信じること
最近気がついたこと。
私は、本当の意味でヒトを「信じること」が苦手だ。
といっても、友人などには、危ないくらい直ぐに心を預けてしまうけれど。
恋がからむと、どうにも
「シンジラレナクナッテシマウ」。
去年別れた恋人。
お互いに結婚するつもりだった。
彼の兄弟はもちろん、お義母さんともお祖母さん、親戚の皆さんにも
顔合わせをした。
当然のように、お正月もご挨拶にいったし、お盆には、亡くなったお祖父さんの
お墓参りもした。。。
でも、別れた。
最初は、遠距離恋愛になって、
彼の仕事が忙しすぎて、連絡が全然もらえなくて、
さみしくて、苦しくて。でも、彼は仕事がもう大変で、それどころじゃなくて。。
「心がすれ違った」
結局、それが大きな原因だと、思ってた。
そうじゃなかった。
それも確かにあったのだろうけど。
あたしがいつも不安がっていたから。
一緒に住んでたときも、ずっとずっと一緒にいたのに、それでも、
私は自分が「愛されている」って、全然思わなかった。
分からなかった。
愛されてる自信がなくて、いつも不安だったから。
いつもがんばってた。彼が好きで、彼にも好きでいて欲しかったから。
そんなわたしも彼の腕の中にいれば、安心できた。
彼の言葉では表してくれない、愛にも似た暖かい「何か」を感じることが出来たから。
確かに感じることのできた「ソレ」は、紛れもなく「愛」だったのに。。。
今度、姉の彼氏が、実家に挨拶にくる。
将来結婚するつもりだから、会わせるのだという。
姉と話していて、うちの祖母の話になった。
以前、元の彼氏と結婚するかもしないと、何かの拍子に話したときだった。
彼のその言葉に実感も何もなかった私は
「まぁ、どうなるかわかんないんだけどね(笑)」と軽く流そうとした。
すると、叱られた。
いつもは、温厚で叱られたことなど、ほとんどなかったから、びっくりしたのを覚えている。
「男の人が、ぞうやって自分の家族に会わせるということは、それなりの覚悟があってのこと。
それを、あんたがそんなふうにしか考えてないで、どうするの」
今思う。
彼は、本気だった。
本気で、私と結婚しようと考えてくれていた。
確かに、まだまだ半人前で、結婚したらきっと苦労の連続で。
けっしてイイ男ではなかったかもしれない。
むしろ、私の友人たちには絶不評の男だったくらい。
でも。
親友だけは、彼の味方だった。
それはきっと、
「本当に 私を 愛した男」
だったから。
親友はいった。
「不器用なヒトなんよね。すごくわかる。
織葉が、ほんっとにまっすぐに愛してくれるから、きっと同じようには
愛を表現できないんだよね。
でも、だから織葉を愛さずにはいられないんだね」
・・・その通り。
彼は、私をすごく愛してくれた。
ただ、表現するのがすごく下手で、それがわたしにはわからなくて。
お互いの溝を埋めるには、何もかもが足りなかった。
時間も、思いやりも、言葉も、・・・ぬくもりも。
不器用だった彼の、愛情表現の一つが、歌うことだった。
彼はいつも、私に歌ってくれることで、その歌詞に
思いを込めていた。
喧嘩して、私を泣かせてしまった次の日。
「泣かないで 泣かないで ・・・ 」
彼が口にしては決して言わない言葉。
でも、このときは私の目を見て歌ってくれた。
二人の記念日には
甘いラブソングを歌ってくれた。
遠距離恋愛になる一ヶ月前。
レミオロメンのぴったしの曲を歌って、見事に私を泣かせてしまって、
「計算違いだった・・・」と慌ててた(笑)
別々の日が近づくと
「3月9日」を歌ってくれた。
たくさん、たくさん歌をプレゼントしてくれた。
遠距離になってさみしい夜は、彼が歌ってくれた歌をよく、
聞いてた。
遠距離で、一ヶ月ぶりに会ったときも歌ってくれた。
「会いたくて いとしくて あえなくて 苦しくて
届かない 伝わらない 叶わない 遠すぎて・・・」
「電話を切った後 泣いたことを 君は知らない」
最近、何気なくこの曲たちを聞いた。
涙が止まらなかった。
今でも、曲を聞くたびに、彼の言葉を思い出す。
「俺は、忙しいから、別に織葉に会えなくても、さみしくないんだよね。」
ひどい言葉。
でも、ホントはそのあとのささやくような一言が大切だったんだよね。
「でも、すごく会いたいよ・・・。」
もし、あの時、わたしがもっと大人だったら。
彼の、言葉には出さない苦しみをわかってあげられたら。
もし、
もし、
もし・・・・出てくるのは後悔の言葉ばかり。
すごくつらいけど。
まだ、幸せな記憶が私を泣かせるけど。
いいんだよね、それで。
わたしも彼を本気で愛していたから。
「信じること」ができなくて、壊してしまったけど。
本当に愛していたから。
まだ涙が溢れるのは、私が誰かを、深く、深く愛することができた証だもの。
そんな愛を失った痛みが、小さいわけないものね。
本気だったなら本気だっただけ、大きな傷にもなるのでしょう。
かけがえのない、愛を失ってしまった、その痛みが。
いつの日か、出会える新しい「愛」を教えてくれるはずだから。
そう、信じてるから。
「一生の愛」
「そのとき 僕は 君を 一生愛していけると 思ったんだ」
ブラウン管から聞こえてきた 一言が 何故か心に残る
『たったひとつの恋』を
誰よりも信じていて
でも ホントは 誰よりも 疑っているのかもしれない
「ずっと傍にいる」
愛し合う二人には 真実の言葉
『愛の言葉』
でも。
「ずっと」なんて、あるのかな
「一生の恋」ってどういうものなの?
24歳。
周りを見回すけど、私の望みとは全く違う恋や結婚が溢れてて
「そういうもんよ」
二児の母として 人生の先輩になった友人はいう。
「結局、恋愛と結婚は別。
生活や、自分の年齢、人生を考えて、相手を選んでするのが、結婚」
と、姉はいう。
ホントにそうなのかな
自分の人生を 『幸せ』を 考えるなら
それこそ「一生 愛したい 愛する」 気持ちがいると思う
そうじゃなきゃ
自分の人生を生きたことにはならないから。
でも、時は無情にも
私の体に刻まれていく
周りに流されそうになる
時代にのみこまれそうになる
自分がちっぽけで ひよわな存在だと
思い知る
そして 孤独から逃れたくなる
もし
その孤独と ちゃんと向き合えたなら。
自分の全てを受け入れて
「わたしらしく 輝ける」 そんな自分になれたなら。
きっと
未来は明るい
そう信じて
今日も ひとり
眠りにつく
