櫻井あやにゃん's Novel World

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由「…ほ、んと…だよ」





翔ちゃんはしばらく私の目を見つめてから


「そっか」と言って私から離れ、帰る準備を始めた。






なに、今の…。





心臓が飛び出そうだった。






こんなの、大野くんと一緒にいる時でさえ感じたことがない。






「由依、何してんの?」





ぼんやりしている私に鞄を持った翔ちゃんが言ってきた。





由「へっ?」


翔「早く帰るぞ」


由「う…うん」







その帰り道、まともに翔ちゃんの目を見ることが出来なかった。





またあの目で見られちゃう気がして。





ずっと俯く私を翔ちゃんは心配してくれたけど。






正直、私はそれどころじゃなくて。





さっき心臓がドキドキした理由を必死に探していた。






逃げるようにバタバタと走って教室に戻って来た。





追いかけられてるわけじゃないのに、


誰かが着いて来てるみたいに感じられていた。





机に手をついてゼエゼエと息をしている私を


翔ちゃんが目を丸くして見ていた。





翔「おい、どした?大丈夫か?」





傍まで来て背中をさすってくれる。





由「だ…大丈夫。ありがと」


翔「何かされた?」


由「え?」


翔「あいつに…何かされたのか?」





翔ちゃんの目は鋭かった。





質問というより決めつけているような言葉だった。





由「ううん、何もされてないよ」





先生はゴミが付いてたって言っていた。





もしかしたら、私が見る前に

その辺に捨てていたのかもしれない。





私の気のせいだったんだ。





そう自分に言い聞かせていた。




そうでもしないと、頭がおかしくなりそうだったから…。








翔「ほんとか?」





翔ちゃんの鋭かった目が一変して、


弱い小さな子を心配するような目になった。





それを見た瞬間、心臓が嘘みたいにドキンと跳ね上がった。






準備室に向かうと、そこにはいくつかの段ボールがあって。





中村「これを運ぶの、手伝って欲しいんだ」





…何だ。




怒られるんじゃないんだ。





こんくらい楽勝楽勝!





腕まくりをして段ボールの前でしゃがみ、


持ち上げようとした途端。






由「…ちょっ…!」





ドンッ、と派手な音を立てて段ボールが落ちた。





今のって…。





お尻…触られた?






おそるおそる先生を見ると、ニコニコと笑っていた。





中村「ゴメンゴメン。ゴミついてたみたいでさ?」





そういう先生の手にはゴミなんて物は無い。





念のためスカートを確認すると何も着いていなかった。






…まさか…。






中村「さ、運ぼう?早くしないとHR始まっちゃうよ」





先生はそう言って段ボールを抱えて


準備室から理科室へと運んで行く。





由「…は、はい…」





“あの人、セクハラで有名だよ?”



“一番酷くて…レイプとか”





ゾクッ!





…いやいやいやいや。




ないない。





まさか私がレイプなんてあるわけ無い。





その話もただの噂だ。





うん。



きっと…大丈夫。