舞台『命売ります』
2018 PARCO PRODUCE 三島由紀夫の小説の舞台化。
11月上旬から上演されている舞台『豊饒の海』とのセット売りでチケットを購入。
サザンシアターとシネマサンシャインの違いはあれど、どちらもまずまずの席。
ある日ふと「死のう」と思った羽仁男(はにお)は『命売ります」の広告を出す。訳ありげな男女が次々に現れ、次々と死者も出るが、思わぬ陰謀の渦に巻き込まれているのを知る。
チラシと同じ、幾多の小さな箱を積み重ねたセットが斬新。テーブルの蓋をひっくり返すと食卓になってたり、後ろに小さな川が流れてたり、荒唐無稽の舞台が面白い。
登場人物は一癖二癖もある超個性的で複雑怪奇なヤツらばかり。誰をも信用できず、反発心さえ湧いてくるが、ギリギリの線で留まっているのは、ノゾエ征爾のアクの少ない演出のせいか。
東啓介は現代っ子らしい語り口とリアクションが痛快、ただ25歳の設定にしてはやることなすこと幼い感じ。
上村海成はオトナびた生意気ガキんちょで、出てくるとムカついたり。
馬渕英俚可は年齢を感じさせずに恋愛モード突入し、どこかチャーミング。
温水洋一は胡散臭いし裏切り型だしでイラッとさせる。
流れ弾に当たってバタッと死んだり、そのまま流されたりと、シュールな展開が絶妙。
結局は銃に脅されてのハードボイルドタッチで、後味はモヤモヤ。
自分から死のうとするくせに、他人に殺されて死ぬのはイヤだという、羽仁男の身勝手さが滑稽。
本当に愛する人の死を知らないから、人生経験を積んでいない若さだから、命を断とうともできるし暴走もする。泣き喚く姿がホントに呆れてしまった。
キャスティングの妙なのか、『豊饒の海』の東出昌大さんと『命売ります の東啓介さんは、「東」が付いてて長身デカくて和風イケメンという共通点がらある。
2人とも女性との濡れ場っぽいシーンはあったが、思ったよりも淡白で型通りであっという間。
むしろ東出さんには大鶴佐助さん、東さんには上村海成さん、というショタっぽい男の子が似合う。
アフタートーク。
東啓介と、ゲストで前山剛久。Dボの先輩後輩でもあるが、刀ステでは燭台切と鶯丸だったかな。
2.5次元について、原作やキャラへのリスペクトを語る、しっかり者の前ちゃん。今作は小説の舞台化だから、一からキャラを創り出していく苦労を語るとんちゃん。どちらも、自分のそれまでの人生経験を注ぎ込むのだと意見が一致する。
2人とも自分の舞台宣伝も欠かさない。前山さんは「妖怪アパート」「ガンダム00」「銀河鉄道999」と2.5次元舞台が続くなぁ。
朝日新聞の本日夕刊に、パリでもご活躍中で、現在『豊饒の海』にご出演中の笈田ヨシさんのインタビュー記事。
三島由紀夫さんを真に知る人。先生自決の訃報から48年。笈田さんがもし『命売ります』にもご出演されてたなら、どんな役だったんだろう。







