あゆ&あんりのアルバム -6ページ目

からんでみた。

$あゆ&あんりのアルバム

100円の価値は、財布の中の総量で決まる。

「まいったなぁ・・・これはまいった。
「こんなとこで・・・めんどくせ~な~。


その男はそう呟き、ため息を吐いた。



仕事帰り、深夜の終電を降りた彼は、
いつものように家までの道を歩き
いつものように途中のコンビニに寄り
いつものように弁当とビールを買う、

彼はいつもと変わらない1日を終えるはずだった。

しかし・・・今日は違っていた。

まさにコンビニの入り口の直前
そこで彼は不良にからまれてしまったのだ。


「めんどくせ~な~。


もう一度、深く息を吐いた。





仕事でクタクタになった身体
しかも相手は3人、さらに自分より数段うえの体格

誰の目から見ても彼の劣勢は一目瞭然だった。

おそらくそのことは、彼がいちばん理解していたのだろう。
戦うことも、逃げることも、彼は瞬時に諦めていた。

幸いと言ってしまえば幸いか、
今、彼の財布には3000円しか入っていない。
小銭なんかも入っていない。
カードとか身分証とか、そのような類のものもいっさい入っていなかった。


不良たちの要求通り、
ここは財布を渡してしまえばそれ以上の被害はないだろう。

「なんてついてない日なんだ・・・

不良たちの目の前で、彼はゆっくりと財布を手にした。
彼の財布には札が数枚だけしか入っていない、
それは不良たちの目にもはっきり理解できた。



コンビニの店内から、店員や客たちがその様子を見ていた。
心配そうな表情はしているが、
出てきて彼を助けようとする者はいない。

「まあ、しょうがない、か・・俺も助けには出ないだろうしなぁ・・

自分の運の無さばかりを悔みながら、
しかし同時に、
これだけ見てる人がいるのなら、きっと通報した時に
誰かが聴取に協力してくれればいいか、彼はそんな期待も考えていた。



財布から1000円札3枚を取り出す。

「これで全部だ! 受け取れよ!

不良たちに投げつけた。




しかし・・・ここで誰もが驚愕した・・・

コンビニの店員も、客も、

そして不良たち自身も・・・。




「これで全部だ! 受け取れよ!

彼は不良たちに投げつけた・・・











空になった財布のほうを・・・。


ありがとう!


あめちゃんいただきました^^