前回からの続きになります!



入社して砂漠の国へとやってきた私を、早速待っていたのは、トレーニング。

同期は30人くらいのくらいいただろうか。レバノン、オーストラリア、インド、タイ、南アフリカ、ブラジルなど様々な国籍の人がいて、人種のるつぼ!

厳しい英語でのトレーニングがはじまった。

毎日泣いていた。

トレーニングの後は、毎晩ほぼ徹夜で20センチはあるだろう分厚いマニュアル本を読み漁り、宿題をして、翌日のテストのため勉強。

なぜなら、このテストで90点以上パスできないと、やり直し。何度か落ちると日本へ送り返される。

せっかく厳しい面接を勝ち抜いてきたのに、ここで送り返されたら本末転倒。

しかし、授業では専門用語の連発。

日本語ですら意味の分からない医学用語やら、航空業界の特殊用語を覚え、授業で新しいことを習ったら、その場で実践。

本物の機体の中で、緊急用扉から脱出して、叫びながら乗客を誘導、最後は自分もスロープを滑って、プールに泳ぐ!

ある時には、人形を相手に人命救助を施す。

終わったあとにはいつも放心状態。他に慰め合える日本人のクラスメイトもいなくて、みんな外国人。

毎日帰りのバスで、出来ない自分に悔しくて泣いていた日々。

苦しい2ヶ月にわたるトレーニングが終わって、空の世界へ羽ばたいても、どんなに努力しても努力しても、周りの同僚たちの英語力に太刀打ちできない現実。敵わないこと。

お客様ともユーモアノのきいた会話できない自分。クレームに対応できない。

強いアクセントのイギリス英語になると、時々何を言われるかさっぱり分からなくて、そんなときもトイレでいっぱい泣いた。

外資系キャビンアテンダントになるということは、常に学び続けなければいけません。

でも刺激的な毎日でした。

格段に自分の世界が広がりました。
これまで自分で、【限界】と決めていた枠を超えて、新しい自分に出会えたこと。

臆病でビビリだった私が信じられないくらい、たくさんのお客様、一度に300人を超える方の前に堂々と向き合えるようになったこと。

それは自信になり、自分への信頼へと変わりました。どれだけ人生のプラスになったか、計り知れません。

また、これまで訪れたことのない世界、出逢ったことのない景色、街の雰囲気、人々、匂いを肌で感じて、たくさんの国の人々とも出逢って経験できたこと。

自分の価値観さえも変わり、先入観や物差しだけで、人を判断することもなくなったこと。美味しい世界中の料理も食べられたこと。

どれも、お金では絶対に買えない大切なものをたくさん得て、涙の数だけ強くなれました目