劇』の話も懐かしかった。
脚の不自由なハリーや眼の不自由なテディに対比し、劇中では足を使って踊ったり、周囲をカラフルな様相にしたりと、脚本の秀逸さをあげられた森新太郎さん。
でも森さんこそ、傾斜のあるセットにしたのは俳優の体に負荷をかけるため、2場の暗闇の人形劇は観客に視覚的ハンディを与えるためではないだろうか。
劇中の人物と同様、演者も観客もみんなに平等な条件を与え、この作品にリアリティーを持たせたかったのではないかと思った。
青木源太アナウンサーさんが、通路を挟んだお隣にジャケット脱いで座っていらした。ポストトーク中盤から急に白い紙にメモっておいでで、Twitterを見るに勉強されてたんだなぁ。
開演前にファンの方に便乗して、私も一緒に写真撮影して頂いた。ありがとうございます。








