人生の線引き。 | そよkaze

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綴ってみようと思います
残照に立つ気はないけれど立ってるわけで
書けるうちが花と思っています。
お読みいただけたら嬉しいです。

梅雨で何だか手持無沙汰、そうかといってスカイチャンネルも何んとなく飽きてしまって(ごめん)

あるチャンネルに加入して久しぶりに映画を見ました。

 

「PLAN75」という邦画です。

 

すっかり老いたメイクの(もしかしてまんま?)倍賞千恵子が

何とも哀愁を漂わせた実に繊細な演技で 見る者の胸に迫ってきます。

 

年齢による命の線引きという センセーショナルなテーマを通して、命の尊さを訴える人間ドラマです。

 

死の選択に直面する主人公を演じた名優倍賞千恵子の繊細な演技が光ります。

ストーリーは 少子化 高齢化が進んだ近未来の日本。

 75歳から生死の選択権を与える政策制度 「プラン75」が国会で可決 施行されます。

夫と死別して、一人で暮らす78歳の角谷道はある日突然、

高齢を理由にホテルの清掃の仕事を解雇され プラン75の申請を検討し始めるという映画です。

 

私は持病もあるので時々考えるのです。

いつか?命の線引きを自分でできる、いわゆる安楽死に関する法案が国会で可決されたときに

自分はどうするか?と。

 

私は元々宝塚より映画の方が好きだったので

御贔屓の舞台がない事や、昨今の公演中止とかで やや宝塚離れが出てきたのかもしれません。(笑)

ふと以前加入していたチャンネルを覗いてみましたら、この番組が目に入ったのです。

 

 

 

 

おお。倍賞千恵子だ! 

あのさくらちゃんがこんな風な役も演じているんだなあ

でも老いの孤独をまとった倍賞千恵子のこの哀愁はただならない

見なくては.....

 

感想は、、、

結局 人間というのは?そんな線引は無理だということをつくづく 感じさせる映画となってます。

若いカウンセラーたちがそのプラン75の窓口に立ち色々な相談にのって行くのですが。

 

ある若者は 行方不明だった自分の叔父とカウンセィングの席で再会し

そして自分が紹介するその施設が その遺体を産業廃棄物として処理する秘密なデーターを読み

矢も楯もいられずその施設に行ってみると

叔父はもう、吸入薬で眠るように亡くなっていたのですが

甥はある火葬場にこっそり遺体を運ぶのでした。

 

倍賞さんが演じるその彼女は

 職場仲間の老婦人4人で あるホテルの清掃をしながら貧しくとも

カラオケなどに行ったりつましく働いていたある日

仲間の一人が清掃中に急死し、その後高齢を理由に全員解雇されてしまいます。

 

仕事を探しても78歳の彼女を雇うところもなく

夫に先だたれ子供もなくしている彼女は ついにプラン75の窓口を尋ねるのです。

 

申し込んでもらった10万円をごほうび代ねと受け取る彼女は

その窓口の若い女性の担当者に、昔夫といったボーリング場に連れて行ってもらい

楽しいひと時を過ごすのでした。

 

その担当者や、施設に働く外国人の人生や、それぞれ精いっぱい働いてつましく生きる市井の

名もなき人々で

 

金持ちも政治家も姿は見せない、結局はそのプランに応じるのは 身寄りのない人々の行きつく先なのかと思うとなんとも切ない。

人間として命の線引きなどしてはならない

最後まで生き抜いて その最後を看取ることのできる政治がどれだけ大切な事か。

ほんと色々考えちゃいました。

 

でもいつだったか観た映画のその施設?は

大きな気持ちの良い部屋で、天井は星々が瞬き、美しい音楽と

極上の食べ物が用意されたその部屋で

満足げに生を終える

その映像が美しく 最後を迎える人の柔らかな笑顔が脳裏に今でも浮かぶのですが....

 

今の私は、それぞれ自立している家族がいて 憂いなくこのまま私らしく

ノー天気なまま生きて、最後は多少苦しむのは致し方ないけれど

大丈夫きっと!とか思えるこの日々に感謝です。

 

うん、そろそろ御贔屓の事考えて楽しく公演を待っていましょう。(笑)