32歳の明暗。【1】
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私のブログは患者さんとの出会いを
事実含めプライバシー面を考慮し、
やや脚色した内容を部分的に書き残しています。
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32歳という若さで、『胃がん』と診断された2人。
同じ胃がんと診断された2人の明暗。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「今日から宜しくお願いします」
優しい笑顔で看護師に挨拶するMさん、32歳。
後ろにはもうすぐ臨月を迎えるというお腹の大きな奥さんが
付き添って入院してきました。
入院時のアナムネ(※初診時に取る問診のこと)を取っているとき
「まさか自分が、この歳で胃がんになるなんて…。」
と苦笑いして話すMさん。
話しを聞くと、働き盛りのMさんは仕事の忙しさに加え
同時期、闘病を続けてきた実父を『胃がん』で亡くし、
精神的にとても辛い時期を過ごしていたそうです。
実父の死から半年ほど経った頃、
胃の違和感もあり食も進まず、5kg程体重が落ちてきたとき
奥さんが心配して、病院に行く事を進めたとのことでした。
Mさん本人は、ストレスと疲れのせいだよ。と
笑って流そうとしたそうですが
「私と、なによりこどものために」とお願いされ・・・
内心 ”父も胃がんだったし、もしかして自分も?”と
不安に感じていたのもあり、意を決して病院を受診。
内視鏡等の検査を受けた結果、
『胃がん』と診断された。とのことでした。
「まさか親父と同じ病気に、この年齢でなるとは」
「一瞬頭が真っ白になりました。」
「嫁と生まれてくる子どもをしあわせにできないのか?と。」
「でも、親父の死と嫁のことばがなかったら、
きっと病院に来る事はなかったはず。自分は運が良かった。」
「悩むよりやれることをやろうと思います。」
そして、数日後、胃を切除する手術を受けました。
手術を終え、病理検査の結果。
彼は、スキルス胃がん と診断されたのです。
そして、初期の段階だったこともわかりました。
体重減少が起こっていたこともあって
病気の進行が考えられていましたが、
この段階で症状が出るのは稀だということでした。
若い方に多く発症するといわれているスキルス胃がん。
胃がんの中でも悪性度が高く、進行の早いがんです。
胃カメラでも見つけにくいと言われており
スキルスだからといって、初期症状が大きいわけでもなく
気付いたときには、進行した状態で見つかる事も。。。
「あのとき、妻から病院に行くように説得してくれて感謝」
「ガンだから手術すると聞いたときは『死』を考えてたけど
これからは生きることをしっかり考えたい。」
彼は退院後、外来で抗がん剤治療を受けることになりました。
それから数年後。
彼が病棟に顔を出してくれたのです。
当時と職員の顔ぶれはだいぶ変わっていたのですが
彼は全然変わらない様子で元気に声をかけてくれました。
そして「実は報告があって…」と。
退院後の報告は「転移」「再入院」「追加治療」などが多いので
・・・まさか、、と思っていたら
「今日で定期受診終了でいいと言われました!!」
そう。それは病気が根治した、という報告だったのです。
定期的に時間をかけて抗がん剤治療を続けていたMさん。
採血も正常値をキープし、再発の兆しもみられない。との見解。
「本当に嬉しいです…!!
