【殺戮にいたる病】 我孫子 武丸 | 薄荷、時々苺味

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 そして素敵な大人になれたら・・・



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この作者の名前を見ると、

一斉を風靡したサウンドノベルゲーム「かまいたちの夜」が思い起こされるが、

その「我孫子武丸」の最高傑作といわれているのが、この「殺戮にいたる病」。。。


この本、

「ミステリー」で「どんでん返し」で・・・と大変絶賛されていて、

ミステリー好きに知らない人はいないとまで言われている超有名な本なんだけど・・・




めちゃめちゃ「エグイ」上に「グロイ」。。。





だけど、

読み進めると目がいきがちな「そこ」に視点を置くんじゃなくて、

きちんと個々の心理描写があり「テーマ」がしっかりしているところが素晴らしい。。。



言葉のフェイクが巧いため、最後に分って唖然・・・


と、確かに納得のいく名作。。。






ストーリーは、「犯人」の視点と「元刑事」との視点で進み、

<あと「母親」の視点もありました。。。


最初の時点で捕まる流れは・・・演出が憎い。。。


だって、


読み終わった後、

そのまま最初に戻って読み返すと・・・

「ぴたっ」っとピースが当てはまるようにできてるんだもん。。。

<実際読み返したし。。。



私は最後のページまで行かなくても、

途中(最後の数頁前)で「んん??」と思い、

「フェイク」が微妙に分ってしまったんだけど・・・




分ったら分ったで「すっきり」するかというと、そうでもなく・・・

逆に気持ち悪くて怖かったですね。。。



もちろん、

「ミステリー」はカラクリが分ったら読む楽しみが奪われるので、

内容はあえて書かないですが・・・

これに限らず、何も「情報」を得ていない状態で読むのがベストです。。。

<頑張って読んだ後、壮大差に感動します。。。




一時期、


桐生操」にずっぽりはまってしまった時があり、

「サイコ・キラー」や「暴君」なんかの本を読み漁ってたんだけど・・・

<それはそれで趣味が悪い気がするけど・・・




殺戮にいたる病」というものは、この世に存在しているんだと思います。。。



例に揚げるなら「実在の人物」として、

アメリカのシリアルキラー「エドワード・ゲイン(エド・ゲイン)」や

「ヘンリー・リー・ルーカス」なんていう、世紀の猟奇殺人を起こした人達がいるから。。。

<この話の元になったんじゃないかと錯覚してしまう・・・





この「犯人」を「」という言葉で簡単に括って片付けていいのかわからないけど、


きっとこーゆー「心の闇」を抱えた人って・・・



私がまだ知らないだけで・・・いるんでしょうね。。。



外見は「ふつー」を装い普段は周りに同化・・・


「ターゲット」を見つけると、衝動を抑えられなくなり静かに犯行に及んでいく。。。


1つ味を占めるとその行為は繰り返される・・・なんてね。。。




「普通の人間」の感覚では考えられない成長とげ、

どんどんエスカレートしていく主人公の行動に、若干気分が悪くなるけど・・・



その主人公の変貌振りをみごとに書ききってる作者には脱帽です。。。




決して「女性」や「未成年」に勧めたくないけど、


刺激が欲しい(?)と思ってる人には読んで「引いて」、

しっかり「驚いて」欲しいと思います。。。

<まぁ、まず「オチ」に気づく人はいないと思うので・・・




但し、誰でも抱えているであろう自分の中の「」の部分には・・・


これを読んで気づかないで欲しいです。。。