No.37 新婚たまご編 夢見 | シンイ~信義に夢中

シンイ~信義に夢中

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チェ・ヨンは、大きな木の下で泣いているまだ幼さの残る男の子に声をかける

何を泣いておる 兄に叱られたか


違います
男の子は、泣きながら首を振ると小さな声で答えた



誰ぞと喧嘩でもしたか?
ヨンが優しく問うと


違うのです
先程よりも更に小さな声で答える男の子に


なら、如何したのだ
母上が心配して探しておったぞ
ヨンが言うと



……父上、私は父上と母上の誠の子でありますか

と泣き腫らした目をし、真剣な眼差しで問われる

何を言う
お前が母から産まれてくるのを皆が見ておったわ
いつも言うておろう

ため息をつきながらヨンは続けた

そなたが兄弟の中で一番、幼き頃の父によう似ておると叔母上も言うておるであろう


しかし、父上…私は体も小さく漢文もまだ読めず剣も上手く使えませぬ
私の年には姉上は漢文を読み書きし、兄上は剣で負ける者はおらなんだと皆が……


段々と俯き、涙声になるその小さき子の頭をヨンは、ポンポンと軽く叩くと


人は人だ、比べるな
お前は、今のまま努力すれば良い

そう言えば、薬草や花に詳しいと聞いた
トギに教えてもらっておるのであろう?
他の2人には、出来ぬことではないか



しかし、父上…

それでも、まだ悔しいのか涙目で何か言おうとする子に


お前は大きくなったおり、母を…いや、父を助けるであろう
だから、今は力を蓄えておけ精進を忘れるな、良いな



父上? それは、どういう事ですか

問う我が子に微笑みながら


時期が来れば分かる
さぁ、母上が探しておる、戻るぞ

と立ち上がり、その子を肩に乗せる


高くて、怖いか?


いえ、遠くまで見渡せます、凄いです父上

嬉しそうに辺りを見渡す子を落とさぬようにヨンは、ウンスの声のする方へ歩いて行った




……た……あなた、こんなところで、うたた寝してたら風邪を引くわよ

どうしたの?
良い夢でもみたの?


庭の大木の下で、つい、うたた寝をしていたようだ
ウンスに起こされたヨンはその問いに

あぁ、まだ見ぬ我が子に会うてきた


え?


何でもない 良い夢であった
さて、腹が減った、戻るか


そう言うとヨンはウンスの肩を優しく抱き、歩き出した







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すみません
木の下で、子供を慰めるシーンを思いつき、こちらの話を書きたいがために、あの男を登場させました



前置き長すぎ……ごめんなさい

では。。。。゛(ノ‥)ノ