◎とある大型リサイクルショップにボロボロのカセットデッキがいつまでも売れ残っていました。うーむ。
これだけ錆びていると中身もヤバい事になっているだろうな…、と思ってずっとスルーしていたのですが、何度も見ていると、いつの間にかその独自なフォルムに魅了されるようになっていきました(笑)
イエスは、「さあ、あなたがただけで人里離れた所へ行って、しばらく休むがよい」と言われた。出入りする人が多くて、食事をする暇もなかったからである。 そこで、一同は舟に乗って、自分たちだけで人里離れた所へ行った。
人は誰しも休息が必要です。如何にその働きが尊く有益なものであったとしても、働き詰めでは疲弊して継続することもできず、志半ばで倒れてしまいます。健康を害し、自らのいのちを犠牲にしてまで、没頭してよい働きはありません。まずは自分を大切にし、適切な休息をとり、心身共にリフレッシュした上で託された使命を果たす私たちでありますように。
①OTTO(SANYO) カセットデッキ RD-5100 1974年製
今や無きSANYOがその昔、OTTOと言うオーディオブランドで作っていたカセットデッキになります。
カセットは70~80年代に最盛期を迎えましたが、その後にMDやMP3の台頭で衰退していきました。
1974年発売 当時の価格は¥36.000 ワウフラッター0.10%以下
DCサーボモーター S/N比: 45dB 周波数特性: 30Hz~13KHz(ノーマルテープ)
30Hz~16KHz(クロームテープ) 消費電力:8W ノイズフィルター・録音リミッター装備 テープカウンタ 照明付き左右独立VUメーター
ねんどろいど琴吹紬: 「このデッキの特徴は何と言ってもテープ挿入口が上部にあり、操作系は前面パネルにある事です」
「故障の症状はメーター照明だけ光って全く動かないです💦」
②それでは分解修理していきます
A: まず録音ツマミを外しますが、プラワッシャが入っているので注意が必要です。
B: イジェクトボタンを押してトレーを開き、ボロボロのカバーを外します。
C: フロントパネルを外してお掃除します。
D: アンダーカバーの固定ネジを外し、カバーをスライドさせて外します。
③デッキメカの取り外し
A: こんな感じでアンダーカバーは外れます。
B: デッキメカを固定しているネジを外しますが、右のネジにはアーシングの配線があるので注意が必要です。
C: ここもアーシングがあるのを忘れない様にします。
D: ここのネジも外します。
④デッキメカの取り外しB
A: ここは確か左端のネジを外せば良かったと思います💦(忘れました)
B: ここのネジを外します。
C: 録再切り換えスイッチに入っているピンを持ち上げて外します。
D: デッキメカがようやく降りました。
とにかくフライホイールが大きく、これだけ大きいのは高級機しか見かけません。
⑤フライホイールの取り外し
A: フライホイールを固定しているプレートのネジを外します。
B: こちらも配線押さえに注意して取り外します。
C: プレートを外します。
組む時は軸受け部にグリスを塗布しておきます。
D: やっぱりベルトが経年劣化で切れてました…
まぁ、ドロドロになっているよりかマシですが💦
⑥駆動系のメンテとベルト交換
A: 録再スイッチ連動棒を外します。
B: フライホイールを外し、駆動系のゴムはエタノール洗浄と紙ヤスリでちょっと一皮削り、メカはグリスアップしておきます。
C: フライホイールにはワッシャが入っているので気を付けて下さい。
D: 新しいベルトを取り付けます。
⑦早送り・巻き戻し機構のメンテナンス
A: カセットホルダを取り外します。
B: ここもワッシャが入っているので気を付けて下さい。
C: 駆動系をエタノールで洗浄し、早送りの試運転は大丈夫でしたが…
D: 巻き戻しで中間のアイドラーが固着していました💦
⑧アイドラーのメンテナンス
A: 中間アイドラーを取り外します。
ここでヘッドの上下機構のグリスアップとヘッドの清掃、ピンチローラーの点検洗浄もしておきます。
B: 中間アイドラーはこんな感じで、固着して動きません💦
C: 分解したら軸が錆びていたので、紙ヤスリで整えてグリスアップして組み立てます。
ついでにゴムも洗浄と紙ヤスリで一皮削っておきます。
D: モーターの回転数を調整します。
⑨電気系統のメンテナンスとカバーの再塗装
A: 各基盤のコンデンサーとハンダクラックの点検を行います。
ハンダクラックは音を出しながら部品を触っていくと発見できる確率が高いです。
B: 録再スイッチは必ず接点を洗浄しておきます。
ここが接触不良だとメーターが踊ったり、音が出ない事があります💦
C: カバーに付いているカセット蓋を取り外します。
D: マスキングして下地処理をしたら再塗装します。
後は組み立てて完成となります。
⑩50年の時を経て復活しました!
ねんどろいど琴吹紬: 「どんな音質なのか楽しみです🎵」
⑪その前にアジマス調整をします
ねんどろいど琴吹紬: 「ボールベアリングを使ったヘッドの軸受けのお陰か、ほとんどアジマスは狂っていませんでした」
「オートリバース機などは酷く狂っているものがあるので、必ず調整した方がいいです」
管理人: 「このデッキはカバーを開けたまま再生できるので、視覚的にレコードプレーヤー感覚でも楽しめます✨」
⑫思ったよりいい音で驚きました♪
ねんどろいど琴吹紬: 「1.5μの超ナローギャップのパーマロイヘッドが功を奏しているのか、高域はとても伸びて、中低域もフラットな感じです♪」
⑬これで聞くお気に入りの音楽は最高です✨
ねんどろいど秋山澪: 「山頂に登って景色を見ながらコーヒーを飲む感覚だね」
ねんどろいど琴吹紬: 「以上、カセットデッキ「OTTO RD-5100」分解修理・整備でした!」
⑭オマケ画像「マクセルUDⅠとカセットインデックス」
マクセルの「UDⅠ」(ノーマルテープ)は1983年9月にデビューし、当時のCMソングはTHE MODSの「激しい雨が」でした。
その後、オートリバース用に改良されていき、2001年7月に生産が終了しました。
1984年に発売された「UDⅡ」はゴールドで、CMはワムの「Freedom」でしたねw
⑮知る人ぞ知るカセットケースのインデックス
知ってる人は絶対にいると思います。
あの頃は「FMステーション」「FMレコパル」「FM fan」「週刊FM」とFMに活気があった時代でもありましたね~。
◎それではまた!