映画感想「アウトブレイク」 | 大TOKYOしみじみ散歩日記

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お独り様となった50路男の、ぶらぶらノンビリンの東京物語

映画・マンガ・小説・芝居・テレビに動物
そして大切な母ちゃんとの想い出も時おり混ぜ合わせて

書き留めてゆきたいなと、思います

『アウトブレイク』(1995)

1967年、ザイールの山間地
内戦に参加していた傭兵部隊のキャンプ地に伝染病が発生
情報採取に訪れたアメリカ軍の将校がポツリと(片付けよう)と発して数時間後
キャンプ地は消し飛ばされます

遥かに時は流れて…
ザイールの山間地で熱病が流行していると連絡を受けたアメリカ陸軍の医学チームはダニエルズ大佐をリーダーとして現地に赴きますが
そこには累々たる死体の山と、祈りを捧げる祈祷師の声があるだけでした

伝染の早さと致死率の高さに脅威を感じたダニエルズでしたが、本国の上層部は彼の意見を聞こうともせず、水際作戦は先送りに
彼は別れた妻ロビーが勤める疾病予防管理センターへも報告しますが、わだかまりを抱く彼女からの返事は沸切らないものでした

そんな折ザイールで無断捕獲された1匹の猿が、タチの悪い税関職員の小遣い稼ぎに密輸されます

こうして、小さな犯罪がやがて未曾有の伝染病によるパニックを引き起こし

小さな町が片付けられる運命を背負わさられるのでした

制作された1995年当時は数年前からアフリカで突如流行が始まった(エボラ出血熱)の脅威に世界が震撼していました

人間は病を引き起こすウイルスを倒そうとしますが、倒されそうになったウイルスが進化する事は止められません
いずれウイルスの反撃に晒されるだろうと当時話していた医学者もいたと記憶しています

映画はエボラ出血熱をモデルにした架空の熱病で、感染力や致死率もかなり誇張はされていますが
猿から人に伝染したのちに(進化)する事が語られていて、私はそれがとても怖かったです
見所の一つに感染の伝播を視覚で表現する場面がいくつかあり、これが実にリアルです
(映画館での咳なんて、これ以後ホントに怖くなり、インフルエンザ流行時には行かなくなりました)

ダスティン・ホフマン、レネ・ルッソ
といった人気スターに、当時売り出し中だったケビン・スペイシーやキューバ・グッテンJr.
更にはベテランのモーガン・フリーマン
ドナルド・サザーランドといった面々が適材適所で活躍して、娯楽映画としても一級です


初鑑賞から25年
同じ頃見た作品の中では最も繰り返し見ている映画になりました
今でも日本語版の市販ビデオを持っていて年1回はみてますし、先日は原語で見たくなり
レンタルもしました
何度見てもハラハラします

先日見た「感染列島」が本作を下敷きにしているのは間違いなく
リアリティの希薄さは多少あっても、ウイルスの脅威や伝播の恐怖はいまの時代、いいテキストにもなるかもしれません

時を経ても残るだろう
怖い怖い映画です