いろいろなことを考える余裕がありません。
でも、そんな今しか書けないことがあるんじゃないか・・・と思って、
滞在中感じたことを書きたいと思いました。
夜の11時少し前、私は飛行機の窓から下の景色を見ていました。
私がアジアに着くのは、夜便が多いです。いつも、どんな景色が待っているのか、
わくわくしながら夜景を見るのが習慣になっています。
シェムリアップの空港に近づいた頃、私が最初に感じたこと。
”暗い・・・”
これまで降り立ったどこの街より、シェムリアップの街並みはとっても暗かったです。
下を見ても、見えてくるのはほんのわずかな光だけ。
まだまだこれからの国なんだな・・・って思いながら、その光を目で追っていました。
空港について、現地ガイドと合流。
ガイドから一番最初にされた質問。
”日本の方は、カンボジアについてどんな印象を持っていますか?”
私の頭に浮かんだのは、地雷、ポル・ポト、内戦・・・。
でも、それを口に出すことは出来ませんでした。
だから、”アンコール・ワットです”と、無難な答えをしました。
その気持ちに気づいたかどうかは分かりません。
でも、ガイドから言われたのはこんな一言。
”カンボジアは、地雷がいっぱいで危ないと思われがちですが、
ここには1つも地雷が埋まっていません”
あぁ、そうなんだ。。。
みんな、自分たちの国がどう思われているのか、分かってるんですね。
それを聞いたとき、何だかちょっと罪悪感を感じました。
今回の旅の目的は、遺跡を見ることはもちろんですが、どうしても行ってみたい場所がありました。
キリング・フィールドです。
ポル・ポト政権時代、この場所でたくさんの人たちが殺されました。
映画になっている場所はプノンペンにあるようですが、シェムリアップにも
あると知って、どうしても行ってみたいと思いました。
辛くて、悲しかった。
中心にある慰霊塔の中には、殺された人たちの遺品と遺骨が、
無造作に積まれていました。
当時の写真も、少しですが展示してありました。
これから殺されてしまう人たちの写真、拷問中の写真・・・。
思わず目を背けたくなるようなものでしたが、自分に出来ることは、それを知って
考えることだけだと思って、全て見ました。
涙が出そうでした。
慰霊塔に手を合わせて、自分なりに精一杯祈りました。
決してそんなに昔の話ではない。
私が生まれた頃まで、そういったことがここでは行われていたのだから・・・。
カンボジアは、悲しい歴史を背負っています。
でも、そこに住む人たちはとっても優しい。
あったかくて、素朴な人たちです。
きっとまだ5歳くらいの子供たちが、生活のために物売りをしています。
”オネエサン、3ツデ1ドル。カウ?アトデ?”
片言の日本語で、一生懸命ポストカードや民芸品を売っています。
子供たちはとってもかわいい。
だからこそ、断るたびに気持ちがズキズキ痛みました。
”ごめんね、ごめんね・・・”
心の中で、何度も謝りました。
今回の旅では、いろいろな意味で現実を見た気がします。
私の中ではまだ消化出来ていないので、考える時間が必要ですね・・・。
でも、行ってきて本当に良かったです。
写真は、キリング・フィールド前の門です。
慰霊塔を背にして撮りました。
ホテルから1時間近く歩いたけれど、訪れて良かったです。
Ayu