でも、治ったとはいえ、油断はできないよね。
家族のためにもきちんと検診受けて、体にも気をつけないと。」
そういって彼が目を向けた先には
奥さんとお子さんが…。
入院していたとき、まだお腹の中にいたコが
あんなに大きく。
「からだも心もつらかったとき、
あの2人の存在がすごく大きくて。」
「心配かけた分、これからは自分がしっかり守っていかなきゃー」
Mさんはお子さんをしっかり抱きしめながら
病棟をあとにしました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
病気の早期発見でき、さらに治療を根気づよく続け
彼は病気に勝つことが出来ました。
若いと尚更、ガンの進行は早いと言われています。
「自分が病気になるはずない」「きっと大丈夫」
誰もがそう思ってるんですよね。
病気になった人も、みんな。そう思ってた。
次回も
同じ32歳。胃がんの男性のお話しを。
私のブログは患者さんとの出会いを
事実含めプライバシー面を考慮し、
やや脚色した内容を部分的に書き残しています。
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32歳という若さで、『胃がん』と診断された2人。
同じ胃がんと診断された2人の明暗。
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「今日から宜しくお願いします」
優しい笑顔で看護師に挨拶するMさん、32歳。
後ろにはもうすぐ臨月を迎えるというお腹の大きな奥さんが
付き添って入院してきました。
入院時のアナムネ(※初診時に取る問診のこと)を取っているとき
「まさか自分が、この歳で胃がんになるなんて…。」
と苦笑いして話すMさん。
話しを聞くと、働き盛りのMさんは仕事の忙しさに加え
同時期、闘病を続けてきた実父を『胃がん』で亡くし、
精神的にとても辛い時期を過ごしていたそうです。
実父の死から半年ほど経った頃、
胃の違和感もあり食も進まず、5kg程体重が落ちてきたとき
奥さんが心配して、病院に行く事を進めたとのことでした。
Mさん本人は、ストレスと疲れのせいだよ。と
笑って流そうとしたそうですが
「私と、なによりこどものために」とお願いされ・・・
内心 ”父も胃がんだったし、もしかして自分も?”と
不安に感じていたのもあり、意を決して病院を受診。
内視鏡等の検査を受けた結果、
『胃がん』と診断された。とのことでした。
「まさか親父と同じ病気に、この年齢でなるとは」
「一瞬頭が真っ白になりました。」
「嫁と生まれてくる子どもをしあわせにできないのか?と。」
「でも、親父の死と嫁のことばがなかったら、
きっと病院に来る事はなかったはず。自分は運が良かった。」
「悩むよりやれることをやろうと思います。」
そして、数日後、胃を切除する手術を受けました。
手術を終え、病理検査の結果。
彼は、スキルス胃がん と診断されたのです。
そして、初期の段階だったこともわかりました。
体重減少が起こっていたこともあって
病気の進行が考えられていましたが、
この段階で症状が出るのは稀だということでした。
若い方に多く発症するといわれているスキルス胃がん。
胃がんの中でも悪性度が高く、進行の早いがんです。
胃カメラでも見つけにくいと言われており
スキルスだからといって、初期症状が大きいわけでもなく
気付いたときには、進行した状態で見つかる事も。。。
「あのとき、妻から病院に行くように説得してくれて感謝」
「ガンだから手術すると聞いたときは『死』を考えてたけど
これからは生きることをしっかり考えたい。」
彼は退院後、外来で抗がん剤治療を受けることになりました。
それから数年後。
彼が病棟に顔を出してくれたのです。
当時と職員の顔ぶれはだいぶ変わっていたのですが
彼は全然変わらない様子で元気に声をかけてくれました。
そして「実は報告があって…」と。
退院後の報告は「転移」「再入院」「追加治療」などが多いので
・・・まさか、、と思っていたら
「今日で定期受診終了でいいと言われました!!」
そう。それは病気が根治した、という報告だったのです。
定期的に時間をかけて抗がん剤治療を続けていたMさん。
採血も正常値をキープし、再発の兆しもみられない。との見解。
「本当に嬉しいです…!!
でも、治ったとはいえ、油断はできないよね。
家族のためにもきちんと検診受けて、体にも気をつけないと。」
そういって彼が目を向けた先には
奥さんとお子さんが…。
入院していたとき、まだお腹の中にいたコが
あんなに大きく。
「からだも心もつらかったとき、
あの2人の存在がすごく大きくて。」
「心配かけた分、これからは自分がしっかり守っていかなきゃー」
Mさんはお子さんをしっかり抱きしめながら
病棟をあとにしました。
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病気の早期発見でき、さらに治療を根気づよく続け
彼は病気に勝つことが出来ました。
若いと尚更、ガンの進行は早いと言われています。
「自分が病気になるはずない」「きっと大丈夫」
誰もがそう思ってるんですよね。
病気になった人も、みんな。そう思ってた。
次回も
同じ32歳。胃がんの男性のお話しを。
